弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件再上告を棄却する。
         理    由
 弁護人南雲正朔上告趣意について。
 上告趣意第一点の所論昭和二二年一一月二五日物価庁告示第一、〇五三号が、本
件犯行当時たる昭和二三年二月末日頃及び同年三月初頃において魚類等の販売価格
の統制額を指定する告示として効力を有していたものあることは多言を要しないと
ころである。されば第一審判決が物価統制令第三条第四条第三三条と前示告示とを
適用し判示被告人の所為を物価統制令違反罪として所断したのは当然である。そし
て一旦成立した物価統制令違反罪の所罰が爾後における告示の改廃により左右せら
るべきものでないと解すべきことは、当裁判所大法廷の判例とするところである。
原判決には所論のような違法はなく、論旨は単なる訴訟法違反の問題としてもその
理由なきものである。また第二点の所論は事実審の裁量に属する刑の量定を非難す
るものである。されば論旨はいずれも再上告適法の理由とならない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官安平政吉関与
  昭和二五年一一月一六日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    澤   田   竹 治 郎
            裁判官    齋   藤   悠   輔

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