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平成10年(ワ)第336号 配当金返還請求事件(①事件)
平成10年(ワ)第476号 配当金返還請求事件(②事件)
判          決
主          文
1 原告組合に対し,被告Aは金1129万6000円及びこれに対する平成10年8
月1日から支払済みまで年5分の割合による金員,被告Cは金1493万円及び
これに対する平成10年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を各
支払え。
2 被告Bに対する請求を棄却する。
3 訴訟費用は,原告組合に生じた費用の2分の1と被告A,被告Cに生じた費用を
被告A,被告Cの負担とし,原告組合に生じたその余の費用と被告Bに生じた費
用を原告組合の負担とする。
事実及び理由
第1章 当事者の申立て
 第1 原告組合
 1 主文第1項同旨
 2 原告組合に対し,被告Bは金1593万円及びこれに対する平成10年8月1日か
ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 3 訴訟費用は被告らの負担とする。
 4 仮執行宣言
第2 被告ら
 1 原告組合の請求をいずれも棄却する。
 2 訴訟費用は原告組合の負担とする。
第2章 事案の概要等
第1 事案の概要
本件は,松山港港湾整備事業(愛媛県FAZ整備事業)に伴う漁業権の消滅補
償として愛媛県から漁業補償金の交付を受けた原告組合が,被告らは正組合
員としての資格要件を充足していないにもかかわらず正組合員として配分金を
受領したとして,不当利得返還請求権に基づき,被告らに対し,受領した配分金
(被告Cについては一部)の返還を求めた事案である。
第2 争点の前提となる事実(証拠を摘示した以外は争いのない事実)
 1 原告組合
(1)原告組合は,水産業協同組合法(以下「水協法」という。)に基づき設立された
漁業協同組合である。
(2)Dは,平成8年7月2日から原告組合の代表理事組合長の職にある者である
(弁論の全趣旨)。
2 組合員資格
(1)水協法18条に基づく組合定款8条によれば,「この組合の地区内に住所を有
し,かつ,1年を通じて90日をこえて漁業を営みまたはこれに従事する漁民」
(1項1号)は正組合員になることができるとされ,「この組合の地区内に住所
を有する漁民で,1項1号に掲げる以外のもの」(2項1号),「この組合の地区
内に住所を有しない漁民で,その営みまたは従事する漁業の根拠地がこの組
合の地区内にあるもの」(2項2号)は准組合員になることができるとされてお
り,他方,水協法27条,組合定款14条によれば,「組合員たる資格の喪失」
が法定脱退事由とされている(甲10,弁論の全趣旨)。
(2)なお,水協法10条によれば,「漁業」とは,水産動植物の採捕又は養殖の事
業をいい,「漁民」とは,漁業を営む個人又は漁業を営む者のために水産動
植物の採捕若くは養殖に従事する個人をいうとされている。
3 組合員の加入状況
(1)原告組合は,旧名称を三津浜町漁業協同組合といい,松山市漁業協同組合
が3組合(三津浜町漁業協同組合,松山市高浜漁業協同組合及び松山市漁
業協同組合)に組織分裂したことによって昭和44年3月15日に法人として成
立したものであり,分裂当時,漁業を生業とする20名程度の組合員によって
構成されていた(甲73,乙ホ50,証人E,原告組合代表者,弁論の全趣旨)。
(2)上記分裂の結果,松山市漁業協同組合が単独で有していた共同漁業権伊共
第83号が三津浜町漁業協同組合,松山市漁業協同組合及び松山市今出漁
業協同組合の共有となり,伊共第84号が松山市今出漁業協同組合の単有と
なったが,昭和45年ころ以降,組合間において,共同漁業権の帰属,公共事
業等の実施に伴う漁業補償金の配分等の問題が持ち上がるようになり,関係
者の間においては,各組合の組合員数や保有する漁船数の多寡により漁業
権帰属の軽重を問い,漁業補償金配分の基準にすべきであるという考え方が
支配するようになった(甲73,原告組合代表者,弁論の全趣旨)。
(3)原告組合では,上記のような背景のもと,歴代の組合長等において,共同漁
業権の帰属や漁業補償金の配分について少しでも有利な方向に向かうよう組
合員数や漁船数の増加獲得を目指し,漁業を営んでいない遊漁者等であっ
ても,その者が船を所有するなどの事情があれば,組合加入を働きかけるよ
うになり,その成果もあって,平成7年7月31日当時,組合員名簿上,正組合
員50名,准組合員17名の組合員が存在することになった(甲1,73,乙ホ4
3,50,原告組合代表者,弁論の全趣旨)。
4 FAZ漁業補償金
(1)愛媛県は,平成7年5月19日,原告組合,松山市漁業協同組合,松山市今出
漁業協同組合との間で,運輸省第三港湾建設局及び愛媛県が施行する松山
港港湾整備事業(愛媛県FAZ整備事業)に伴う漁業権の消滅(共同漁業権伊
共第83号及び伊共第84号の一部放棄等)についての補償金(以下「FAZ漁
業補償金」という。)として28億5000万円を支払う旨の漁業補償契約を締結
した(甲2,3,弁論の全趣旨)。
(2)FAZ漁業補償金は,上記3組合による交渉の結果,7億0200万円が原告組
