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平成26年8月28日判決言渡
平成25年(行ウ)第728号第二次納税義務の納付告知処分等取消請求事件
主文
1原告の請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
1処分行政庁が平成24年2月15日付けで原告に対してした納税者株式会社
Aの滞納国税に係る第二次納税義務の納付告知処分を取り消す。
2処分行政庁が平成24年5月14日付けで原告に対してした別紙1記載の各
不動産の各差押処分をいずれも取り消す。
3処分行政庁が平成24年5月14日付けで原告に対してした別紙2記載の各
債権の各差押処分をいずれも取り消す。
第2事案の概要
本件は,株式会社A(以下「本件滞納会社」という。)から寄附金の交付を受
けた原告が,処分行政庁から,国税徴収法(以下「徴収法」という。)39条の
規定に基づき,本件滞納会社の滞納国税(以下「本件滞納国税」という。)につ
いて第二次納税義務の納付告知処分(以下「本件告知処分」という。)並びに別
紙1記載の各不動産(以下「本件各不動産」という。)及び別紙2記載の各債権
(以下「本件各債権」という。)の各差押処分(以下「本件各差押処分」という。)
を受けたのに対し,本件滞納会社について破産手続廃止の決定が確定して法人格
が消滅したことに伴い本件滞納会社の納税義務も消滅し,これにより原告の第二
次納税義務も消滅したなどとして,本件告知処分及び本件各差押処分の各取消し
を求めている事案である。
1前提事実(証拠等を掲げていない事実は,当事者間に争いのない事実である。)
(1)本件告知処分までの経緯
ア原告は,昭和29年6月28日に設立された法人である。
イ本件滞納会社は,平成13年3月27日に設立された株式会社である。
なお,平成18年12月16日に商号を変更する前の本件滞納会社の商
号は,「株式会社B」であり,原告の代表役員であるCは,平成13年9
月20日までは本件滞納会社の代表取締役,同年10月10日までは本件
滞納会社の取締役であった。(乙1)
ウ本件滞納会社は,原告に対し,平成13年12月10日に466万円,
同月20日に4645万0548円の合計5111万0548円の寄附を
した。(甲35〔4頁〕)
エ処分行政庁は,平成17年8月23日までに,国税通則法43条3項の
規定に基づき,法定納期限を平成14年5月31日とする本件滞納国税(法
人税本税1658万2173円並びに重加算税826万7000円,延滞
税及び利子税8万2200円)について,横須賀税務署長から徴収の引継
ぎを受けた。(甲35〔2,11頁〕)
オ本件滞納会社は,平成20年3月28日付けで破産手続開始の申立てを
した。東京地方裁判所は,同年4月2日午後5時,破産手続開始の決定(以
下「本件破産開始決定」といい,本件破産開始決定による破産手続を「本
件破産手続」という。)をし,破産管財人としてD弁護士(以下「本件破
産管財人」という。)を選任した。
カ本件破産管財人は,本件滞納会社が本件破産開始決定時において,資産
としては現金20万円のみを保有し,負債の届出額は合計5642万19
79円であるとする財産目録を作成し,また,本件破産開始決定時から平
成20年7月2日までの収支に関し,収入としては同年4月17日に引継
ぎを受けた現金20万円及び口座開設費100円の合計20万0100円
の収入があり,支出としては破産管財人報酬20万円及び口座開設費に係
る立替金返還100円の合計20万0100円の支出があったとする収支
計算書を作成した。(甲5,6)
キ東京地方裁判所は,平成20年7月3日,本件破産手続について,破産
財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認められるとして,
破産手続廃止の決定(以下「本件廃止決定」という。)をした。本件廃止
決定は,同年8月6日,確定した。
ク処分行政庁は,平成24年2月15日,本件滞納国税を徴収するため,
原告に対し,徴収法39条及び32条1項の規定に基づき,①5111万
0548円を限度として本件滞納国税の全額を納付すべき金額とし,②納
付の期限を同年3月15日とする第二次納税義務の納付告知処分(本件告
知処分)をした。
なお,本件滞納会社は,本件告知処分の時点において,本件滞納国税を
納付することができるだけの財産を有していなかった。(乙2)
(2)本件告知処分から本件訴訟に至るまでの経緯等
ア原告は,平成24年4月4日,処分行政庁に対し,本件告知処分を不服
