弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人弁護士笹岡龍太郎の上告理由について
 原判決は、控訴人の控訴申立の日は昭和三四年三月一九日、控訴期間の満了日は
同月一八日であるから、控訴は期間経過後の提起にかかるものであるとしてこれを
却下した。ところで、控許状に押捺された受付日付印によれば控訴状は原判示のよ
うに右一九日に東京地方裁判所に提出されたもののようであるが、本件記録に編綴
された控訴状の封筒及び東京高等裁判所第九民事部主任所記官東地方裁判所事務局
総務課長との間の照会回答の各書面並びに上告人の提出した郵便物配達証明書及び
書留郵便物受領証によれば、控訴状は控訴代理人笹岡龍太郎により郵便物として発
送され、昭和三四年三月一八日に東京地方裁判所に配達、同裁判所の当直員により
受領されたことを認めることができる。故に控訴申立の日は右同日であると認める
のが相当であり、控訴期間が同日をもつて満了することは原判示のとおりであるか
ら、本件控訴は控訴期間内に適法に提起されたものといわなければならない。従つ
て控訴を不適法として却下した原判決は不当であつて、論旨は理由があり、原判決
は破棄を免れない。
 よつて民訴四〇七条により、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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