弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人杉浦酉太郎の上告趣意は、違憲をいうが、結局は単なる法令違反と事実誤
認を主張するものにすぎず刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 なお論旨第一点について。原判示によれば、被告人は判示A村長で、同村の歳入
歳出予算及び支出に関する事務を担当し、その事務を管理執行するには誠実にこれ
をなすべき義務があるのにかかわらず、その任務に背き同村出身の県議会議員Bの
次期県議会議員選挙の運動資金を村費より支出せんことを企て、判示月日に開会さ
れた村議会協議会においてCら約一六名の村議会議員に諮議して諒解を得た上、同
日の村議会本会議において右Bの利益を図り、同村b区に対する昭和二八年度道路
維持修繕補助金名下に右Bの運動資金二〇万円を含めた金三〇万円の追加予算案を
提出し、その議決を経て、その後二回に亘り収入役代理に対し合計二〇万円の支出
命令をなし、右Cに対し金二〇万円を村公金より支払わしめ因つてa村に同額の損
害を加えたものであるというにある。
 ところで普通地方公共団体たる村の歳入歳出予算を議決する権限は村議会に存し
て村長に存せず、村長は単に歳入歳出予算案を村議会に発案提出し、村議会が議決
して定めた予算を執行する事務を担任するものであることは所論のとおりであるが
(地方自治法九六条一項二号、一四九条二号、四号)、村長は一般に村の執行機関
として村の事務を自らの判断と責任において誠実に管理し及び執行する義務を負う
のであるから(同法一三八条の二)村のため判示事務を処理する村長たる被告人が、
村議会の議決の基礎たる歳出予算案を村議会に発案提出するに当り、特定の個人の
選挙運動資金を村費より支出するため、該個人の利益を図り、実際の所要経費に右
選挙運動資金所要見込額を水増した内容不実の予算案を編成し、事前に村議会議員
に諮議してその無修正議決につき諒解を得るが如きは、村議会の議決権行使を誤ら
せ不当に高額な歳出予算を議決せしめる結果、ひいては村に不当な財政負担をもた
らす原因を成すものであり、被告人は右予算案の発案提出の段階において既に前示
任務に違背したものと認むべきである。
 更に村長は村議会の議決した歳入歳出予算に基づき収入及び支出を命令する事務
を担任するが(同法一四九条四号)、歳入歳出予算に関する村議会の議決について
異議があるときは、これを再議に付することができ(同法一七六条一項)、一般に
村議会の議決がその権限を超え又は法令に違反すると認めるとき或は村議会の議決
が収入又は支出に関し執行することができないものがあると認めるときは、これを
再議に付さなければならず(同法一七六条四項、一七七条一項)、更に予算の適正
な執行を確保するため必要があると認めるときは一定の措置をとることができる(
同法二三九条の三)等の職務権限を有するのであるから、前叙経緯により所期のと
おり村議会の議決を得た後その議決の内容が不当であることを知悉しながら敢えて
その是正措置を講ずることなく、進んで村収入役代理に対し当初の計画に従い、道
路改修工事補助金支払名義をもつて前記選挙運動資金所要見込額相当の金員の支出
を命令し、これを右運動資金保管者たる判示Cに対し村公金中から支払わしむるが
如きは、これまた村長としての前示任務に違背するものというべきである。
 すなわち被告人は第三者Bの利益を図り以上両個の任務に違背した行為をなし村
公金二〇万円の不当支払に因り判示a村に同額の損害を加えたものであり、その行
為が背任罪を構成することは明白である。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三四年八月八日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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