として,異議申立てをした。
イ処分行政庁は,平成24年4月25日,本件滞納国税が納付期限である
同年3月15日までに完納されなかったことから,第二次納税義務者であ
る原告に対し,徴収法32条2項の規定に基づき,納付催告書によりその
納付を督促した。(乙3)
ウ(ア)処分行政庁は,平成24年5月14日,徴収法47条1項及び3項
並びに68条の規定に基づき,原告が所有する本件各不動産を差し押さ
え,同月17日,その旨の登記を経由した。(甲11,乙4の1ないし
10)
(イ)東京国税局の徴収職員は,平成24年5月14日,徴収法47条1
項及び3項並びに62条の規定に基づき,本件各債権を差し押さえ,同
日,債権差押通知書を第三債務者にそれぞれ送達した((ア)及び(イ)の
差押えが,本件各差押処分である。)。(甲12ないし14)
エ原告は,平成24年6月7日,処分行政庁に対し,本件各差押処分を不
服として異議申立てをした。
オ処分行政庁は,平成24年7月2日,前記ア及びエの各異議申立てをい
ずれも棄却する旨の決定をした。
カ(ア)原告は,平成24年7月31日,国税不服審判所長に対し,上記オ
の各決定を不服として,本件告知処分及び本件各差押処分について,そ
れぞれ審査請求をした。
(イ)国税不服審判所長は,平成25年5月21日,上記(ア)の各審査請
求について,これらをいずれも棄却する旨の裁決をした。
キ横浜地方裁判所横須賀支部は,平成25年11月27日,本件被告が原
告となり,本件滞納会社を被告として提起した訴訟(同庁平成25年(ワ)
第175号事件)において,本件被告が本件滞納会社に対し,本件滞納国
税及びその他の滞納国税に係る債権を有することを確認する旨の判決を言
い渡した。(乙10)
(3)本件訴えの提起
原告は,平成25年11月19日,本件訴えを提起した。(顕著な事実)
2争点
本件の争点は,本件告知処分及び本件各差押処分の適法性である。
当事者間においては,本件廃止決定の確定等によって本件滞納会社の法人格
が消滅し,これにより本件滞納会社の納税義務が消滅し,その附従性により本
件滞納国税に係る原告の第二次納税義務が消滅したといえるか否かが争われて
いる。
3争点に関する当事者の主張
(1)(被告の主張)
(ア破産手続開始の決定により解散した会社(会社法471条5号)は,破
産手続による清算の目的の範囲内において,破産手続が終了するまで存続
するとされているところ(破産法35条),破産手続は解散における清算
手続に相当するものの,破産手続において清算手続が終了していない場合
には,破産手続終了後であっても,会社法475条1号の規定による清算
手続を要し,清算の目的の範囲内において,なお存続するとみなされる(同
法476条)。
破産法217条1項の規定による破産手続廃止(以下「異時廃止」とい
う。)の決定は,破産手続が進行した段階で,破産財団に手続費用を償う
に足りる財産がないことが明らかになった場合に,破産手続の途中であっ
ても破産手続を廃止するというものであり,破産管財人による清算手続が
最後まで行われずに破産手続が終了し,当該会社は破産により解散したに
もかかわらず清算未了の状態となっていることや,残余財産が破産手続の
費用を償うに足りないと判断されたにすぎず,その手続において残余財産
が全くないことが確定されたわけではないことは,同法216条1項の規
定による破産手続廃止(以下「同時廃止」という。)の決定がされた場合
と同様である。そして,会社が解散した場合においては,財産が全くなけ
れば当然に法人格が消滅するのではなく,清算を結了して初めて法人格が
消滅するとされていること(会社法476条,507条参照)からすれば,
異時廃止の決定がされた場合であっても,残余財産の多寡,存否にかかわ
らず,引き続き清算が行われることが予定されており,清算が結了して初
めてその法人格が消滅するというべきである。
したがって,会社が異時廃止の決定を受けた場合であっても,破産手続
の廃止により清算手続が現実に終了していない以上,会社法475条1号
の規定による清算手続を行わなければならず,その清算の目的の範囲内で,
法人格はなお存続するものというべきである。
イ清算事務が終了し,決算報告の承認を得ると清算は結了するところ(会
社法507条),同法481条が,清算人の職務について,①現務の結了,
②債権の取立て及び債務の弁済,③残余財産の分配を挙げていることから
すれば,同法上の清算事務が終了したというためには,少なくとも清算人
の上記各職務が全て終了している必要がある。
そして,納税義務を履行すべき間は,清算人の現務が結了したというこ