合に配分されることになり,平成7年5月31日,その配分がなされた(原告組
合代表者,弁論の全趣旨)。
5 本件配分決議
(1)原告組合では,平成6年12月16日,臨時総会が開催され,FAZ漁業補償金
に関し,配分委員会(以下「本件配分委員会」という。)を設置して配分基準案
を作成すること,被告C,Dを含む7名を配分委員とすることなどが異議なく承
認された(甲4)。
(2)ア 原告組合では,平成6年12月19日以降,11回にわたって本件配分委員
会が開催され,平成7年7月20日,同委員会において,配分基準案(以下
「本件配分基準案」という。)が最終決定された(弁論の全趣旨)。
イ 本件配分基準案においては,①配分対象額が6億9500万円,②配分対
象組合員が松山市a,b地区の正・准組合員,③配分基準日が平成6年12
月31日(以下「本件配分基準日」という。)現在の組合員,④配分対象者が
正組合員43名,准組合員15名,その他6名(平成6年12月31日以降正
組合員加入者5名,他合意配分1名),⑤各正組合員に対する配分につい
ては,646万5000円を「正組合員均等割」とし,「正組合員になって10年
以上で漁業による生活依存度の高い者」(100パーセント・1853万5000
円)を基準として,正組合員としての年数の長短及び漁業による生活依存
度の高低に応じて90,70,50,35,25パーセントの「正組合員年数割」
を加算する方法によって算出することとされ,⑥各准組合員に対する配分
金額については,「准組合員になって5年以上で漁業による生活依存度の
高い者」が100万円(100パーセント),「漁業での生活依存の低い者(船
のない者)」が30万円(30パーセント)とされた(甲5)。
(3)原告組合では,平成7年7月29日,理事会が開催され,第1号議案「FAZ漁
業補償金配分基準案等の承認について」が上程され,臨時総会を開催するこ
とが異議なく承認された(弁論の全趣旨)。
(4)原告組合では,平成7年8月10日,臨時総会が開催され,第1号議案「FAZ
漁業補償金配分基準案等の承認について」(本件配分基準案)が正組合員5
0名中,賛成41名,反対9名により承認(以下「本件配分決議」という。)され
た(甲6)。
6 被告らに対する配分
 原告組合は,本件配分決議に基づき,配分対象者に対して本件配分基準案に
従った配分を行ったが,そのうち被告らに対する具体的配分金額等は次のとお
りである。
(1)被告A
  被告Aは,平成元年8月10日に原告組合に加入し,以後,出資の払込み,
賦課金の納入等の原告組合に対する義務を履行し,原告組合において正組
合員として扱われてきた者であり,本件配分決議に基づき,「正組合員になっ
て3年以上10年未満であるが漁業による生活依存度の最も低い者」として1
129万6000円の配分を受けた(甲1,5,7,乙ニ1,14,弁論の全趣旨)。
(2)被告B
 被告Bは,組合定款の定める地区内に住所を有し,昭和62年7月21日に
原告組合に加入し,以後,出資の払込み,賦課金の納入等の原告組合に対
する義務を履行し,原告組合において正組合員として扱われてきた者であり,
本件配分決議に基づき,「正組合員になって3年以上10年未満で漁業による
生活依存度のやや高い者」として1593万円の配分を受けた(甲1,5,7,弁
論の全趣旨)。
(3)被告C
 被告Cは,平成2年1月10日に原告組合に加入し,以後,出資の払込み,
賦課金の納入等の原告組合に対する義務を履行し,原告組合において正組
合員として扱われてきた者であり,本件配分決議に基づき,「正組合員になっ
て3年以上10年未満で漁業による生活依存度のやや高い者」として1593万
円の配分を受けた(甲1,5,7,乙ヘ18,弁論の全趣旨)。
7 被告らの組合員資格の変動等
(1)ア 原告組合では,平成8年7月ころ以降,愛媛県漁政課等から組合員の資
格審査等について指導があり,同年11月20日には臨時総会において組
合員資格審査委員会規程が制定され,平成9年6月10日には組合員資格
審査基準が施行された(甲73ないし75,原告組合代表者)。
イ なお,組合員資格審査基準によれば,漁業を営む者が正組合員の資格を
有するとされるためには,水揚日数及び組合等への水揚げ日数の合計が
90日を超えることを要し,上記日数には,漁業を営むための準備期間等に
かかる日数として,出漁日数の10分の1を加算することができるとされてい
る(甲74,乙ホ24,弁論の全趣旨)。
(2)原告組合では,その後,組合員名簿上の組合員について,組合員資格審査
委員会(被告Cは同委員会副会長)の審査が行われ,平成9年10月6日に開
催された同委員会において,被告B,被告Cを含む4名を正組合員から准組
合員へ移動(被告Bについては水揚日数不足,被告Cについては住所要件を
欠くことを理由とする。)させることが承認されたが,同月17日,被告C,F(組
合員資格審査委会委員・組合理事)は,組合員資格審査委員会会長Gに対
し,上記委員会は組合員資格審査委員会規程の定める手続に違反して無効
である旨の申立てを行った(甲73,乙ホ16,18,原告組合代表者)。
(3)原告組合では,平成9年10月30日に開催された組合員資格審査委員会に
