弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人川野浩、同川野次郎の上告理由(一)(イ)について。
 論旨は、所論の「木田」なる投票を本田の誤記と認定判断した原判決には採証法
則違反、経験則違反の違法があるという。
 しかし、選挙人が候補者氏名を自署する投票方式をとる現行選挙法のもとにおい
ては、候補者の表示に誤字、脱字その他不明確な記載の投票があることは避け難い
ところであるから、かかる不明確な投票については、代表制民主主義の根本理念に
照らして、無効投票の規定に反しない限り、その記載された文字の全体的考察によ
り当該選挙人の意思がいかなる候補者に投票したかを判断しうる以上、これを有効
投票として選挙人の投票意思を尊重すべきであり、その投票の記載をそのような誤
記または脱字をしたものと認定するためには、当該選挙における具体的事情、こと
に各候補者の氏名、通称等の文字、読み方、選挙人一般の教養程度、当該投票の記
載体様等よりこれを推認すべきものと解するを相当とする(昭和二四年(オ)第二
七号同二五年七月六日最高裁判所第一小法廷判決、民集四巻七号二六七頁参照)。
原判決は右と同趣旨の見解の上に立ち、証拠及び弁論の全趣旨を綜合して、本件選
挙における「木田」なる投票は、その記載の文字の配置、運筆の稚拙等から平素文
字を書くことに親しまない者の投票と推認し、そのような者は文字を書き慣れてい
る者より誤記の可能性が多いこと、ことに投票所内における緊張感からそのような
者は平常より誤記することが多いこと、本件選挙においては「木田」なる姓の候補
者は存在せず、これに近似する姓の候補者は本田D及び木場田Eの両名であるとこ
ろ、本件「木田」なる投票は、木場田候補の姓の脱字と見るより、本田候補の姓の
字画の遺脱と見る方が自然であることを認定判断して、右「木田」なる投票は、平
素比較的文字を書くことに親しまない選挙人が「本田」と書く意思で「本」の字中
一画を遺脱して「木田」と記載したものと認めるのを相当とすると判断したことは、
原判文上明らかである。その判断は、原判決の判示する当事者間に争なき事実、投
票検証の結果に照らし、経験則の適用によりこれを是認できる。従つて、原判決に
は所論違法はなく、論旨は採用できない。
 同(一)(ロ)(1)について。
 論旨は、所論「。本ンダ」なる投票について、原判決がその「。本」を「ポ」と
混同して記載したものと推認したのは、経験則に違反し、ことに、同じく稚拙な文
字で書かれた投票でありながら、前記「木田」なる投票については点画を遺脱する
ことは稀でないとしながら、「。本ンダ」なる投票については、「。」を附加した
ものを「ポ」の誤記と判断したのは矛盾であり、経験則違反であるという。
 しかし、原判決は、所論「。本ンダ」なる投票は、稚拙な文字で漢字と片仮名を
混用して記載されており、その「。」が「本」の字に半濁音符を付したと見られる
位置形状を具えていることから見て、右投票は漢字の「本」と片仮名の「ホ」を混
同して記載されたものと推定され、「。」なる記載も、「ポンダ」を本田候補の愛
称として一部の選挙人が用いる事実が認められから、有意の他事記載とは認められ
ないとし、右「。本ンダ」なる投票は、本田候補に投票する意思でなされた有効投
票であると認定判断しているのである。その認定判断は、原判決挙示の証拠関係に
照らして首肯できないものではない。原判決は「。」の附記を誤記と認めていない
のであるから、これを前記「木田」なる投票についての判示と矛盾がある如くいう
論旨はあたらない。従つて、原判決には所論違法は認められず、論旨は採用できな
い。
 同(一)(ロ)(2)及び(二)について。
 論旨は、原判決が本田候補を「ポンダ先生」または「ポンダさん」と愛称する一
部の選挙人があることを認め、前記「。本ンダ」なる投票または「ポンダ」と記載
された投票を同候補の得票としたのは、証拠に基づかない事実の認定であるという。
 しかし、本田候補を一部の選挙人が「ポンダ先生」または「ポンダさん」と愛称
していた旨の原審の認定は、前叙のとおり原判決挙示の証拠により首肯できないこ
とはないのであるから、原判決には所論違法は認められない。論旨は、結局、原審
の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定を非難するに帰し、採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