弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人寺井俊正の上告理由について。
 所論は、憲法一九条、二一条一項違反をいうが、新聞紙に謝罪広告を掲載するこ
とを命ずる判決は、その広告の内容が単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明する
程度のものにあつては、憲法一九条に違反しないことは当裁判所の大法廷の判決(
昭和二八年(オ)第一二四一号同三元年七月四日大法廷判決、民集一〇巻七号七八
五頁参照)の示すところであり、右のごとき判決が憲法二一条一項に違反しないこ
とは、右判決の趣旨に徴して明らかである。しかして、本件における被上告人の本
訴請求は、上告人両名が昭和三八年八月二四日「D」に「町を毒すE暴政、与野党
問わずヒモつき」と題して報道した記事につき、上告人両名名義を以て被上告人に
対し、「貴下及び親族友人等に多大の迷惑を及ぼしたことを謝罪する」という内容
の謝罪広告を求めるのであつて、その内容は単に事態の真相を告白し陳謝の意を表
明する程度のものである。しからば、右謝罪広告の掲載を命じた第一審判決ならび
にこれを是認した第二審判決および原審判決には何等所論憲法の条項違反はなく、
論旨は採用に値しない。
 よつて、民訴法四〇九条ノ三、四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判
官入江俊郎の意見があるほか、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
 裁判官入江俊郎の意見は次のとおりである。
 わたくしは、本件上告を棄却すべきものとする結論においては多数意見に同調す
るが、憲法一九条の良心の自由の法意に関する多数意見およびその引用する当裁判
所大法廷判決の多数意見には反対である。
 また憲法一九条の良心の自由は、いわゆる自由権の一種であつて、国家権力をも
つてしてもその自由を侵害されないという基本的人権の一つであることに顧みれば、
本件第一審判決ならびにこれを是認した第二審判決および原上告審判決自体の効力
としては、上告人らが、判示に従つて本件謝罪広告の掲載を任意に履行することを
期待するに止まるものであり、これを強制的に執行することは、代替執行によると
間接強制によるとを問わず、前記憲法一九条の良心の自由の要請および同一三条の
個人の尊重の趣旨からみて、許されないものと解すべきものであつて、この点にお
いても、わたくしは、これに強制執行を許すことを認めた前記多数意見には反対で
ある。
 それ故、本件判決が確定したからといつて、上告人らは強制的に謝罪広告を掲載
せしめられることにはならず、違憲の問題を生じないのであつて、万一これが強制
的に執行されることとなれば、その段階においてはじめて違憲の問題を生ずるとい
うべきである。従つて、所論違憲の主張は前提を欠くものであり、本件上告は棄却
を免れない。
 なお、わたくしの意見の詳細については、前記大法廷判決において示したわたく
しの意見を援用する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    岩   田       誠

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