おいて,①20名を正組合員,②16名を准組合員(被告Bについては組合定
款8条2項1号,被告Cについては同項2号に該当することを理由とする。)と
決定し,③被告Aを含む27名を「住所は,組合の定款に定める地区内になく,
さらに,漁業に従事している水揚日数を立証するものもなく,したがって漁業
者ではなく組合員資格を有するとは認められない」として員外者と決定するこ
とが承認されたが,同年11月6日,被告B,被告C,F,E(組合員)は,組合
長理事D,組合員資格審査委員会会長Gに対し,上記委員会は組合員資格
審査委員会規程の定める手続に違反して無効である旨の申立てを行った(乙
ホ13,17)。
(4)原告組合では,平成9年11月8日,理事会において組合員の資格審査が行
われ,被告Bについては漁業を営み又はこれに従事する日数が組合定款8条
1項1号に規定する日数に満たないことを理由として,被告Cについては組合
定款の定める地区内に住所を有していないことを理由として,それぞれ正組
合員資格を喪失しているものと査定され,同月12日付けの組合員資格変動
通知書において,准組合員として処理する旨の通知がなされた(甲43ないし
45,乙ホ14)。
 なお,被告Aに対しても員外者として処理する旨の通知がなされたが,被告
Aは,これについて異議等を申し立てるようなことはしなかった(被告A)。
8 被告Cが申し立てた正組合員地位保全仮処分申立事件
被告Cは,原告組合を債務者として,被告Cを原告組合の正組合員として仮
に扱わなければならないことを求める正組合員地位保全仮処分申立事件(当庁
平成9年(ヨ)第213号)を申し立てたが,平成10年5月19日,組合定款の定め
る地区内に生活の本拠地としての住所を有していないことなどを理由として,申
立てを却下する決定がなされ,同決定は確定した(甲43ないし49,弁論の全趣
旨)。
9 被告Bが提起した別件地位確認請求事件
 被告Bは,原告組合を被告として,原告Bが原告組合の正組合員の地位にあ
ることの確認を求める地位確認請求事件(当庁平成10年(ワ)第60号・以下「別
件地位確認請求事件」という。)を提起し,平成12年9月13日,これを認容する
第1審判決が言い渡され,平成13年4月5日には原告組合の控訴を棄却する
第2審判決(高松高等裁判所平成12年(ネ)第399号)が言い渡され,第1審判
決が確定した(乙ホ55,59,弁論の全趣旨)。
10 本件訴訟の提起
(1)原告組合は,平成10年5月6日,被告A,被告Bほか9名に対する配分に関
して平成10年(ワ)第336号事件を提起し,同年6月24日,被告Cに対する配
分に関して平成10年(ワ)第476号事件を提起し,同年7月31日には被告ら
に対して訴状が送達された。
(2)なお,平成10年(ワ)第336号事件は,その後,水協法・組合定款にいう「漁
民」に該当しないことを争う被告A,被告B2名を相手方とする本件訴訟とこの
点について争わない9名を相手方とする平成10年(ワ)第336-1号事件に分
離されている。
11 別件代表訴訟の存在
  D,H(原告組合の元代表理事組合長),I(原告組合の元専務理事)の3名は,
原告組合の組合員6名(被告B,被告C,F,Eを含む。)を原告とする当庁平成9
年(ワ)第710号組合員による損害賠償代表訴訟請求事件,平成10年(ワ)第7
75号損害賠償代表訴訟請求事件の被告とされ,本件配分決議に基づく14名
(D,被告Aを含む。)に対する配分は正組合員としての資格要件を充足していな
い者に対する不正な配分であり,理事としての善管注意義務ないし忠実義務に
違反したとして,合計1億7531万6000円の損害賠償を求められている(顕著
な事実)。
12 被告Cの現在の組合員資格
  原告組合では,平成13年8月4日,組合員資格審査委員会等において,被告
Cを正組合員とすることが承認され,同日,その旨の通知がなされた(乙ヘ16,
原告組合代表者,被告C)。
第3 主要な争点
1 被告Aは正組合員としての資格要件を充足していたか否か。
2 仮に上記1が否定された場合,被告Aに対する返還請求は非債弁済等を理由
に否定されるか否か。
3 被告Bは正組合員としての資格要件を充足していたか否か。
4 被告Cは正組合員としての資格要件を充足していたか否か。
5 仮に上記4が否定された場合,被告Cに対する返還請求は権利濫用を理由に
否定されるか否か。
第3章 争点に対する判断
 第1 被告Aは正組合員としての資格要件を充足していたか否か。
1 原告組合は,被告Aはマリーナを経営していて漁業を営んでおらず(水協法・組
合定款にいう「漁民」に該当しない。),正組合員としての資格要件を充足してい
ないから,正組合員としてなされた被告Aに対する配分は無効であり,受領した
配分金1129万6000円は不当利得として原告組合に返還すべきである旨主張
する(なお,原告組合は,被告Aは組合定款の定める地区内に住所を有してい
ないとも主張する。)。
2 証拠(乙ニ14,被告A,認定事実末尾に摘示した証拠)及び弁論の全趣旨によ
れば,以下の事実が認められる。
(1)被告Aは,昭和23年4月2日に出生し,大学卒業後,昭和46年から12年間
にわたって銀行に勤務していた。
(2)ア 被告Aは,「1.不動産の売買,賃貸借ならびにその斡旋,保全管理,2.
