弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     一 原判決を次のとおり変更する。
     被上告人は上告人に対し金五万三九五一円及び内金六四一四円に対する
昭和四〇年八月一日から、内金七二四四円に対する同年九月一日から、内金四九九
六円に対する同年一〇月一日から、内金七二四四円に対する同年一一月一日から、
内金二二八九円に対する同年一二月一日から、内金三七四三円に対する昭和四一年
一月一日から各完済にいたるまで年六分、内金二万二〇二一円に対する本判決確定
の日の翌日から完済にいたるまで年五分の各割合による金員を支払え。
     上告人のその余の請求を棄却する。
     二 訴訟の総費用はこれを五分し、その四を上告人の負担とし、その余
を被上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由第一点ないし第五点について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし正当として
是認することができ、原判決に所論の違法はない。右の違法があることを前提とす
る違憲の主張は、その前提を欠く。論旨は、採用することができない。
 同第六点について
 労働基準法一一四条の附加金の支払義務は、使用者が予告手当等を支払わない場
合に当然発生するものではなく、労働者の請求により裁判所がその支払を命じるこ
とによつてはじめて発生するものと解すべきであるから、使用者に労働基準法二〇
条の違反があつても、裁判所の命令があるまでに未払金の支払を完了しその義務違
反の状況が消滅したときには、もはや、裁判所は附加金の支払を命じることができ
なくなると解すべきであり(最高裁昭和三〇年(オ)第九三号同三五年三月一一日
第二小法廷判決・民集一四巻三号四〇三頁参照)、原審はこれと同旨の見解のもと
に所論の附加金の請求を認めなかつたものと解される。また、時間外勤務手当に関
する原審の判断は正当であり、したがつて、原審が認容した以上の附加金の請求を
認めるべきでないことは明らかである。原判決に所論の違法はなく、右の違法があ
ることを前提とする違憲の主張は、その前提を欠く。論旨は、採用することができ
ない。
 同第七点について
 所論の点に関する原審の判断は正当である。原判決に所論の違法はなく、右の違
法があることを前提とする違憲の主張は、その前提を欠く。論旨は、採用すること
ができない。
 同第八点について
 商人が労働者と締結する労働契約は、反証のない限りその営業のためにするもの
と推定され、したがつて、右契約に基づき商人である使用者が労働者に対して負う
賃金債務の遅延損害金の利率は、商行為によつて生じた債務に関するものとして商
事法定利率によるべきものである(最高裁昭和三〇年(オ)第四〇号同年九月二九
日第一小法廷判決・民集九巻一〇号一四八四頁、昭和二七年(オ)第三二九号同二
九年九月一〇日第二小法廷判決・民集八巻九号一五八一頁各参照)。本件について
みるに、原審が確定した事実関係によれば、被上告人は商人にあたるというべきで
あり、反証のない本件においては、被上告人と上告人間の本件労働契約は商人たる
被上告人が営業のためにするものと推定され、したがつて、右契約に基づく被上告
人の上告人に対する賃金債務の遅延損害金の利率については商事法定利率によるべ
きところ、これを民事法定利率によつた原判決は商法五〇三条、五一四条の解釈適
用を誤つたものというべきである。なお労働基準法一一四条の附加金の支払義務は、
労働契約に基づき発生するものではなく、同法により使用者に課せられた義務の違
背に対する制裁として裁判所により命じられることによつて発生する義務であるか
ら、その義務の履行を遅滞したことにより発生する損害金の利率は民事法定利率に
よるべきものであり、本件の附加金支払義務につき民事法定利率を適用した原審の
判断は、正当であつて、この点に関し原判決に所論の違法はなく、右の違法がある
ことを前提とする違憲の主張はその前提を欠く。よつて、論旨は前記賃金債務の遅
延損害金の利率の点に関する限度で理由があり、原判決はその限度で破棄を免れな
い。
 同第九点について
 原審が確定した事実関係のもとにおいては、所論の点に関する原審の判断は、正
当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、右の違法を前提とす
る違憲の主張は、その前提を欠く。論旨は、原審が確定しない事実に基づいて原判
決を非難するものであつて、採用することができない。
 よつて、上告人の上告理由第八点について前記のとおり原判決を破棄すべきとこ
ろ、右部分については、原審が確定した事実関係のもとで当裁判所において裁判を
するに熟すると認められるから、民訴法四〇八条、九六条、九二条に従い、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    大   塚   喜 一 郎
            裁判官    岡   原   昌   男
            裁判官    吉   田       豊
            裁判官    本   林       讓

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