弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中起訴状記載の公訴事実第一、第二(各公務執行妨害の罪)、及
び同第四(職務強要、傷害の罪)に関する部分を破棄する。
     被告人を懲役四月に処する。
     但し、この裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。
     原判決中起訴状記載の公訴事実第三(職務強要の罪)について無罪とす
る部分に対する控訴を棄却する。
     原審並に当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。
         理    由
 本件控訴の趣意は、原審検察官太田武之作成名義の控訴趣意書記載のとおりであ
り、これに対する答弁は、弁護人重松蕃、同新井章、同村井正義連名作成名義の答
弁書記載のとおりであるから、これらを引用し、これに対し当裁判所はつぎのとお
り判断する。
 所論は、原判決は本件公訴事実中第三の事実については犯罪の証明がないとの理
由により、他の第一、第二、第四の各事実についてはいずれもその構成要件を認め
ながら(但し、第四の事実の連続二回の暴行のうち一回目の暴行、及び傷害の点に
ついては犯罪の証明がないとする)、実質的違法性がないとの理由によつて無罪の
言渡しをしたが、これは重大な事実誤認を犯し、かつ、違法性の判断基準について
法令の解釈適用を誤つた違法があり、右はいずれも判決に影響を及ぼすことが明ら
かであるから到底破棄を免かれないと主張する。
 よつて順次右所論につき当裁判所の判断を示すこととする。
 第一点事実誤認の主張について
 一、 公訴事実第一関係
 原判決によると、群馬県立A高等学校校長B1は群馬県教育委員会教育長B2か
ら、昭和三九年一〇月二三日付同人発同県下各県立学校長宛の「県立学校職員の服
務の監督について」と題する教第八七〇号通達(以下八七〇号通達と略称する)を
同校教職員に示達すべき旨の命を受け、同時に県教育委員会当局から各学校におけ
る日々の不在教職員を全体教員数の五パーセント内に止めるべき旨の指示(以下五
パーセント規制と略称する)があつたので、これらを同年一一月二日午前一一時三
〇分から同校職員室において同校職員に一括示達することとし、同日午前八時二〇
分頃から行われた職員朝会の席上、教頭B3をして全職員に対し午前一一時三〇分
に職員室に集合するよう指示させた。しかるに、同校教職員の属する群馬県立高等
学校職員組合(以下高教組と略称する)Cでは、八七〇号通達が勤務条件を変更す
るものであるとしてこれに反対し、同日午前一一時C執行部の役員四名位が校長室
においてB1校長に対し示達延期の交渉を行い、一方他の職員達は校長室隣の会議
室に集合して分会会議を開き、右交渉の成り行きを見守つて指定時刻になつても職
員室に移ろうとしなかつた。そこで一一時四〇分頃になりB3教頭は校長に「時間
になつたから示達しよう」と促し、立上つて校長室内北西隅にある会議室に通ずる
扉の把手を右手で握つて半開きにし、身体を会議室にのり出すように前屈みになつ
て会議室内に向い「先生方時間が来ましたから職員室に集つて下さい」と指示した
ところ、教頭から約二メートル離れた会議室の黒板前で校長交渉の経過を報告して
いた被告人はこれを聞き、交渉の最中でもあり、自己が経過報告中でもあつたの
で、教頭の右言動を不当に思い、同人の面前に歩み寄つて「今話し合い中ではない
ですか」と言いながら、自分の肘を曲げたまま一回教頭の胸中央附近に右手手掌を
押し当てて制止した、しかしこのために教頭の位置が移動させられたことはなく、
多少上体が揺れた程度で暴行の程度としては突いたものとは観念できず、結局強く
ない程度に右手手掌を押し当て、その結果上体を多少揺れさせた程度に過ぎなかつ
た、と認定している。そして、原判決は進んでB3教頭の指示行為は校長の八七〇
号通達の示達を補佐するものであつて、その抽象的権限内の行為であるから、刑法
第九五条第一項所定の適法な公務に属し、被告人の制止行為は教頭の上体を多少揺
らした程度に過ぎないが、有形力の行使に変りがないとして刑法第九五条第一項の
