弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人矢留文雄の上告趣意第一点について。
 論旨は、原判決が、被告人の請求がない場合には憲法三七条二項は公判廷におけ
る証人尋問を要求していないものと解するのが相当である旨判示したことは、同条
の解釈を誤つたものであると主張する。しかし、憲法三七条二項は、裁判所の職権
喚問の場合を除き、訴訟当事者の請求しない証人を喚問し審問する機会を与える趣
旨のものでないことは、当裁判所大法廷の判例とするところである。(昭和二三年
(れ)第二九四号、同年七月二九日大法廷判決、判例集二巻九号一〇五二頁)され
ば、原判決の判示は正当であり、論旨は、右判例の趣旨に反する独自の見解に基く
主張であつて、採用できない。
 同第二点について。
 論旨は、原審において弁護人の申請したA外八名の証人につき全部その申請を却
下して一人も審問する機会を与えなかつたことが、憲法三七条二項に違反すると主
張する。しかし、健全な合理性に反しない限り、裁判所は一般に自由裁量の範囲で
適当に証人申請の取捨選択をすることができるもので、憲法三七条二項後段は、裁
判所がその必要を認めて尋問を許可した証人についての規定であることは、当裁判
所大法廷の判例とするところである。(昭和二三年(れ)第八八号、同年六月二三
日大法廷判決、判例集二巻七号七三四頁)されば、所論の如く原審が弁護人の申請
した九名の証人につき全部その申請を却下して一人も審問する機会を与えなかつた
とするも、このことが、記録を調べても健全な合理性に反すると認められない本件
においては、直ちに憲法三七条二項後段に違反すると断ずることができない。論旨
は採用できない。
 同第三点について。
 論旨は、原審の審理は、憲法三七条一項の裁判公開の原則に違反すると主張する。
しかし、記録によれは、原審は公開した公判廷において出頭した弁護人の控訴趣意
書に基く弁論並びにこれに対する検察官の意見をきいた上結審して、控訴を理由な
いものとして棄却する旨の判決を宣告したことが明らかであるから、原審の審理は
裁判公開の原則に違反するものではない。(同趣旨昭和二九年(あ)第一四〇〇号、
同三一年一二月二六日大法廷判決、判例集一〇巻一二号一七四六頁)論旨は理由が
ない。
 同第四点について。
 論旨は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三二年七月九日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    高   橋       潔
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    垂   水   克   己

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