弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各再上告を棄却する。
         理    由
 各被告人の弁護人池辺甚一郎上告趣意について。
 刑訴応急措置法第一七条第一項によれば、高等裁判所が上告審としてした判決に
対しては憲法適否を理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることがで
きるのである。この規定は最高裁判所が終審として所謂法令審査権を有することを
認めた憲法第八一条に対応して、高等裁判所の上告判決に対しても、特に憲法適否
の問題を理由とするときに限り最高裁判所に再上告を為し得べきことを認めたもの
なのである。然るに本件は、大阪高等裁判所が上告審としてした判決に対する再上
告であるにも拘わらず、所論はすべて原審が刑訴第三四二条の解釈又はその適用を
誤つたとの非難を縷述するだけで、何等憲法適否の問題に触れた主張をしてないの
である。従つて論旨はいずれも再上告適法の理由とはならない。
 よつて刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 茂見義勝関与
  昭和二三年一〇月二八日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    齋   藤   悠   輔

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