弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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平成25年(あ)第1329号
現住建造物等放火,殺人,殺人未遂被告事件
平成28年2月23日第三小法廷判決
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人後藤貞人,同正木幸博,同水谷恭史の上告趣意のうち,死刑の執行方法に
関して憲法31条,36条違反をいう点は,死刑制度がその執行方法を含め憲法の
これらの規定に違反しないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第11
9号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年
(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁,最高裁
昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1
106頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,憲法違反をいう点を
含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405
条の上告理由に当たらない。
なお,所論に鑑み記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認め
られない。
付言すると,本件は,勤務の内容や条件が期待どおりでなかったことから,仕事
を辞め就職活動を続けていたものの,新たな仕事が見付からず,借金の申込みもま
まならず,生活に行き詰まりを感じていた被告人が,精神障害の症状により妄想上
の人物らの声を聞くなどの体験があったことから,そのような状況に追い込まれた
のはそうした人物らの嫌がらせのせいであると考えるようになり,これを黙認して
放置している世間の人に対する仕返しとして,営業中のパチンコ店に放火して客や
店員等を殺害しようと決意し,大阪市内のパチンコ店において,ガソリンスタンド
で購入したガソリンをバケツに移し替えるなどの準備を整えた上で,これを店内に
持ち込み床にまいて点火し,同店を全焼させるとともに,店内にいた客ら5名を焼
死させるなどして殺害し,10名に熱傷等の重軽傷を負わせたという現住建造物等
放火,殺人,殺人未遂の事案である。
犯行態様は,人出が多い日曜日のパチンコ店を狙った計画的な無差別殺人であっ
て,極めて残酷かつ悪質である。結果は誠に重大であり,社会に与えた衝撃は大き
く,遺族らの処罰感情も峻烈である。動機形成の過程には妄想が介在するが,それ
は一因にすぎず,被告人は,希望にかなう就職や将来の生活をも考えて活動を続け
ながらも,直面する現状への不満を動因として犯行を決意するに至ったものであ
り,犯行及びその前後の具体的状況をみても,終始一貫性のある合目的的な行動を
しているのであって,その精神症状が犯行に及ぼした影響は間接的であって大きな
ものではない。
以上のような事情に照らすと,被告人の刑事責任は極めて重大であり,被告人が
犯行の翌日に自首していること,さしたる前科がないことなど,被告人のために酌
むべき事情を十分考慮しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,当裁
判所もこれを是認せざるを得ない。
よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員
一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官野口元郎公判出席
(裁判長裁判官山崎敏充裁判官岡部喜代子裁判官大谷剛彦裁判官
大橋正春裁判官木内道祥)

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