とはできない。また,納税義務の消滅原因は,納税義務の債務としての性
質上消滅原因となる納付を除き,租税関係法令によって規定されているの
であり,破産手続の終了をもって納税義務が消滅すると解することはでき
ないし,租税徴収手続が,主たる納税義務者に係る破産手続の終了後にお
いても主たる納税者以外の者から徴収することができる手続を定めている
ことからしても,破産手続の終了をもって納税義務が消滅するものと解す
ることもできないのであって,納税義務がある以上,清算人の債務の弁済
が終了したということもできない。したがって,破産手続において租税債
権の納付義務が履行されていない以上,通常の清算手続の場合と同様に,
清算事務が終了していないというべきであるし,破産手続が終結せずに破
産廃止となった場合には,なおさら清算事務が終了しているということは
できず,法人格はなお存続しているというべきである。
(2)本件においては,本件滞納会社は,本件破産手続の異時廃止の決定(本件
廃止決定)を受けているところ,本件滞納会社について本件滞納国税に係る
納税義務の履行という清算事務が残っており,その清算の目的の範囲内で法
人格が存続することからすれば,本件滞納会社の納税義務は消滅しておらず,
原告の第二次納税義務が附従性により消滅していることもないというべきで
ある。
よって,本件告知処分及び本件各差押処分は,いずれも適法である。
(原告の主張)
(1)ア破産法35条は,破産手続終結の効果として法人格が消滅することを定
めているところ,法人の清算とは,法人格の消滅前に,現務を結了し,債
権を取り立て,債権者に対し債務を弁済し,株主に対し残余財産を分配す
る手続であるから(会社法481条),同法471条5号の規定により破
産手続開始決定によって解散した会社に何らかの積極的な残余財産が存在
する場合には,更に同法の規定による清算手続をする必要がある一方,積
極的な残余財産が何ら存在せず,単に債務のみが存在するにすぎない場合
には,清算未了の残余財産が存在せず,清算手続をする余地がないのであっ
て,清算手続を経ずに法人格が消滅する。
したがって,破産手続開始の決定によって解散した法人について,異時
廃止の決定がされ,裁判所が選任した破産管財人による財産調査の結果,
積極的な残余財産が存在しないことが確定している場合,もはや清算を要
する積極的な残余財産が存在しないのであるから,清算手続をする余地が
なく,清算の目的の範囲内において法人を存続させる理由がない以上,当
該法人は,破産手続廃止の確定によって破産手続が終了し,その効果とし
て法人格が消滅するというべきである。
なお,会社法475条1号括弧書きは,同時廃止の決定がされた場合を
典型として,破産手続廃止の決定時に積極的な残余財産が存在する場合に
同法の規定による清算の対象とすることを明確にする趣旨の規定である。
イこれを本件についてみると,本件滞納国税の主たる納税者である本件滞
納会社は,平成20年7月3日,本件破産手続の異時廃止の決定(本件廃
止決定)を受けているところ,本件破産管財人の財産調査により,本件廃
止決定時に何らの積極的な残余財産が存在していないことが確定している
のであるから,本件廃止決定の確定により破産手続が終了し,その効果と
して法人格が消滅したものというべきである。
そして,本件滞納会社の法人格が消滅したことにより,本件滞納会社の
納税義務も当然に消滅している。
(2)主たる納税者の納税義務が消滅したことによって,第二次納税義務者の納
税義務も,その附従性に基づき消滅する。
したがって,本件では,本件滞納国税の主たる納税者である本件滞納会社
の納税義務が消滅している以上,第二次納税義務者である原告の納税義務も,
その附従性に基づき消滅しているというべきである。
(3)なお,本件は,破産手続開始の決定により解散した事案であり,株主総会
の解散決議により任意に解散し,清算手続が行われた場合において,残余財
産があるにもかかわらず,租税債権の納付義務の処理方法に関連してその清
算事務が未了であったとされた場合とは事案を異にするものであって,本件
において,本件滞納会社に租税債権が存在する限り,清算が現実に終了して
おらず,法人格が消滅しない旨の被告の主張は,失当というべきである。
(4)以上のとおり,原告は,本件滞納国税について,徴収法39条に基づく第
二次納税義務を負っていない以上,本件告知処分及びその徴収のためにされ
た本件各差押処分は,いずれも違法であるというべきである。
第3当裁判所の判断
1株式会社は,破産手続開始の決定により解散する(会社法471条5号)と
