弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士青柳盛雄の上告理由第一点について。
 上告人が主たる請求の原因として主張したところは、これを要するに、被上告人
は当初から履行の意思も能力もないに拘らず、あだかもこれあるが如く装い、上告
人を欺いて本件鉄屑売買契約を締結させた上、右契約に基く引渡名義のもとに上告
人所有の鉄屑を交付させて騙取し、よつて上告人に金一二〇万円相当の損害を蒙ら
せたから、右損害の賠償を求めるというにあり、原審は、これに対し、被上告人が
当初から履行の意思及び能力なくして右契約を締結したものとは認められないとい
う理由で右請求を排斥しているのである。そして、所論第二回目の鉄屑引渡の際被
上告人において多少の詐術を用いた事実があるからといつて、原判示の如き事情の
もとにおいては、それだけで上告人主張の如き詐欺により契約締結の事実を認定し
なければならぬものではない。
 されば、原判決には所論の違法はなく、論旨は理由がない。(憲法違反をいうが、
実質は単なる法令違反の主張にすぎない。)
 同第二点について。
 上告人が予備的請求の原因として主張したところは、被上告人がその故意又は過
失により上告人をして未だ存立していなかつた訴外D商事株式会社との間に本件無
効の鉄屑売買契約を締結させたことにより、上告人は右契約上の鉄屑代金二四六万
円相当の得べかりし利益を喪失したので、これから既に受領した内金一〇〇万円及
び引渡未了の鉄屑売却代金四〇万
八、〇〇〇円を控除した残額金一〇五万二、〇〇〇円の損害賠償を求めるというに
あつて、民法一一七条の類推適用により被上告人に対し契約の履行若しくは無過失
損害賠償の履行を求める趣旨とは解し難い。
 されば、原審が、被上告人において右契約当時前記訴外会社未成立の事実を知ら
なかつたことを確定した上、仮りに被上告人がこれを知らなかつたことについて過
失があつたとしても、右契約が無効であつたからといつて直ちに約定代金二四六万
円相当の利益を喪失したものとは認め難く、他にいかなる関係によりいかなる損害
が生じたかの主張立証がない旨判示して右請求を棄却したのは正当であつて、所論
のように違法はない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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