公務執行妨害罪の構成要件に該当することを認めた。
 これに対する検察官の所論は、被告人の暴行の程度は原判示のように軽度のもの
ではないと主張する。
 よつて原審記録、並に当審における事実取調の結果を綜合して勘案するに、被告
人の本件所為は原判決の認容するとおりB3教頭に対する公務執行妨害罪を構成す
るものであることを優に肯認することができるのであるが、被告人の暴行の程度に
ついては原判決の認定は内輪に過ぎ、その真相と評価とを誤つたものと認めざるを
得ない。
 即ち、原審並に当審証人B3の証言、原審並に当審の検証調書によると、昭和三
九年一一月二日午前一一時一五分頃、B3教頭が校長室に行くとB4、B5、B6
の各教諭、並に被告人が校長室において校長に対し八七〇号通達の示達延期の交渉
をしていたが、示達時刻である一一時三〇分頃になるとB4、B5の二人を残し、
他は会議室の方へ移つており、一一時四〇分頃になつたのでB3教頭は校長に対し
「もう時間ですから示達しましよう」と促した後、校長室と会議室との間の扉の所
へ行き、右手で把手を握つて半分扉を開け、会議室内の職員に向つて「全員職員室
に集つて下さい」と指示したところ、それが終わるか終わらないうちに被告人から
みぞおちの上胸の中央部附近を突かれ上体が後に傾いてたじろいだこと、突きかた
は余り強くなかつたので転倒はしなかつたが、上体が後に動き明らかに突かれたと
感じたこと、同人はいきなり突かれたので興奮し、会議室に向つて「これは命令で
す」と叫んだが、被告人の右暴行のため結局職員を会議室から職員室に移らせるこ
とができなかつたことを認めることができる。そして、右は原審証人B7の「D先
生が教頭さんの腹部を突いた、それはいおゆる上から殴りつけるというよらなこと
でなく、また下から突き上げるという格好でもないと思つた。どちらかというと水
平に手を出した……」「それはやはり突くべくして突いた、押すべくして押したと
いうか、そういうことだつたと思う」との証言によつてもその状況が彷彿とするの
みならず、組合員たる証人B8の原審証言中「D先生がB3先生の方に歩み寄り軽
く制止した、D先生の手がB3先生の胸に触れていたように思う」「B3先生は何
か抗議をうるさがるような格好で後退されたように記憶する」と証言し、これによ
つても控え目ではあるが被告人は単に手を挙げて制止したに過ぎないものでないこ
とが窺われる。原判決が右被告人の行為を強くない程度に右手手掌を押し当てて制
止したもので、突いたとは観念できないと判示したのは、暴行の程度を誤認したも
のであつて、前記のようにB3教頭の上体が後に動く程度に強く突いたというのが
真相であり、当時の関係者の状況からして、暴力の行使など全く予想もしていなか
つた教頭の意表を突いたものであつて、同人の公務の遂行を妨害するに十分な暴力
であると言わなければならない。
 もっとも、原審証人B9、同B10、同B11らの証言によると、被告人は扉か
ら上半身を出した教頭の所へ歩み寄り「未だ会議中じゃないですか」と言つて、右
手を挙げて制止した、右手の肘は曲つたままで手掌が触れるか触れない位で突き出
すとか押すということはなかつたとの趣旨の供述をしているが、右供述自体からも
制止行為なるものを極力控え目に表現しようとする意図が窺えるのみならず、原審
証人B12の証言によると、Cでは本件などを事実無根でやり通そうとして、組合
員に箝口令を敷き、捜査官の取調に対しては協力を拒否し一切を知らないと供述す
ることの方針を決めた事実が窺え、また原審証人B13の第一九回公判廷の証言に
よると、Cでは組合員が事情聴取のための捜査官の呼出状を受け取り、その措置に
つき協議した上、一括してこれを検察官に返戻したようなことが認められ、これら
によつて組合員たる証人らが、同じ組合員である被告人の立場を有利にするため、
如何に腐心したかが窺われるから、同人らの証言の証憑性は薄いと認めざるを得な
い。
 原判決は、B3証言は同人が被告人と対立する管理者側の立場にあること、八七
〇号通達の示達のことのみに傾注し興奮すらしていて、正確な状況の観察と、記憶
がなされているか疑わしいと説示するが、B3証言中同人自身が暴行を受けた時点