飲食店の経営,3.船舶,船舶用エンジン・機器・用品の販売,4.船舶,船
舶用エンジン・機器の整備,修理,保守,保管,5.石油製品の販売,6.石
油器具及び自動車用品の販売,7.損害保険代理業務,8.建築,設計,
施行,9.前各号に付帯関連する一切の事業」を目的として昭和52年1月
20日に設立された株式会社友愛商会(以下「友愛商会」という。)の代表取
締役となり,友愛商会は,平成元年10月5日,組合定款の定める地区内で
ある松山市c町に合計1万4000平方メートル以上の土地を購入し,平成4
年7月には地上14階建の共同住宅を新築し,同場所において「マリンスペ
ース ブルーエンジェル」の屋号でプレジャーボートの保管等の業務を開始
した。そして,上記の建物については,3階から12階までの部屋を第三者
に売却し,1階をレストラン等の営業用として使用し,2階と13階の部屋を
被告Aらが使用していた(乙ニ4の1~6,5の1・2,6の1~8,7)。
 イ 友愛商会は,本店の所在地とされている松山市d町e丁目f番地(組合定款
の定める地区外)にも地上7階建の共同住宅を所有し,昭和63年ころ以
降,建物の1階において「藤の花」の屋号で食堂を営業していた(乙ニ4の
4,7)。
 ウ 被告Aは,平成7年12月6日,上記の松山市d町e丁目f番地から松山市c
町g番h号(肩書住所地)に転居したとして,松山市役所に転居届を提出し
た(甲72)。
 エ なお,友愛商会は,平成9年9月2日,株式会社ブルーエンジェルに商号変
更されている(乙ニ7)。
(3)ア 被告Aは,原告組合加入後,原告組合員から「戎丸」(全長10・40メート
ル)を購入し,平成4年7月15日,「戎丸」について,漁業種類又は用途を
「小型機船底びき網漁業」などとして,愛媛県知事の漁船登録を受け,平成
4年7月23日,「戎丸」での小型機船底びき網漁業の愛媛県知事の許可を
受けた(乙ニ8の1~10)。
 イ もっとも,被告Aは,船を使用する際には,友愛商会名義で購入した漁船登
録がなされていない「友愛丸」を使用し,「戎丸」を使用することはほとんど
なかった。
ウ なお,「戎丸」の漁船登録は,平成8年2月26日,他者へ売却されたことを
理由に抹消されている(乙ニ9)。
(4)ア 被告Aは,「友愛丸」を使用して,有料で乗客を漁場に案内し,水産動植
物を採捕させたりしていたが,自ら採捕した漁獲物については,「マリンスペ
ース ブルーエンジェル」のレストランや「藤の花」において食材として使用さ
せたりしていた(被告Aは,これらの店で使用する魚介類を調達する目的で
週2回程度は出漁していた旨主張し,これに沿う供述をしているが,これを
裏付けるに足りる的確な証拠はない。)。
 イ 被告Aは,自ら採捕した漁獲物を出荷したことはなく,「マリンスペース ブ
ルーエンジェル」のレストランや「藤の花」において使用させていたことに関
し,友愛商会から対価を得たこともなかった。
 ウ なお,被告Aは,平成9年に行われた組合員資格審査の際,漁業種類を
「一本づり」,出漁日数を「105日」,水揚金額を「0」などとして自主申告を
行っている(乙ホ24)。
3 検討
(1)「漁民」の要件とされる「漁業を営む」とは自己の名をもって漁業を営業とする
ことであり,「自己の名をもって」とは自己が営業の主体となって営業上生ずる
権利義務が法律上帰属することをいうものと解されるところ,被告Aは,本件
配分基準日ないし本件配分決議当時,自ら採捕した漁獲物を他人に販売す
ることによって収入を得ていたとは認められないから,漁業を営んでいたとい
うことはできない。被告Aは,陳述書(乙ニ14)において,自ら出漁して新鮮で
安い魚介類を調達した結果,「マリンスペース ブルーエンジェル」のレストラ
ンや「藤の花」の経営に大いに寄与したなどと記載しているが,仮にそのよう
な事実があったとしても,営業の法律効果はあくまでも友愛商会に帰属するも
のであり(もとより友愛商会自体が漁業を営んでいたということはできない。),
被告A自身については,漁業を営業とするために必要となる,採捕した漁獲物
を販売し,これによって収入を得るといった過程が欠如している以上,「漁民」
には該当しないといわざるを得ない(したがって,被告Aが組合定款の定める
地区内に住所を有していたか否かの判断を示すまでもない。)。
(2)そして,漁業協同組合がその有する漁業権を放棄した場合に漁業権消滅の
対価として支払われる補償金は,法人としての漁業協同組合に帰属するもの
というべきであるが,現実に漁業を営むことができなくなることによって損失を
被る組合員に配分されるべきものであり(最高裁昭和60年(オ)第781号・平
