弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告人A1の上告代理人薬師寺志光の上告理由について。
 論旨は民訴七九条一項本文に関する原審の解釈適用を非難する。けれども、「法
令ニ依リテ裁判上ノ行為ヲ為スコトヲ得ル代理人ノ外弁護士ニ非サレハ訴訟代理人
タルコトヲ得ス」との民訴七九条一項本文は、裁判上の行為を為すことを得る代理
人に関する規定であり、法令による訴訟代理人を除いては弁護士でなければ訴訟代
理人たり得ないことを明らかにしたものであることその文理解釈上疑いないところ
であり、大審院昭和一七年六月二六日二民判決(同年(オ)三八七号事件)の判示
するところであつて、之と同旨に出でたことの判文上明らかな原審の解釈は相当で
ある、そして、特定の事件につき訴訟代理権を授与する行為(訴訟委任行為)の性
質が訴訟行為であり、その代理行為も亦訴訟行為であることは所論のとおりである
けれども、訴訟行為の代理行為が「すべて」訴訟代理人でなければなし得ないもの
と解すべき規定はないのであり、右点に関する所論は独自の見解であるにすぎない。
また、当事者が訴訟代理人の選択、訴訟代理権授与行為をなす代理権を第三者に与
えることは原則として自由であり(尤も、本人が訴訟能力者であることはその行為
の性質上必要であろう)、受任者たる第三者は特段の事情のない限り弁護士たるを
要せず訴訟能力者たるをも要しない(民法一〇二条)と解すべきであるから、原審
認定に係る事実関係の下において、原審が上告人A2の市川弁護士を上告人A1の
訴訟代理人に選定し選任した行為を適法有効と判断したことは相当であつて、原審
の所論法令の適用については違法なく、論旨は採用し得ない。
 上告人A2の上告理由について。
 (一)、昭和三二年四月一五日付上告理由書記載の論旨は結局、原審が否定した
「係争の和解につき相手方Bの代理人小久保弁護士が上告人に対し、和解調書に基
いては将来強制執行をしない旨を約した(執行契約)」事実があつたものとし、動
機の錯誤乃至欺罔ありと主張し、此の点に関する原審の判断を争うに帰着するから、
採用に由ない。
 (二)、同年五月二九日付上告理由書記載一乃至六は前訴建物収去土地明渡請求
事件判決(東京地裁昭和二二年(ワ)一七七五号)の認定判断を非難し、上告人が
係争の土地につきこれを使用収益する権利を有したものであり、被上告人が右収去
明渡請求権を有しないものであることを縷々主張するものでしかない。
 同記載七乃至一〇は、上告人A2が上告人A1のため訴訟代理人を選定し選任す
るにつき、右A1から代理権を授与されたとの点に関する原審事実認定を単に否定
し、或は従来主張しなかつた事実に基いて和解に於ける金額一五万円につき錯誤が
あつたとか或は右和解に際し上告人の代理人であつた本吉弁護士に錯誤があつたと
主張し、原審は当然これら諸事情を斟酌すべきであつたと謂うに帰着し、採用し得
ない。(なお、論旨は動機の錯誤を云うが、動機乃至縁由の錯誤の場合民法九五条
の錯誤の問題を生じないこと大審院昭和一六年六月七日四民判決、民集二〇巻八〇
九頁以下、等の判示する通りであり、唯動機が意思表示の内容となつて居る場合に
意思表示の錯誤乃ち内心的効果意思と表示的効果意思との間の不慮の不一致として
問題たり得るのであるが、原審認定事実によれば所論諸事情を斟酌しても右不慮の
不一致ありと為し難い、)。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

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