弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人井本常作同下山四郎の上告趣意は、末尾添附の、昭和二六年一一月三〇日
附及び同年一二月三日附書面記載のとおりであるがこれに対する当裁判所の判断は
次のとおりである。
 裁判が迅速を欠き憲法三七条一項に違反したとしても、それは判決に影響を及ぼ
さないことが明らかであるから、上告の理由とすることができないことは、当裁判
所の判例とするところである(昭和二三年(れ)第一〇七一号同二三年一二月二二
日大法廷判決参照)。 従つてこの点に関する、昭和二六年一二月三日附上告趣意
書記載の論旨第一点及びかゝる違法あることを前提とする憲法違反の主張は、総て
採用することができない。右以外の論旨は、総て刑訴四〇五条の上告理由に当らな
い。また記録を調べても、同四一一条を適用すべきものとは認められない。(なお
(一)原判決の事実摘示をみると所論の如き被告人等の企図と犯行の結果との間に、
判文上多少の差異が認められるけれども、判文の全趣旨に徴し、右の如き犯行の結
果は事前の企図を遂行して得た結果であることは明白であるから、これを目して所
論の如く、理由不備の違法があるとはいえない。従つて原判決に昭和二六年一一月
三〇日附上告趣意書第一点所論の様な違法はない。(二)前記の如き事情から、被
告人等の本件犯行は、一個の行為であつて、一罪として問擬するを相当とするから、
原判決には同趣旨書第二点所論の如き違法もない。(三)原審の認定したところに
よると、被告人等は、Aを恐喝して仕事の下請を得ようと企図し原判示の如き脅迫
を加えて同人を畏怖させその結果、同人に所期の下請を予約させると共に、下請実
施迄の喰い繋ぎ料名下に金五万円を交付させたというのであるから、前論旨一、二
について判示した如く、右は一個の行為として考察すべきものである。そして第一
審判決をみると、その事実摘示は、全く原判決とその趣旨を同じくするものである
ことは明瞭であるから、その法律適用において差異があるからといつて、審判の対
象となつたものについてまで、原審と第一審との間に差異があるということはでき
ない。従つて原判決には同趣意書第三点所論の如き違法はない。(四)前論旨一乃
至三について判示した如く、原判決は、被告人等の本件犯行を一個の行為と認め、
一罪として所断しているのであつて、かゝる認定及び見解は正当である。しかも下
請の予約と金員の交付を併記しているのは、単にその犯行の内容を具体的に明示し
たまでゞあつて、所論の如く一個の犯罪を二個の犯罪として認定判示した趣旨では
ない。従つて原判決には同趣意書第四点所論の如き違法はない。(五)同趣意書第
五点の論旨は要するに、原審の証拠価値についての判断をいわれなく非難するに過
ぎない。記録を調べても、所論Aに対する司法警察官の聴取書中の供述記載が全然
無価値なものと判断するに足る事情は認められない。従つて原判決には虚無の証拠
によつて有罪と認定した違法もない。(六)原判決摘示の事実をその挙示する証拠
と対照して検討しても、昭和二六年一二月三日附上告趣意書第二点所論の如き事実
誤認若しくは法令違反を認めることはできないし記録を調べても同趣意書第三点所
論のような原判決を破棄するに足る量刑不当の事由を認めることはできない。
 以上説示のように原判決には論旨にいうような法令違反理由不備理由齟齬等の違
法は存在しないから昭和二六年一二月三日附上告趣意書第一点末段の所論のような
不利益を被告人が蒙つたということもないわけである。)
 よつて刑訴施行法三条の二刑訴法四〇八条により主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二七年八月二三日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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