弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人山下樹雄、被告人Bの弁護人及川龍七郎の上告趣旨は末尾に添
附した書面記載の通りである。
 被告人Aの弁護人山下樹雄の上告趣意第一点及び第四点について。
 原判決挙示の各証拠により原審認定の事実を認めることができる。論旨第一点は
結局事実の認定を非難することに帰着し論旨第四点は量刑の不当を主張するもので
あるから上告適法の理由とならない。
 同第二点について。
 しかし、原判決認定の第二の(2)の事実及びその各証拠については記録を調べ
てみると、原審において検察官は本件第一審判決書記載の事実に基づいて公訴事実
を陳述し、原審裁判長は右の事実について審理したことは原審公判調書の記載に徴
して明らかであつて、これによれば賍品たる自動車のタイヤ一本が本件賍物寄蔵罪
の対象であつて、自転車のタイヤ一本はその対象となつていないことが明らかであ
る。他方原審が右認定事実の証拠として挙示しているCに対する司法警察官の聴取
書(昭和二三年八月二日付)中の記載(被告人Aに関する記録一三丁以下)も自動
車のタイヤ一本をAに預けた旨の記載である等の点に鑑みれば前示認定事実及び証
拠説明の中自転車のタイヤ一本とある記載はいずれも自動車のタイヤ一本の誤記で
あると認めるのを相当とするから論旨は理由がない。
 同第三点について。
 被告人Aの弁護人選任届其他本件記録を調べて見ると山下弁護人が原審における
被告人Aの弁護人であり同人の為め弁論したことは明らかであつて岡田弁護人が被
告人Aの弁護人であるとは認められないから所論岡田弁護人とあるは山下弁護人の
誤記と認めるを相当とする、次に原審裁判長は被告人等に意見及び最後に述べたい
ことはないかと問を発していることは所論の通りであるから被告人に対し最終陳述
の機会を与えたものといわなければならない。もしも、裁判長の発した右問に対し
被告人が別に陳述する必要があつたなら其機会を与えられたのであるから陳述すべ
き筈であるのに何も陳述した形跡はなく又裁判長が被告人の発言を禁じた形跡もな
い等に鑑み右「別にあります」の調書記載は「別にありません」の誤記と認むるを
相当とする。調書の粗雑な点は誠に遺憾であるが何れも誤記と認められるから論旨
は採用しがたい。
 被告人Bの弁護人及川龍七郎の上告趣意について。
 (一) 論旨は原審認定の被告人の犯行について被告人は原審に於て従犯の地位
にあつたことを主張しているのであるからこれは旧刑事訴訟法第三六〇条第二項に
所謂法律上刑の減免の原由たる事実上の主張に当るにも拘らず原判決は何らこれに
対する判断を示していないのは判断遺脱の違法があると主張するが、所論の様な陳
述があつたとしてもこれを以て刑の減免の原由たる事実の主張があつたものとは認
められないから論旨は理由がない。
 (二) 原判決挙示の各証拠により判示建造物侵入の事実を認めることができる。
そしてこの点に関する論旨は結局事実の誤認を主張することに帰着するから採用す
ることは出来ない。
 よつて旧刑事訴訟法第四四六条により主文のように判決する。
 この裁判は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 茂見義勝関与
  昭和二五年一〇月三一日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