ころ,同法475条1号は,「解散した場合([略]破産手続開始の決定によ
り解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)」には,
同法9章の定めるところにより,清算をしなければならない旨を定めている。
会社法475条1号の規定については,法人が破産手続開始の決定により解
散した場合,破産手続による清算が行われることが予定されている(破産法3
5条参照)ため,原則として,会社法による清算手続をする場合から除く必要
がある一方,破産手続が進行しないまま終了した場合には,別途,清算手続が
必要であることから,破産手続開始の決定により解散した場合であって,かつ,
破産手続による清算が行われるため当該破産手続が終了していない場合を,会
社法による清算手続をする対象から除外しているものと解される。
そして,株式会社が同時廃止の決定を受けた場合には,破産手続が進行しな
いまま終了したことから,会社法の規定に基づき,清算手続が必要であると解
されるところ,株式会社が異時廃止の決定を受けた場合についても,破産財団
をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認められたことにより,破
産管財人による清算手続がされないまま破産手続が終了する点では,同時廃止
の決定を受けた場合と変わりがないのであるから,同法の規定に基づき,清算
手続が必要であると解される。
以上のとおり,株式会社が異時廃止の決定を受けた場合であっても,会社法
475条1号が適用され,同法の規定に基づく清算手続をしなければならない
と解すべきであり,清算の目的の範囲内で,その法人格はなお存続するもので
あること(同法476条)からすれば,破産法35条の規定により,破産手続
の終了をもってその法人格が消滅することはないというべきである(以上の点
に関し,原告は,会社法475条1号括弧書きが,同時廃止の決定がされた場
合を典型として,同法の規定による清算の対象とすることを明確にする趣旨の
規定である旨主張するが,この主張が,異時廃止の決定がされた場合には同号
の適用がなく,同法の規定による清算の対象とはならない旨の主張であるなら
ば,上記説示したところにより,これを採用することはできない。)。
2前記1のとおり,会社法475条1号は,株式会社は,解散した場合には,
同法9章の定めるところにより,清算をしなければならないと定め,同法47
6条は,同法475条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」
という。)は,清算の目的の範囲内において,清算が結了するまではなお存続
するものとみなすこととされていることからすれば,清算株式会社は,解散し
た以上,清算手続を必要的にしなければならず,その清算が結了しない限り,
法人格が存続するものと解される。
そして,前記1で説示したとおり,破産手続開始の決定を受けた株式会社で
あって,同時廃止又は異時廃止の決定を受けたものは,会社法475条1号の
規定により清算をしなければならないのであるから,その清算が結了するまで
は,清算の目的の範囲内において,その法人格がなお存続するものというべき
である。
この点について,原告は,破産手続開始の決定により解散した法人について,
異時廃止の決定がされ,裁判所が選任した破産管財人による財産調査の結果,
積極的な残余財産が存在しないことが確定している場合,もはや清算を要する
積極的な残余財産が存在せず,清算の目的の範囲内において法人を存続させる
理由がないのであるから,当該法人は,破産手続廃止の確定によって破産手続
が終了し,その効果として法人格が消滅するというべきである旨主張する。
しかし,異時廃止の決定は,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するの
に不足すると認められた場合に,破産債権者に対する配当の可能性がないため,
破産管財人の申立て又は職権によりされるものである(破産法217条1項前
段)ものの,異時廃止の決定がされたからといって,当該法人の残余財産が破
産手続の費用を支弁するのに不足すると判断されたにすぎないのであり,当該
法人に残余財産が全くないことが確定するわけではない(そのような効果が生
ずることを定める同法その他の法令上の規定はない。)。
原告は,本件破産手続においては,本件破産管財人が本件滞納会社の残余財
産を調査し,破産廃止決定時に何らの積極的な残余財産が存在していないとす
る財産目録(甲5)及び収支計算書(甲6)を作成したことを指摘するが,こ
