弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告指定代理人岡本元夫、同河津圭一の上告理由第一点について。
 原判決が、本件において上告人国の損害賠償責任を認める理由の要旨は、本件大
爆発の原因となつた二股トンネル内の火薬類の焼却作業は、占領軍が主体となつて
その方針に則りその計画に基いて実施したものであるが、当時日本陸軍の担当責任
者たるD少佐は、右トンネル内の火薬類を占領軍当局に引渡すに当り、判示の詳か
に指摘するように、必要な注意をすることを怠り、その結果占領軍当局において危
険がないものと安易に考え判示の焼却処分をなすに至らしめた点において過失があ
るものと認められ、また添田警察署長E、警部補F等は、原審の委しく判示するよ
うに、住民の生命、身体、財産等の危害なきよう適宜の措置をとるべきであつたの
にそれをしなかつた点において、国の機関たる警察官として過失があつたと認めな
ければならないとし、結局上告人国は、「これらの機関の過失ある本件事故発生に
関しその被害者に対し損害賠償を為すべき義務あるものといわなければならない」
というに帰する。この趣旨について、記録により原判決の引用する証拠と判示説明
とを検討してみると、その判断は必しも不当とはいえずまた違法があるとは認めら
れない。所論は当裁判所の判例を引用し、原判決の判例違反を主張するのであるが、
その前提として主張する前示警察署長等の行為の性質について(なお論旨はD少佐
の行為については触れていないと認められる)、原判決の認定するところを記録に
存する資料によつて考究してみると、原判決が本件の場合に警察官のとるべき注意
義務として判示する各行為は、いずれも急迫の必要ある場合に認められる措置とい
えるとともに、判示のような要請は、切迫した勧告ないし注意と見るべきであり、
その性質は公権力の行使たる警察作用に属しないと解するを相当とする。原判決も、
もとよりこの見解に立つて上告人国の損害賠償義務を認めた趣旨であること明らか
である。従つて本件は、所論引用の判例とその前提たる事案を異にするから、判例
違反を論ずるのは当らない。
 同第二点について。
 所論(1)は原審の過失の認定を非難するが、原判決の詳細な説示について当時
の異常な状況特に所論の相手方が占領軍であることを十分に考慮に入れて審究して
みても、原審の認定に到達することが不能ではなく、これを背理であり違法である
ということはできない。所論(2)は、D少佐に過失があつたとしても、過失と本
件損害との間には相当因果関係がないと主張するが、原判決のこの点に関する委し
い説示を考究してみると、この間の関係を納得し得るところであつて、所論のよう
な違法があるとはいえない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    本   村   善 太 郎
            裁判官    垂   水   克   己

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