弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人梨木作次郎の上告趣意について。
 爆発物取締規則にいわゆる爆発物とは、理化学上の爆発現象を惹起するような不
安定な平衡状態において、薬品その他の資材が結合せる物体であつて、その爆発作
用そのものによつて公共の安全をみだし、または人の身体財産を害するに足る破壊
力を有するものと解するを相当とし、右理化学上の爆発現象というのは、通常、あ
る物体系の体積が物理的に急激迅速に増大する現象すなわち物理的爆発並びに物質
の分解または化合が極めて急速に進行し、かかる化学変化に伴つて一時に多量の反
応熱および多数のガス分子を発生して体積の急速な増大を来たす現象すなわち化学
的爆発を指すものであるとすることは、当裁判所大法廷の判例とするところである
(昭和二九年(あ)第三九五六号、同三一年六月二七日大法廷判決、刑集一〇巻六
号九二一頁)。論旨引用の当裁判所判例(論旨は、引用判例を明記していないが、
上告趣意書提出の日時に照らし、原判決が引用している昭和二八年(あ)第二八七
八号、同年一一月一三日第二小法廷判決、刑集七巻一一号二一二一頁を指すものと
認める。)もこれと趣旨を同じくすること明らかである。
 論旨には、原判決の判例違反を主張している点があるが、先ず、原判決が一般的
に右罰則にいわゆる爆発物の意義を説示した部分は、前記当裁判所の判例と趣旨に
おいて異るところはないからこの点において判例違反はない。次に、論旨引用の第
二小法廷判決は、右罰則にいわゆる爆発物一般の意義について判示しているけれど
も、その破壊力や危害を与える可能性が、所論のように強大または甚大なることを
要することについては何等の判断をも示していないのであるから、従つて原判決は
その点においても、右判例と相反する判断を示したものとはいえない。さらに、論
旨は、原判決が証拠により認定した本件ラムネ弾を「爆発現象を惹起するような不
安定な平衡状態において薬品その他の資料が結合せる物体」に該当すると判示した
点において引用判例に違反すると主張するが、該判例は、前記罰則にいわゆる爆発
物一般の意義を示した上、当該事案において認定されたいわゆる火焔瓶がこれに当
らない旨を判示したに止まり、それと構造、装置、薬品資材の性質分量、使用方法
その他破壊力等において異なる本件ラムネ弾が右罰則にいわゆる爆発物に該当する
か否かについては何等判示するところがないのであるから、引用判例は本件に不適
切であり従つて原判決はこの点においても判例違反のかどはない。それ故判例違反
の主張は全て採るを得ない。
 その余の論旨は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当
らない。(なお、原判決認定にかかるカーバイト約四〇瓦入りの本件ラムネ弾は、
たとえ所論のように、水の配合がなくまたその装置の一部に水を保持、流出させる
ような設備がないとしても、原判決認定のようなその構造、装置、薬品資材の性質
分量、使用方法、性能特に破壊力等に鑑み、引用判例の示した意義における爆発物
に該当し従つて前記罰則にいう爆発物に当るとした原判決の判断は正当である。昭
和三三年(あ)第一八三七号、同三四年六月四日第一小法廷判決、刑集一三巻六号
八八四頁参照。)
 よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和三四年一二月二二日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    河   村   又   介
            裁判官    島           保
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

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