弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
本件上告を棄却する。
         理    由
弁護人秋山賢三,同田島浩の上告趣意のうち,憲法違反をいう点は,記録を調べて
も,被告人が強制されて自白したことを疑わせる証跡は認められないから,前提を
欠き,その余は,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主
張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 なお,記録を精査しても,次のとおり,本件について刑訴法411条を適用すべ
きものとは認められない。
 1 被告人が本件各犯行の犯人であるとした原判決の事実認定は,正当としてこ
れを是認することができる。
 2 本件は,被告人が,土木作業員として働いていた建設会社を解雇され,所持
金に窮したことから,わずか5日のうちに続けて敢行した2件の強盗殺人(うち1
件は現住建造物等放火を伴うもの)の事案である。まず,被告人は,昭和63年1
2月28日夜,タクシー強盗を企て,乗車したタクシーの運転手A(当時44歳)
を殺害して金員を強取しようと考え,乗車料金を請求する同人に対し,背後からそ
の左頸部,左肩部,左側頭部を果物ナイフで数回突き刺し,同人を殺害したが,同
人が血に染まるのを見て動転し,金員を強取するまでには至らなかった。その後,
被告人は,昭和64年1月1日午前0時半ころ,借金をするため訪れた建設会社の
作業員宿舎において,その夜酒を振る舞ってくれたかつての同僚B(当時39歳)
が酔余仮睡していた際,同人を殺害して金員を強取しようと企て,メリケンと称す
る鉄製の用具で同人の左顔面を数回殴打し,カッターナイフで同人の顔面,頸部等
に切りつけて,その反抗を抑圧し,同人所有の現金2万8000円を強取した後,
同人がまだ生きているのを認識しながら,失火と見せかけるべく,同人をストーブ
のそばまで運んだ上,床などに灯油をまいて放火し,Bらが現に住居として使用す
る上記作業員宿舎を全焼させるとともに,Bを上記火災により焼死させて殺害した。
以上の各犯行は,いずれも,金欲しさから全く落ち度のない被害者に対して確定的
な殺意のもとに行われたものであって,罪質が誠に悪質であり,犯行の態様も冷酷
,残忍である上,被告人は,解雇された建設会社から支払われた給料を生活費のほ
か,飲酒,パチンコ等に費消した後,かつての稼働先や知人から借金してはこれを
飲酒,パチンコ等に使って金員に窮したすえ,本件各犯行に及んでおり,その動機
に酌量の余地はない。これらの事情のほか,被害者らの遺族に与えた衝撃・影響の
深刻さとその被害感情の極めて厳しいこと,社会に与えた影響,被告人が,2件目
の犯行につき作業員宿舎から出てくるのを見かけた3人組の犯行であるなどと,こ
うかつな弁解をろうしていて,自責の念がうかがえないことなどに照らすと,被告
人の罪責は誠に重大であり,被告人のために酌むべき事情を考慮しても,原判決の
死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。
 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員
一致の意見で,主文のとおり判決する。
 検察官山本信一 公判出席
(裁判長裁判官 藤田宙靖 裁判官 金谷利廣 裁判官 濱田邦夫 裁判官 上田
豊三)

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