成元年7月13日第一小法廷判決・民集43巻7号866頁参照),被告Aに対
する配分は,現実に漁業を営んではおらず,水協法・組合定款の定める正組
合員としての資格要件を充足していない者に対する配分であることが認めら
れるから,漁業権消滅補償金の性質をないがしろにする反社会的行為とし
て,民法90条の公序良俗に反し無効であり,原告組合は,本件配分決議の
無効確認等を待つまでもなく,被告Aに対し,不当利得を理由として,受領した
配分金の返還を請求することができるというべきである。
第2 被告Aに対する返還請求は非債弁済等を理由に否定されるか否か。
1 被告Aは,原告組合は被告Aが正組合員としての資格要件を充足していないこ
とを認識していたにもかかわらず被告Aに対して配分を行ったのであるから,被
告Aに対する返還請求は民法705条により許されない旨主張する。
2 検討
(1)前記認定のとおり,被告Aに対する配分は民法90条の公序良俗に反し無効な
ものであるところ,被告Aの上記主張は,このような無効な配分について,給
付者である原告組合の返還請求を拒絶することを意味するものである。
   ところで,民法708条は,民法90条の公序良俗違反のような倫理・道徳に反
する醜悪な行為をした者に対する制裁として,給付されたものの返還請求を
拒否することによって,不法行為の発生を防止することを目的としているもの
と解されるが,これを広く適用すると,かえって社会的妥当性に反することに
なるので,その適用については十分な考慮を要するものであり,給付者と受
領者の不法性の程度等を比較衡量して,不法性が受領者により多く存する場
合には,同条但書により同条本文の適用が排除され,給付者の返還請求が
認められるべきである。
 そして,民法705条は,債務が存在しない場合に広く適用されるのに対し,
民法708条は,給付の原因が公序良俗に反するような場合について特に定
められたものと解されるから,両条が重複して適用になるような場合には,民
法708条が民法705条に優先して適用されると解するのが相当である(民法
708条但書による不法原因給付受領者に対する制裁の機能を発揮させるた
めには,不法原因給付受領者が一般の不当利得における受領者よりも不利
な取扱いを受けてもやむを得ない。)。
(2)これを本件についてみると,原告組合については,本訴請求が是認されて被
告Aから配分金の返還を受けたとしても,前記のような漁業権消滅補償金の
性質からして,公正かつ適正な配分基準を作成した上,現実に漁業を営むこ
とができなくなって損失を被った組合員に対して再配分を行うことが予定され
るだけで,原告組合自体が経済上格別の利益を得るわけではない。
  これに対し,被告Aについては,もともと漁業を営んではいないのであるか
ら,漁業権消滅の対価としての補償金が配分されないからといって被告A自
身が実害を被るわけではない。他方,仮に被告Aに対する配分金の返還請求
が否定されるとすると,愛媛県の支出に基づく1129万6000円もの金員を被
告Aが理由なく取得することになり,甚しい不当の利得を許容することになる。
これらの事情に照らすと,原告組合の本訴請求を拒絶することは,不法原
因給付者と受給者の衡平を著しく欠き,社会的妥当性に反するものといわざ
るを得ないから,本件においては,民法708条但書が適用され,被告Aに対
する返還請求は否定されないというべきである。
3 なお,被告Aは,原告組合が被告Aを組合員として扱い,組合費を徴収しておき
ながら,本訴に至って被告Aの組合員資格を争うのは不可解であり,被告Aに対
する返還請求は権利の濫用であるとも主張するが,本訴請求は,被告Aの組合
員資格を否定することを直接の目的とするものではなく,法律上の原因がないに
もかかわらず被告Aが受領した配分金の返還を求めるものであり,その他,前記
認定事実のもとでは,被告Aに対する返還請求をもって権利の濫用であるという
ことはできない。
4 したがって,被告Aに対する返還請求を非債弁済等を理由に否定することはで
きず,この点に関する被告Aの主張を採用することはできない。
第3 被告Bは正組合員としての資格要件を充足していたか否か。
1 原告組合は,被告Bは寿司店を経営していて漁業を営んではおらず(水協法・
組合定款にいう「漁民」に該当しない。),正組合員としての資格要件を充足して
いないから,正組合員としてなされた被告Bに対する配分は無効であり,受領し
た配分金1593万円は不当利得として原告組合に返還すべきである旨主張す
る。
2 証拠(乙ホ6,45,53,被告B,認定事実末尾に摘示した証拠)及び弁論の全
趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)被告Bは,昭和26年10月11日に出生し,昭和50年ころから肩書住所地
(当初は隣地)において「次男坊寿司」の屋号で寿司店を営んでいたが,同寿
司店は平成元年ころに有限会社次男坊寿司の商号で法人化され,被告Bが
代表取締役に就任した。
(2)ア 被告Bは,原告組合加入後である昭和62年8月13日,購入した「ないか
い丸」(全長7・95メートル)について,漁業種類又は用途を「一本つり漁
業」などとして,愛媛県知事の漁船登録を受け,以後,「ないかい丸」を使用
して出漁するようになった(乙ホ9,48の1~4)。
 イ なお,被告Bは,昭和63年8月13日に愛媛県知事から,平成元年4月28
日に山口県知事から,「ないかい丸」での延なわ漁業の許可を受けたが,
建網や一本釣りを主たる漁法としていた(乙ホ9ないし11)。
 ウ 被告Bが「ないかい丸」で使用する燃料として購入した軽油の量は,平成7
年が1780リットル,平成8年が1610リットル,平成9年が1830リットルで
あった(乙ホ34,47)。
(3)ア 被告Bは,「ないかい丸」で出漁して採捕した漁獲物を「次男坊寿司」ない
し有限会社次男坊寿司で調理加工して顧客に提供していた。
 イ 被告Bは,有限会社次男坊寿司設立後も,被告B個人が採捕した漁獲物
を有限会社次男坊寿司が調理加工して顧客に提供することについて,格別
の経理上の処理をしていなかったが,平成3年ころに税務調査がなされた
のを契機として,被告B個人が漁獲物を販売し,有限会社次男坊寿司がこ
れを購入するものとして,被告B個人の収入と有限会社次男坊寿司の支出
とが区別されるようになった(乙ホ3の1~7,28の1)。
(4)被告Bは,平成9年ころまで,有限会社次男坊寿司で使用しきれなかった漁
獲物を有限会社サンスイ活魚に販売していた(乙ホ2の1~94,26,40)。
(5)平成7年8月発行の雑誌「いい店うまい店」(タウン情報まつやま別冊)には有
限会社次男坊寿司に関する記事が掲載され,大将(被告Bのこと)も漁船で釣
りに出かけるので,寿司や刺身の他,その日の朝釣ってきた小魚の煮付けな
どの魚料理を味わうことができる店であると紹介されている(乙ホ57)。
(6)ア 被告Bは,被告Bが度々あるいは毎日のように出漁するのを何年も前か
ら見ている旨の付近住民ら作成の証明書を提出し,また,別件地位確認請
求事件において,被告Bは,平成8年以前から週3回は確実に出漁してい
る旨供述し,J(原告組合の元代表理事組合長)も,被告Bが出漁するのを
よく見ている旨証言している(乙ホ29の1・2,30の1・2,31,32の1・2,
51,53)。
   他方,原告組合は,被告Bが平成9年9月以前に出漁していたことは全くあ
るいはほとんどなかったという趣旨の組合員作成の報告書面を提出し,K
(組合員資格審査委員会委員),H,原告組合代表者(D)も,別件地位確
認請求事件において,同趣旨の証言ないし供述をしている(甲50ないし6
9,乙ホ49,50,54の1)。
  イ なお,被告Bは,平成9年に行われた組合員資格審査の際,出漁日数を「1
50日位」,漁獲高を「60万円位」などと記載した自主申告書を提出してい
る(甲76の1・2,乙ホ24)。
3 検討
  前記のとおり,「漁民」の要件とされる「漁業を営む」とは自己の名をもって漁業
を営業とすることであり,「自己の名をもって」とは自己が営業の主体となって営
業上生ずる権利義務が法律上帰属することをいうものと解されるところ,被告B
は,本件配分基準日ないし本件配分決議当時,自らが採捕した漁獲物を有限会
社次男坊寿司等に継続的に販売し,これによって収入を得ていたことが認めら
れるから,漁業を営んでいたということができる(兼業で漁業を営む者も「漁民」
に該当すると解されるから,寿司店を経営しているからといって直ちに「漁民」に
該当しないということはできない。)。
また,漁業には資材の調達等の準備行為から生産物の販売に至るまでの一
連の行為が含まれ,これらの行為を行う日数がすべて漁業を営む日数と計算さ
れるべきところ,本件配分基準日ないし本件配分決議当時,被告Bが年間90日
を超えて漁業を営んでいなかったことを認めるに足りる的確な証拠はないから
(原告組合提出の報告書面は,出漁日数のみに着目したものであり,内容の客
観性等にも疑問があり,直ちに採用することはできない。),被告Bが正組合員と
しての資格要件を充足していなかったということもできない。
したがって,正組合員としてなされた被告Bに対する配分が無効であるという
ことはできず,被告Bに関する原告組合の主張を採用することはできない。
第4 被告Cは正組合員としての資格要件を充足していたか否か。
