弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Bの弁護人須々木平次の上告趣意第一点について。
 原判決挙示の証拠によれば、窃盗犯人である被告人Bが相被告人Cと共に逮捕を
免れるたあ、判示Dに対し判示のような暴行を加え、よつて同人に対し全治約五日
間を要する打撲症兼擦過症を与えた事実を認めることができるのである。さすれば、
右被告人等の所為が強盗傷人罪を構成することは勿論であるから、原判決が被告人
等の所為に対し刑法第二四〇条前段(第二三八条)第六〇条を適用処断したのは相
当であつて、原判決には所論のような違法は少しもない。よつて論旨は理由がない。
 同第二点について。
 原判決が本件窃盗の事実として確定したところは、本件強盗傷人の犯行後被告人
等は追跡せられ一旦陸に上つて逃走したが、更に陸地から船で逃走しようと企て、
判示場所に繋留してあつた判示A所有の肥料船一艘に乗り込み岸から約半丁位の海
上まで漕ぎ出したというのであるから、右事実自体によつて、たとえ短時間であつ
ても、被告人等が右肥料船に対するAの所持を侵し該船を自己の所持に移したもの
であることは明白であるばかりでなく、更に挙示の証拠によれば被告人等は右肥料
船が対岸に着けば当然その場にこれを乗り捨てる意思であつたことが認められるの
である。そもそも、刑法上窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思とは、権利者を排
除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分
する意思をいうのであつて、永久的にその物の経済的利益を保持する意思であるこ
とを必要としないのであるから、被告人等が対岸に該船を乗り捨てる意思で前記肥
料船に対するAの所持を奪つた以上、一時的にも該船の権利者を排除し終局的に自
ら該船に対する完全な支配を取得して所有者と同様の実を挙げる意思即ち右にいわ
ゆる不正領得の意思がなかつたという訳にはゆかない。これを要するに、原判決の
摘示事実及びこれが証拠によつて、被告人に本件窃盗罪の成立に必要な不正領得の
意思のあつたことが認め得るから、原判決には所論のような理由不備等の違法はな
く、論旨は採用し得ない。
 同第三点について。
 本件強盗傷人と窃盗の所為が短時間内に相前後してなされたことは洵に所論のと
おりであるが、被告人等が本件強盗傷人の罪を犯す当時には未だ本件窃盗罪を犯す
意思は全然なく、右強盗傷人罪が既遂となり逃走の途中偶然の機会において新たに
本件窃盗の犯意を生じたものであることは原判決挙示の証拠上疑いのないところで
あるばかりでなく、それ等の行為自体から見ても、はた又被害法益の点から見ても、
本件が強盗傷人と窃盗の二罪を構成し、所論のように単一の犯罪を構成するものと
認めるべきでないことは多言を要しないところである。従つて、原判決において本
件強盗傷人と窃盗の二罪の成立を認め、これを刑法第四五条前段の併合罪として処
断したのは相当であつて所論のように法律の適用を誤つた違法は更にない。よつて
論旨は理由がない。
 被告人Cの弁護人緒方浩の上告趣意第一点について。
 所論は畢竟原判決において認定した強盗傷人の事実は誤つているということに帰
着するがかかる論旨は上告適法の理由にならない。よつて論旨は理由がない。
 同第二点について。
 論旨は相被告人Bの弁護人須々木平次の上告趣意第二点と同趣旨であつて、論旨
に対する判断は前叙のとおりである。論旨はもとより理由がない。
 よつて、刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条に則り、主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 平出禾関与
  昭和二六年七月一三日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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