弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主     文
被告人を懲役1年に処する。
この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予し,その猶予期間
中被告人を保護観察に付する。
理     由
(犯罪事実)
第1 被告人は,B(当時35歳)に対する恋愛感情及びそれが満たされないことに対す
る怨恨の感情を充足する目的で
1 平成13年3月1日午後10時ころ,名古屋市a区b町c番地dマンションe号B方玄関
前付近において,前記Bを待ち伏せ,次いで同月19日午後11時30分ころ,同所
において,前記Bを待ち伏せした上,同人方居宅内に上がり込むなどし,同人にそ
の身体の安全,住居等の平穏が害され,かつ,同人の行動の自由が著しく害され
る不安を覚えさせるような方法で待ち伏せ等を行い,
2 別紙一覧表記載のとおり,同年3月17日から同月21日までの間,前後26回にわ
たり,同市f区g丁目h番i号「jマンション」k号被告人方において,同所に設置された
電話から前記Bに対し,前記B方に設置された電話または同人が携帯する携帯電
話に,同人から拒まれたにもかかわらず,連続して電話をかけ,
もって,つきまとい等を反復して行い,ストーカー行為を行った。
第2 被告人は,平成13年3月20日ころ,前記第1の1記載のdマンション駐車場にお
いて,同所に駐車中のB管理にかかる普通乗用自動車の車体全体に所携の油性
マジックインキで落書きして汚損させ(損害額21万円),もって,他人の器物を損壊
した。
(証拠の標目)
(法令の適用)
 被告人の判示第1の1及び第1の2の所為は包括してストーカー行為等の規制等に
関する法律13条1項(2条1項1号,同5号,2条2項)に,判示第2の所為は刑法26
1条にそれぞれ該当するところ,各所定刑中いずれも懲役刑を選択し,以上は同法4
5条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により重い判示第2の罪の刑に
同法47条ただし書の制限内で法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役1年
に処し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から3年間その刑
の執行を猶予し,なお,同法25条の2第1項前段を適用して被告人をその猶予の期
間中保護観察に付することとする。
(量刑の理由)
 本件は,元交際相手である被害者の自宅に2度にわたり押し掛けて待ち伏せ,ある
いは,被害者宅の加入電話若しくは同人の携帯電話に合計26回にわたり執拗に電
話をかける等のストーカー行為を行ったというストーカー規制法違反の事案と被害者
所有の自動車にマジックで落書きして汚損させたという器物損壊の事案である。
被告人は,かつて交際していた被害者から一方的に交際を断られたことを逆恨み
し,同人からの謝罪等を求めるべく,長期間多数回にわたり,電話をかけ続けたあげ
く,被害者方宅に押し掛ける等のストーカー行為を続けたため,警察官からストーカー
規制法に基づく警告を受けたにもかかわらず,これを無視した上,待ち伏せ行為,器
物損壊行為等に及んでおり,その犯行は自己中心的な性格から一方的に思い詰め
て実行したものであって,犯行の動機及び犯行に至る経緯等に酌むべき事情は乏し
い。
しかも,犯行態様は,執拗かつ常習的で悪質である。
被害者は,相当期間にわたって平穏な生活を乱され,多大の不安感,恐怖心を抱
いた状態で生活することを余儀なくされるなど被害者の受けた精神的苦痛は大きく,
現在でも被告人側からの被害弁償の申出を拒否している。また,器物損壊の被害額
も高額である。
 以上の事情を総合すると被告人の責任は重い。
 他方,被告人側において被害者に謝罪すると共に,被害弁償のため相当額の金員
を供託していること,被告人は,公判廷において,犯罪事実を認め,反省の態度を示し
ていること,被告人自身も保釈後精神科のクリニックに通って投薬とカウンセリングを
通じて治療に努めていること,被告人には前科等がなく,今回初めて正式な裁判を受
けたものであること,被告人の親族等が今後被告人の更生に協力することを約束して
いること等酌むべく事情も認められる。
 そこで,これらの事情を総合的に考慮して,被告人に対して,今回に限りその刑の
執行を猶予すると共にその猶予期間中保護観察に付するのが相当であると判断した
次第である。
(求刑 懲役1年)
 平成13年9月6日
名古屋地方裁判所刑事第2部
裁判官 久  保     豊
(別紙省略)

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