弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士三原道也の上告理由第一点について。
 上告人A1を除くその余の上告人ら及び第一審被告D、以上六名が共有者である
との主張の下に本件不動産につきなされた原判示贈与契約の無効確認を求める本訴
請求は、右共有者全員に対し合一にのみ確定すべき必要的共同訴訟と解するを相当
とするところ、右Dは第一審訴訟の進行中である昭和二四年一二月五日死亡し、そ
の訴訟代理人であつた弁護士坪池隆の代理権は第一審限りであつた為め第一審判決
正本が右代理人に送達されるとともに訴訟手続は中断となり、この中断は右共有者
全員についてその効力を生じたものと解すべきことは、所論のとおりであり、また、
右Dには夫であるE及び実母であるA2(本件上告人の一人)の両名の相続人のあ
ること、右両者又はその他の者から右中断後何ら受継の為めの手続がとられていな
いこと、また、右中断中に上告人らは弁護士坪池隆に対する訴訟委任状(前示Dも
委任者の一人として記載されている)とともに本件控訴状を提出の上原審における
一切の訴訟行為をなし、かくして控訴棄却の判決をうけ本件上告申立に及んだもの
であることは本件記録に徴し明らかである。論旨は原審に提出された右委任状中D
とある部分は死者名義のものに係りそれ自体無効のものであるばかりでなく、本件
控訴は右訴訟手続の中断中に右相続人らから何ら受継の手続がとられないままに提
起されたものであるから無効であり、その後の原審における上告人らの訴訟行為も
すべて同断であると主張するのである。
 思うに訴訟手続が必要的共同訴訟人の一人の死亡により中断となつた本件のよう
な場合に、その中断中に他の共同訴訟人によつてなされた控訴申立その他の訴訟行
為が無効に帰すべきことは所論のとおりである。しかしながら右死亡者について受
継手続をなすべき者が他の共同訴訟人の中に在りながら何ら受継についての手続を
とらないままに控訴申立を始め控訴審における一切の訴訟行為をなした前示のよう
な場合においては、共同訴訟人らは上告審において自ら控訴審における自分らの訴
訟行為の無効を主張することは訴訟経済上からもまた訴訟信義の上からも許されな
いところと解するを相当とする(大審院、昭和一四年九月一四日第一民事部判決、
民集一八巻一〇九一頁以下、参照)。そしてこのことは所論委任状の中に死者の名
義が記入されていたからといつて結論を異にするものではない。
 所論縷述の要旨は叙上と相容れない見解に立脚するものであつて、採るを得ない。
 なお、本訴は叙上上告人らと上告人A1との間に合一にのみ確定することを必要
とする訴訟とは解し難いから前示Dが死亡しこれに基いて訴訟手続の中断を生じて
も、その効力は上告人A1に及ぶ筋合ではないから、同上告人に関する限り所論は
叙上と別箇の理由において採用できない。
 同第二点について。
 論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断及びこれに基いてなされた自由な事
実認定を非難するだけのものであつて、結局「最高裁判所における民事上告事件の
審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号ないし三号の
いずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法律の解釈に関する重要な主張を含む」
ものとも認められない。
 よつて、民訴三九六条、三八四条一項、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官
全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    高   木   常   七

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