弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人佐藤智彦の上告理由第一点について。
 (1)について。原審は所論贈与の事実は認めがたい旨判示しているのであるか
ら、原判決には所論の判断遺脱はない。
 (2)および(4)(一)(二)について。所論は、ひつきよう、原審が適法に
した証拠の取捨、事実認定の非難に帰着する。
 (3)および(4)(三)について。上告状とともに提出した新たな証拠を根拠
として、原審のした事実認定を論難攻撃することは許されないし、所論甲第三号証
ないし第五号証の原本につき、第一審以来適式な証拠調がなされていることは記録
に徴し明白である。また、所論「甲三号証の委任状に基づき翌一三日長治の印鑑届
がなされた云々」の事実は、単なる間接事実にすぎないから、当事者の主張がなく
ても裁判所において右事実を認定しうることはいうまでもない。要するに、論旨は、
いずれも理由がない。
 (4)(四)について。所論は、Bが第一審において提出した所論書面には法定
の印紙の貼用がない等法定の答弁書の要件を具備していないから、民訴法一三八条
を適用する余地のないことを前提として原判決を非難するが、答弁書たる標題を掲
げた書面であつても請求の趣旨に対する答弁(反対申立)の記載を含まないものは、
通常の準備書面と同じく印紙の貼用を要しないものと解すべきところ、記録に徴す
れば、B提出の右書面は、「答弁申上ます」と題し、その内容にも「答弁書のつも
りでしたが私的な内容も混入してしまい云々」とあるが、本訴請求の趣旨に対する
反対申立の記載はないから、前示のとおり法定の印紙の貼用を要しないものと解す
べきであるし、また、右書面には必ずしも民訴法二四四条の形式に合致しない点が
あるとしても、これを無効として同法一三八条の適用を排除すべき程度の瑕疵があ
るものとはいえないから、第一審で右書面の記載事項が陳述されたものとみなされ
たことを是認してこの陳述が擬制されたことおよびその陳述の内容を所論事実認定
の資料とした原判決には、なんらの違法もないものといわなければならない。その
他の論旨も、結局において、原審が適法にした証拠の取捨判断ないし事実の認定を
非難するに帰着し、所論違憲の主張もこの意味で適法な上告理由と認めることはで
きない。論旨は、いずれも採用しがたい。
 同第二点について。
 所論(1)、(2)に主張する「必要性の存否」や「異議を言わなかつた事実」
などのようないわゆる間接事実については、とくに原審が摘示判断をなす必要がな
いことはいうまでもないことである。所論(3)に指摘の上告人の信義則違反の主
張は、要するに、上告人が登記簿を信用した善意の取得者であり、かつDが自から
須賀川市役所より交付を受けてBに渡した印鑑証明書等を信じたがゆえに本件山林
を買い受けたのであるからというのがその理由とされているところ、これらのこと
はいずれも原判決において摘示され、かつその理由のないことが判示されているこ
と原判文に徴し明らかであるので、原判決には所論判断遺脱はない。
 また、所論(4)は、上告人の民法一一〇条、一〇九条等の表見代理に関する主
張につき原審は判断をしていないというが、かかる主張は、上告人において原審で
主張した形跡がないのみならず、上告人は一審以来本件山林をその所有者たるBよ
り買い受けたと主張しているのであり、Dを代理する右Bより買い受けたとは主張
していないのであるから、所論表見代理を論ずべき余地もない。されば、論旨は、
いずれも採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    田   中   二   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