1 原告組合は,本件配分基準案によれば「准組合員になって5年以上で漁業によ
る生活依存度の高い者」に対する配分金額は100万円とされているところ,被
告Cは組合定款の定める地区内を根拠地として漁業を営んではいるものの,組
合定款の定める地区内に住所を有しておらず,准組合員としての資格要件しか
充足していないにもかかわらず,正組合員として1593万円の配分金を受領して
いるから,1493万円は不当利得として原告組合に返還すべきである旨主張す
る。
2 証拠(乙ヘ8,9,15,証人E,被告C,認定事実末尾に摘示した証拠)及び弁論
の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)ア 被告Cは,大正12年9月8日に出生し,昭和39年ころから,松山市c町の
土地に工場を設け,漁船・モーターボート等の小型船舶の造船業を営んで
いたが,昭和60年秋ころ,松山市和気漁業協同組合に准組合員として加
入し,同年10月2日,所有する「蛭子丸」について,漁業種類又は用途を
「一本つり漁業」などとして,愛媛県知事の漁船登録を受け,平成元年5月
には,造船業で使用していた土地・工場等を処分した(乙ヘ3)。
  イ 被告Cは,「蛭子丸」を三津浜漁港に係留していたことなどから,原告組合に
移ることとし,平成2年1月10日,原告組合に正組合員として加入し,平成
5年4月13日,新たに購入していた「生汐丸」について,漁業種類又は用途
を「はえなわ漁業」などとして,愛媛県知事の漁船登録を受け,「生汐丸」を
使用して出漁し,漁業を営んでいた(乙ヘ1)。
(2)原告組合では,成立した昭和44年3月15日以降,組合定款の定める地区に
「松山市内1円」との記載が付加されていたことがあったが,昭和61年11月1
7日の定款変更の際,「松山市内1円」との記載は削除され,現在に至ってい
る(乙ヘ10,弁論の全趣旨)。
(3)被告Cは,平成2年1月10日,原告組合に正組合員として加入した当時,組
合定款の定める地区外である松山市ij番k号所在の居宅(以下「iの居宅」とい
う。)に居住していた(甲43)。
(4)被告Cは,①平成5年10月20日,iの居宅から松山市lm番n号(組合定款の
定める地区内)所在のH方に,②平成7年6月23日,H方から松山市op番q
号(組合定款の定める地区内)所在のL方に,③平成8年11月1日,L方から
松山市rs番t号(組合定款の定める地区内)所在の被告B方に,④平成9年1
月27日,被告B方から松山市u町v番w号(肩書住所地)所在の娘婿であるM
方に,それぞれ転居したとして,松山市役所に転居届を提出したが,そのう
ち,少なくともH方,L方への転居については,組合定款の定める地区内に住
所を有する外観を作出するために住民票を移しただけであって,実際に同所
に居住したことはなく,引き続きiの居宅に居住していた(甲43ないし49)。
(5)原告組合では,平成9年2月25日の定款変更の際,松山市u町が地区内とさ
れ,さらに,平成13年11月5日の定款変更の際,松山市ij番k号が地区内と
されることになった(乙ヘ12の1・2)。
3 検討
(1)被告Cは,本件配分基準日ないし本件配分決議当時,漁業を営んではいたも
のの,組合定款の定める地区内に住所を有していなかったことが認められる
から,准組合員としての資格要件のみを充足し,正組合員としての資格要件
は充足していなかったというべきであり,にもかかわらず,正組合員として15
93万円の配分金を受領しているのであるから,少なくとも原告組合の請求す
る1493万円については,法律上の原因を欠いて給付を受けたものといわざ
るを得ない。
(2)被告Cは,①被告Cが原告組合に加入した当時,組合定款の定める地区は
「松山市内1円」とされていた,②仮にそうでないとしても,原告組合において
は,平成9年以前には組合員の資格審査が厳格に行われておらず,現在で
は松山市u町やij番k号は組合定款の定める地区内に含まれていること,被告
Cが,原告組合加入当初から正組合員として認められ,取り扱われてきてお
り,組合長であったHに勧められて同人の住所に住民登録上の住所を移して
いることなどからすると,原告組合の内部関係,漁業補償金の配分の関係に
おいては,住所要件を備える正組合員として取り扱われるべきである旨主張
する。
 しかしながら,前記認定のとおり,被告Cが原告組合に加入した当時,組合
定款の定める地区が「松山市内1円」とされていた事実は認められない。
 また,本件配分基準案においては,多数存在する組合員について,正組合
員と准組合員の資格により各別の取扱いをすることが明確にされており,准
