弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士大貫大八の上告理由第一点及び第二点について。
 論旨は、原判決が、a村内の旧b村の大部分及び旧c村、旧d村の各一部では、
「ちやん」は補助参加人Cの通称ないし俗称として呼び慣らされて来たものと認め
たのを非難するのであるが、要するに、原審の証拠の取捨選択を非難するに過ぎな
い。
 原判決の認定に所論のような経験則違背はない。のみならず、原判決は、所論の
各証言及び乙第一号証のみによつて右のような認定をしているのではなく、補助参
加人が選挙運動ポスターに「ちやん」と附記し、また「ちやん」という呼名を用い
てしばしば言論による選挙運動を実施した事実、さきの選挙においても「ちやん」
と記載された投票があり補助参加人に対する有効投票として取り扱われた事実等も
考慮した上で、右の認定をしているのであつて、この点に関する原判示は十分に首
肯することができる。論旨は理由がない。
 同第三点について。
 論旨は、原判決が、上告人も酒席や農業協同組合で「ちやん」と呼ばれることが
ある事実を認めながら、「ちやん」と記載された投票を補助参加人に対する有効投
票としたのは前後矛盾するというのである。しかし、原判決の認定するところによ
れば、上告人を「ちやん」と呼ぶことがあつても、それは、限られた者によつて限
られた場所でのことであつて、投票に記載された「ちやん」が上告人を指すものと
は到底考えられない。原判決に所論のような理由齟齬はなく、論旨は理由がない。
 同第四点について。
 論旨は、「Cちやん」の「ちやん」は敬称であつて単なる「ちやん」と意味が異
るにかかわらず、原判決が補助参加人の姓の下に「ちやん」を記載した投票が存在
した事実をもつて「ちやん」を補助参加人の通称と判断する資料にしたのは理由に
齟齬があるというのである。しかし、姓の下に「ちやん」を附した投票が、補助参
加人についてのみ存在し、上告人について存在しないことにかんがみれば、補助参
加人の姓の下に附した「ちやん」は同人の通称を念のために記載したものと解すべ
く、原判決に所論のような理由齟齬はない。
 同第五点について。
 論旨は、「ちやん」のように、誰に対しても使用されるような呼称は通称とはい
えないというのであるが、本件の場合、原判決認定のような事情の下においては、
「ちやん」を補助参加人の通称と解して支障はない。論旨は理由がない。
 同第六点及び第七点について。
 論旨は、上告人もまた「ちやん」と呼ばれていた旨を主張し、「ちやん」と記載
された投票中には上告人に対する投票があるかも知れないというのに帰する。しか
し、上告人が一般的に「ちやん」と呼ばれていた事実は、原審の認めていない事実
である。原判示のような事情の下において、上告人を選挙する意思をもつて、「ち
やん」と記載された投票が存在するとは到底考えられず、論旨は理由がない。
 同第八点について。
 所論の各投票について、原判決の説明は十分に首肯することができ、原判決が補
助参加人に対する有効投票としたのは違法ではない。論旨は理由がない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