弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人橋本順の上告趣意第一点について
 所論は、原判決は旧刑訴法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する
規則に基き本件控訴を棄却したのであるが、右規則は憲法七七条の解釈を誤り裁判
所規則制定権の範囲を逸脱して制定された無効のものであるから、右規則を適用し
た原判決は憲法三一条に違反するというのであるが、右規則は憲法七七条に定める
最高裁判所の権限の範囲内に属し、かつ直接には刑訴施行法一三条に基くものであ
り、すなわち法律によつて委任されたものであるから、憲法七七条、三一条に違反
するものでないことは、昭和二四年(れ)第二一二七号同二五年一〇月二五日大法
廷判決の示すところであるから、論旨は採用できない。
 同第二点第三点について
 論旨はいづれも刑訴四〇五条に定める上告理由にあたらない。
 なお記録を精査しても本件に刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二七年五月一六日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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