弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A、同Bの弁護人鈴木俊光の上告趣意一は、単なる訴訟法違反、事実誤認
の主張であり(なお、第一審判決が判示第一事実の証拠として採用している本件被
告人五名の検察官事務取扱副検事に対する各供述調書は、差戻後の第一審公判にお
いて、当該被告人に対する関係においては刑訴三二二条の書面として、他の共同被
告人に対する関係においては刑訴三二一条一項二号の書面として、それぞれ適法な
証拠調がなされていることは記録上明らかであり、所論のように特信性がないもの
とは認められない。)同二は、単なる法令違反の主張であつて(なお、数人間の順
次の共謀による共謀共同正犯の成立については昭和二九年(あ)第一〇五六号同三
三年五月二八日大法廷判決、刑集一二巻八号一七一八頁によりこれを肯定すること
ができる。)いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同三について。
 所論は、原審において控訴趣意として、主張、判断されていない事項に関する主
張であるばかりでなく、旧関税法(昭和二九年法律六一号による改正前のもの)八
三条一項が憲法二九条に違反しないことは、当裁判所判例(「関税法第一一八条第
二項―追徴の規定―は、憲法第二九条に違反しない。」昭和三一年(あ)三四三七
号同三三年三月一三日第一小法廷判決、刑集一二巻三号五二七頁、「旧関税法第八
三条第一項は、犯人以外の第三者の所有に属する貨物または船舶でも、それが犯人
の占有に係るものであれば、右所有者の善意、悪意に関係なく、すべて無条件に没
収すべき旨を定めたものではなく、右所有者たる第三者が貨物について同条所定の
犯罪行為が行われること、または船舶が同条所定の犯罪行為の用に供せられること
をあらかじめ知つており、その犯罪行為が行われた時から引きつづき右貨物または
船舶を所有していた場合に、その貨物または船舶を没収できる趣旨に解すべきであ
つて、憲法第二九条に違反しない。」昭和二六年(あ)一八九七号同三二年一一月
二七日大法廷判決、刑集一一巻一三号三一三二頁)の趣旨とするところであるから、
論旨は採用できない。(なお、本件において、第一審判決が判示第一事実につき挙
示する証拠によれば、同判決別紙目録記載第一号ないし第三五五号の各貨物は、被
告人A所有のものであるから、第一審判決が、旧関税法八三条一項により共犯者で
ある被告人Bに対しても右各物件を没収する旨の言渡をしたのは正当である。)
 被告人C、同Dの弁護人後藤助蔵の上告趣意第一点は、判例違反をいうが、原審
で控訴趣意として主張、判断のない事項についての主張であるばかりでなく、所論
判例は事案を異にし、本件に適切でなく前提を欠くものであり、同第二点は、単な
る訴訟法違反の主張であつて(なお、検察官は、差戻後の第一審第一回公判におい
て、昭和二九年四月二七日付訴因の変更請求書により訴因の変更を請求し、被告人
C、同D及びその弁護人はこれに対し何ら異議の申立をしなかつたので、裁判官は
右請求を許可する旨の決定をなし、検察官は右請求書を朗読したことが記録上明ら
かである。右訴因の変更請求書謄本は、昭和二九年五月一日被告人Cに送達されて
おり右請求書謄本が直ちに被告人Dに送達されなかつたとしても、被告人側には右
変更事実に関する防禦の機会が十分に与えられたものと認められるから、判決に影
響を及ぼすべき法令の違反があるとはいえない。)いずれも刑訴四〇五条の上告理
由に当らない。
 被告人Eの弁護人渡辺伝次郎の上告趣意は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張
であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り判決する。
  昭和三四年一二月一五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    島           保
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