に関する部分は終始一貫しており、しかも自分が直接肉体による感覚を以て体験し
た事実に関するものであるから容易に忘れうるものではなく、その証言は信用する
に足ると言わなければならない。
 以上のとおり、被告人のB3教頭に加えた暴行の程度については、原判決は著し
くこれを軽視し、その結果事実を誤認したものであり、その結果は後記するように
判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、検察官の論旨は理由があると言わな
ければならない。
 二、 公訴事実第二関係
 原判決によると、被告人は前記のとおり、B3教頭を校長室と会議室との間の扉
附近で制止した後、B1校長が八七〇号通達の示達をすべく校長室内の自席から同
室北側出入口方向に向つて歩いてくるのを認め、校長の方に近寄り、同室内にある
衝立の南側出勤簿台中間の東前附近で校長と正対し「待つて下さい、話し合い中で
しょう」と言うや、両肘を曲げたまま左手にノートを持ち、右手は開いて両手を前
に出し、一回同人の胸部附近を押して同人を制止した、そのため校長は南方に一、
二歩後退しやや身体の重心が後に傾いたが、同人の後方で咄嗟に肘を曲げたまま両
手手掌を前に出して同人を支えようとしたB5教諭の手には届かなかつた。
 この時、校長の後から歩いてきたB4教諭が校長の方を向いて、被告人と校長と
の間に割り込み、その場をとりなしたが、校長は被告人に対し「暴力だ」と叫び、
出入口附近にいたB3教頭に「証人になつて欲しい」と発言したと認定し、その制
止行為の程度については、公訴事実第一の教頭に対する制止よりは強度であるが、
被告人は校長を制止すべく押したものと認められ、更に校長の身体の傾き加減も左
程ではなく、同人の直ぐ後で手を出したB5教諭のもとまで届かなかつた程である
としながらも、校長は当局から示達方の指示を受けた八七〇号通達の示達をしょう
としたものであるから、それは当然に校長の抽象的及び具体的権限内の職務行為で
あつて、刑法により保護されるべき公務であり、しかもこれに対し加えられた被告
人の制止行為は公務の執行を妨害し得る程度の有形力の行使であると認められるか
ら、刑法第九五条第一項の罪の構成要件に該当すると判示する。
 これに対する検察官の所論は、右暴行の程度は原判示のように軽度なものではな
いとその事実誤認を主張するものである。
 よつて審按するに、原審記録を精査し、当審における事実取調の結果を綜合する
と、被告人の本件所為は原判決の認容するとおりB1校長に対する公務執行妨害罪
を構成するに足るものであることは明らかであるが、被告人の暴行の程度について
は、本件の場合においても原判決の認定は控え目に過ぎ、その真相と評価とを誤つ
たものと認めざるを得ない。
 以下これを説明すると、原審並に当審証人B1の証言、及び原審並に当審検証調
書を綜合すると、B1校長は一一月二日午前八時二〇分頃B3教頭に命じて午前一
一時三〇分から重要事項の示達をするから職員は全部職員室に集合するよう指示さ
せたところ、一一時一五分頃になつてB4、B6、B5の各教諭、及び被告人ら組
合の代表者が八七〇号通達の示達の延期を求めて校長交渉と称し校長室に来つた
が、校長は交渉には応じられない、示達終了後なら交渉に応ずると言つて交渉を拒
否し、論議しているうち指定時刻を経過し、B6教諭と被告人の両名は中座し、校
長室にはB4、B5の両教諭のみ残り交渉継続中、一一時四〇分になつた頃教頭が
立つて会議室に通ずる扉の所へ行き、大声で「職員室に集りなさい」「命令だ」と
言つたので、校長は思わずそちらを振り向き、時間が一二時近くになつていたので
示達を急ぎ、ノートに通達の書面を挾んで会議室に通ずる扉へ近かづき、右手で半
ば開かれた扉の把手を握つて開き、右足を前にして中へ一歩入ろうとして覗いた瞬
間、被告人から下から上へ突き上げるようにして胸と腹の境を突き飛ばされ、左足
からバタバタと二、三歩後へよろめいて、危く倒れそうになつたが、後にあつた衝
立のため踏み止まつて転倒は免かれたことが認められる。そして、右の事実は原審
並に当審証人B3、原審証人B12の各証言によつてもこれを裏付けるに十分であ
るのみならず、弁護人申請の原審並に当審証人B4の、場所の点を除き「D先生は
