弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件特別抗告を棄却する。
         理    由
 本件特別抗告の理由は末尾添附の書面記載のとおりである。
 職権を以つて調査するに、先ず特別抗告人に対する本訴の前記被告事件のうち食
糧管理法違反の罪は昭和二四年八月一二日第一審の静岡地方裁判所浜松支部におい
て、物価統制令違反の罪は同二五年一二月二五日第二審の東京高等裁判所において、
各無罪の判決言渡があつてそれぞれ確定し、また県会議員選挙罰則違反の罪は、昭
和二七年政令第一一七号によつて大赦があり、同年六月一〇日当裁判所第三小法廷
において免訴の判決言渡があつて、既に本訴のすべてが終結している。一方特別抗
告人が前記静岡地方裁判所浜松支部に還付の請求をなした別記押収物作中の四、六、
七、九の各物件は、昭和二二年一〇月二四日同裁判所において仮還付の決定があり、
その後本訴の裁判において別段の言渡のなかつたことにより還付の言渡があつたも
のといわなければならないし、その余の各物件も前記本訴の終結により昭和二七年
一二月二五日すべて差出人に還付せられているから、既に原決定を取り消す実益は
なくなり結局本件特別抗告は理由がないことになる。
 よつて刑訴施行法二条旧刑訴四六六条一項により全裁判官一致の意見で主文のと
おり決定する。
  昭和二九年一一月二四日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    池   田       克
 (別   記)
         押  収  物  件
  一、納品書綴               一冊    (昭和二二年領乙
号第七六号証第二四号)
  二、受領証綴               二冊    (同      
      第二五号)
  三、選挙運動費用関係書類綴        一冊    (同      
      第二六号)
  四、住所控                一冊    (同      
      第二七号)
  五、選挙費用収支内訳書          一冊    (同      
      第二八号)
  六、濃鼠色雑記帖             一冊    (同      
      第二九号)
  七、米出納帖               一冊    (同      
      第三〇号)
  八、当直日誌               二冊    (同      
      第三一号)
  九、出庫伝票綴              一冊    (同      
      第三二号)
 一〇、経理報告書綴             二冊    (同      
      第三三号)
 一一、雑書綴                一冊    (同      
      第三九号)
 一二、A産業株式会社昭和二二年一月以降五月
    迄の出金入金伝票綴          五冊    (同      
      第四〇号)
 一三、同会社直接資材受払簿         一冊    (同      
      第四一号)
 一四、B商事株式会社昭和二二年一月以降三月
    迄の出金入金伝票綴          三冊    (同      
      第四二号)
 一五、同社経理元帳             二冊    (同      
      第四三号)
 一六、内訳日記帳              一冊    (同      
      第四四号)
                                     
     以   上

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