弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を却下する。
     抗告費用は抗告人らの負担とする。
         理    由
 論旨は結局、裁判所法七条二号が憲法七六条一項、七七条一項に違背し無効なる
ことを前提として、原決定の憲法三二条違背をいうけれども、裁判所法の右法条は
最高裁判所の裁判権に関する規定の一部にかかるところ、いかなる裁判所において
裁判を受くべきかというような、裁判所の権限、審級等は立法により定めらるべき
事項であり、憲法には同八一条を除き他にこれを制限する規定はない(昭和二二年
(れ)第四三号、同二三年三月一〇日大法廷判決、集二巻三号一七五頁、昭和二三
年(れ)第二八一号、同二五年二月一日大法廷判決、集四巻二号八八頁参照)から
右裁判所法の法条が憲法の所論法条に違反するものではないことは右判例の趣旨か
らいつて明らかであるのみならず、最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは右
裁判所法七条二号に従い訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを
許した場合に限られ民事事件については民訴法四一九条の二に定められている抗告
のみが右の場合に当り、そして憲法三二条は何人も裁判所において裁判を受ける権
利あることを規定したにすぎない(前記昭和二五年二月一日大法廷判決)から所論
は右判例に照し採用できない。よつて抗告費用は抗告人の負担とし、主文のとおり
決定する。
  昭和三四年一〇月一五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    高   木   常   七

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