組合員についても,組合加入期間の長短,漁業による依存度の多寡等が考
慮されていることからすると,被告Cの主張するような事情を踏まえたとして
も,FAZ漁業補償金の組合員に対する配分に関し,本来准組合員としての資
格要件しか充足していない者を正組合員として取り扱うことはできないという
べきである。
第5 被告Cに対する返還請求は権利濫用を理由に否定されるか否か。
 1 被告Cは,①原告組合が,住所要件を全く問題とすることなく加入当初から被告
Cを正組合員として認め,取り扱ってきておきながら,後になって住所要件の問
題を取り上げ,本件配分基準日に遡って正組合員としての資格を否定すること
は,法的安定性を著しく損なうものである,②原告組合は,被告C以外にも,組
合定款の定める地区内に住所を有していないのに正組合員としてFAZ漁業補
償金の配分を受けた者がいるにもかかわらず,被告Cに対してのみ配分金の返
還を請求しており,極めて不公平である,③原告組合は,被告Cらが原告組合代
表者であるDらを被告として提起した別件代表訴訟への報復として被告Cに対し
て配分金の返還を請求しており,その動機,目的,方法も不当なものであるとし
て,被告Cに対する返還請求は権利の濫用である旨主張する。
 2 検討
 被告Cに対する返還請求は,被告Cが過去に法律上の原因がないにもかかわ
らず受領した配分金(一部)の返還を求めるものであるから,本訴請求が是認さ
れたからといって被告Cの現在の正組合員としての資格が否定されるわけでは
ない。また,本訴請求においては,被告Cについて配分金(一部)を受領する法
律上の原因があるか否かが問題とされているにすぎないのであるから,仮に被
告C以外にも同様の事情により正組合員として配分金を受領した者がいたとして
も,これを理由に被告Cに対する返還請求が拒絶されるべきいわれはない。さら
に,前記のとおり,漁業協同組合がその有する漁業権を放棄した場合に漁業権
消滅の対価として支払われる補償金は,法人としての漁業協同組合に帰属する
ものというべきであるが,現実に漁業を営むことができなくなることによって損失
を被る組合員に配分されるべきものであり,原告組合としては,本訴請求が是認
されて被告Cから配分金(一部)の返還を受けたとしても,上記のような漁業権消
滅補償金の性質からして,公正かつ適正な配分基準を作成した上,現実に漁業
を営むことができなくなって損失を被った組合員に対して再配分を行うことが予
定されるだけで(被告Cらが提起した別件代表訴訟も,このような状況を前提とし
たものであると解される。),原告組合自体が経済上格別の利益を得るわけでは
ないのであるから,本訴請求が原告組合の濫用的意図に基づくものであるとい
うこともできない。
その他,前記認定のとおり,被告Cが,少なくとも2度にわたって,組合定款の
定める地区内に住所を有する外観を作出するために住民票だけを移しているこ
となどの事情を総合すると,被告Cに対する返還請求をもって権利の濫用である
ということはできず,この点に関する被告Cの主張を採用することはできない。
第6 小括
以上の検討によれば,本件配分基準日ないし本件配分決議当時,①被告A
は,正組合員としての資格要件を充足していなかったから,正組合員として受領
した配分金1129万6000円は不当利得として原告組合に返還すべきであり,
②被告Bは,正組合員としての資格要件を充足していたから,正組合員として受
領した配分金1593万円を不当利得として原告組合に返還する必要はないが,
③被告Cは,正組合員としての資格要件を充足していなかったにもかかわらず,
正組合員として1593万円の配分金を受領しているのであるから,原告組合の
請求する1493万円については,不当利得として原告組合に返還すべきであ
る。
第4章 結論
よって,原告組合の本訴請求うち,被告Aに対し1129万6000円,被告Cに
対し1493万円及びこれらの各金員に対する本訴状送達の日の翌日以降であ
る平成10年8月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害
金の支払を求める請求はいずれも理由があるから認容し,被告Bに対する請求
は理由がないから棄却し,仮執行の宣言は相当でないからこれを付さないことと
して,主文のとおり判決する。
松山地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官   豊   永   多   門
裁判官   中   山   雅   之
裁判官   末   弘   陽   一

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