れらの書面も,飽くまで残余財産が破産手続の費用を支弁するのに不足するこ
とを証する資料にすぎないのであって,上記各書面があるとしても,本件廃止
決定によって,本件滞納会社の残余財産が全くないことが確定するわけではな
い。
そうすると,異時廃止の決定を受けた株式会社は,破産手続における破産管
財人の財産状況の調査等が行われたとしても,清算手続が完了していない以上,
会社法9章の定めるところにより清算をしなければならず(同法475条1号),
清算の目的の範囲内において,清算が結了するまではなお存続するものであっ
て(同法476条),破産法35条の規定により,破産手続の終了をもってそ
の法人格が消滅することはないというべきである。
3清算株式会社には,1人又は2人以上の清算人を置かなければならず(会社
法477条1項),清算人は,①現務の結了,②債権の取立て及び債務の弁済,
③残余財産の分配の各職務を行うこととされ(同法481条),清算株式会社
は,清算事務が終了したときは,決算報告書を作成しなければならず(同法5
07条1項),清算人は,決算報告を株主総会に提出し,又は提供し,その承
認を受けなければならず(同条3項),清算が結了したときは,清算株式会社
については,同承認の日から2週間以内に,清算結了の登記をしなければなら
ない(同法929条)とされている。
前提事実(1)オ及びキによれば,本件滞納会社は,本件破産開始決定を受けた
後,異時廃止の決定である本件廃止決定を受けていることから,前記1及び2
で説示したところによれば,会社法475条1号の規定により清算をすべき清
算株式会社であるところ,本件全証拠によっても,本件滞納会社が,清算人に
おいて清算事務を終了し,株主総会において決算報告書の承認を受け,清算結
了の登記がされているとは認められない。
したがって,本件滞納会社は,清算の目的の範囲内において,清算が結了す
るまではなお存続するものであって(会社法476条),その法人格はなお存
続しているというべきである。
4そうすると,本件廃止決定の確定等によって本件滞納会社の法人格が消滅し,
これにより本件滞納会社の納税義務が消滅しているわけではない以上,その附
従性により本件滞納国税に係る原告の第二次納税義務が消滅したということは
できない。
そして,その他,本件告知処分及び本件各差押処分について,違法であるこ
とをうかがわせる事実又は証拠は見当たらないことからすれば,本件告知処分
及び本件各差押処分は,いずれも適法であるというべきである。
第4結論
よって,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,主
文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官増田稔
裁判官村田一広
裁判官不破大輔
(別紙1)
差押不動産目録
1所在三浦市α
地番×番4
地目宅地
地積821.63㎡
2所在三浦市α
地番×番1
地目原野
地積564㎡
3所在三浦市α
地番×番1
地目山林
地積1393㎡
4所在三浦市α
地番×番2
地目山林
地積290㎡
5所在三浦市α
地番×番3
地目山林
地積5.87㎡
6所在三浦市α
地番×番4
地目山林
地積12㎡
7所在三浦市α
地番×番5
地目山林
地積161㎡
8所在三浦市α×番地4
家屋番号×番4
種類店舗・旅館
構造木造スレートぶき2階建
床面積1階165.62㎡
2階165.62㎡
9所在三浦市α×番地,×番地
家屋番号×番
種類居宅
構造木造かわらぶき平家建
床面積110.95㎡
10所在三浦市α×番地,×番地
家屋番号×番の2
種類物置
構造木造スレートぶき平家建
床面積9.93㎡
以上
(別紙2)
差押債権目録
1第三債務者住所東京都千代田区β-×-1
氏名株式会社E銀行(F支店扱い)
滞納者が第三債務者に対して有する下記普通預金の払戻請求権及び債権差押通
知書到達日までの確定利息の払戻請求権

口座番号▲
金額2,629,006円
2第三債務者住所東京都新宿区γ-×-2
氏名株式会社G銀行(H支店扱い)
滞納者が第三債務者に対して有する下記普通預金の払戻請求権及び債権差押通
知書到達日までの確定利息の払戻請求権

口座番号▲
金額8,043円
3第三債務者住所東京都千代田区δ-×-2
氏名株式会社I銀行(J支店扱い)
滞納者が第三債務者に対して有する下記普通預金の払戻請求権及び債権差押通
知書到達日までの確定利息の払戻請求権

口座番号▲
金額2,600円
以上

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