弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人加藤晃、同笠井盛男、同岡和男、同鬼倉典正の上告理由第一点につい
て。
 所論は、原審が被上告人のなした所論利益相反行為の抗弁を却下しなかつたのは
民訴一三九条の解釈適用を誤つたものであるという。しかし、記録によれば、原審
において、昭和三七年一月一九日の最終口頭弁論期日に被上告人が同日付準備書面
に基づき所論利益相反行為の抗弁を提出し、上告人はこれに対し、本件裁判外の和
解における本件土地の代物弁済契約が実質的に被上告人とその親権者Dとの利益相
反行為にあたるものではなく、また仮に利益相反行為にあたるものであるとしても、
右契約については被上告人と利益相反しない親権者母Eが被上告人の代理人として
関与しているのであるから、右契約は有効である旨主張して、被上告人の右抗弁を
争つた後、当事者双方他に主張立証なしとして弁論が終結されたことが明らかであ
る。従つて、原審が右抗弁につき、これがため特に訴訟の完結を遅延させたもので
はないとして、これを却下しなかつたのは、正当である。それゆえ、論旨は採用で
きない。
 同第二点について。
 本件土地について被上告人の父Dが自己の出捐を以てその払下を受けたことは、
原審の認定しないところであり、本件土地が名義上のみ被上告人の所有であつたに
過ぎないとの上告人の主張が証拠によるも認められないとした原審の判断は、その
挙示の証拠関係に照らして首肯するに足りる。もつとも本件代物弁済契約が民法八
二六条所定の利益相反行為にあたるとの被上告人の抗弁が原審最終口頭弁論期日に
おいて提出されたことは論旨のとおりであるが、このような事実が本件訴訟の経過
中にあつたからといつて、本件土地所有権の帰属に関する原審の判断に影響あるも
のとは認められない。論旨は結局、独自の見解に帰するものであつて、原判決には
所論のような違法は存しない。従つて、論旨は採用できない。
 同第三点について。
 所論は、被上告人の親権者父たるDについて特別代理人が選任されなかつたこと
を理由に、本件和解においてなされた本件土地に関する代物弁済契約を無効と判断
した原判決は、民法八二六条、八一八条の解釈適用を誤まつたものであるという。
しかし、民法八二六条は親権者の一方がその子と利益相反し他の親権者が利益相反
関係にない場合にも適用があつて、このような場合は利益相反する親権者において
特別代理人の選任を求め、特別代理人と利益相反関係にない親権者とが共同して未
成年の子の法定代理をなすべきものであることは、当裁判所の判例(昭和三三年(
オ)第九六八号同三五年二月二五日第一小法廷判決、民集一四巻二号二七九頁参照)
とするところである。従つて、論旨は採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

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