右手掌をやや開き、左手にノートを持つたまま校長を制止し、校長は一、二歩後退
し、B5先生が丁度後にいて手を開いて支えようとするような手つきをしたが、校
長の体には触れなかつた。自分は校長に『待つて下さい、まあいいじやないです
か』と言つて校長とD先生との中に入つて校長の方を向いて制止したら、校長は
『Dさん暴力だ、訴えますよ』と言い、教頭を見て『証人になつて下さい』と頼ん
でいた」との供述、原審証人B5の、場所の点を除き「D先生が『まだ待つて下さ
い』と校長先生に言つた、その時校長先生が後の方に重心がちよつと移動した位に
私の方に体が寄つてきたので、何ということなくパツと自分の目の前に手を出し
た。するとB4先生が『まあいいじやないか』と言つてD先生との間に入つて校長
先生の方を向いて『待つて下さい』と言つた」との証言があり、これらは両証人が
組合員であるため前記の事情で非常に控え目な表現ではあるが、被告人の暴行が尋
常でなかつたことを示している。
 以上のとおり、校長は被告人に両手掌で突かれ後方へ二、三歩飛ばされたもので
あつて、若し同人が右手で扉の把手を握らず、また後に衝立がなかつたら、転倒し
たかもしれない状況であるから、右暴行の程度は、原判決の言うように校長は二、
三歩後退し、身体の重心がやや後方に傾いた程度に過ぎず、被告人の行為はとくに
粗野とも言えないというような軽微なものではなかつたことが明らかである。な
お、原判決はB3証言は校長のよろめくのを目撃していたという地点についての供
述が暖昧で、信用できないと言うけれども、同証言によると、同証人は校長が被告
人に突かれて同人の目前をバタバタと二、三歩よろめいた状況を正確に記憶してお
り、たとえその時の自分の立つていた地点に関する記憶に暖昧な点があつたとして
も、右目撃事実に対する証言に信憑性がないとは言えない。また、原判決は組合側
証人の証言を採り、B12教諭が本件犯行を目撃することは時間的にみてあり得な
いと説示しているけれども、B12証言は校長が衝立に向つて倒れかかつてきた状
況を仔細に供述しており、同証人が高校教員であることや、その年令、経歴等に照
らし、全く目撃しないことを目撃した如く虚偽の証言をしたとは到底信じ難いか
ら、同証言は信用するに足りる。一方、B4、B5両証言によると、犯行の場所は
衝立の南側であるというのであるが、その点は前記B1、B3、B12の各証言に
照らし措信し難い。
 よつて、被告人がB1校長に加えた暴力の程度、及びその場所につき、原判決は
事実を誤認した違法があり、その結果は後記するとおり判決に影響を及ぼすことが
明らかであるから、検察官の論旨は理由がある。
 三、 公訴事実第四関係
 原判決によると、E連合会では、恒例の年末闘争の一環として昭和三九年一二月
一〇日を期し「大幅賃上げ要求貫徹県職連決起集会」を挙行することを決し、高教
組では右集会に三〇〇名を動員することとしたので、これを知つた同県教育委員会
当局では、三〇〇名は県下高校教職員数の一割に該当し、三〇〇名動員の結果は校
務の正常な運営を阻害することとなり争議行為となる虞れがあるとし、各学校長に
対し当日これに参加するための年次有給休暇は一切認めないよう指示した。そこ
で、右指示を受けたB1校長は、一二月九日職員朝会の席上職員に対しその旨伝達
したところ、Cでは右指示にかかわらず同校に対する組合本部からの割当の五名に
対し、B6教諭と被告人の二名を集会に参加させることを決定し、同日午後二時四
〇分頃から五時二五分頃までの間、校長室、或は会議室において、執行部員らが校
長、及び教頭に対し右両名の年次有給休暇要求の交渉を行つた。しかし、校長及び
教頭は当局の指示に従つて年次休暇を認めない態度に終始し、結局話合いのつかな
いまま午後五時二五分頃校長は交渉を打切り、教頭は職員室の自席に戻つて帰宅の
準備にかかつたところ、B6教諭と被告人の両名は教頭を追つてその机附近に行
き、更に年次休暇願書を手にして年休の要求をしたが、教頭はこれを拒否し帰宅の
支度をした上、鞄を持つて職員室出入口に向け二、三歩前進し、B6教論と被告人
もこれにつれて教頭の方を向いたまま後退し、教頭の机から約二メートル離れたF
教諭の机附近に至つた際、被告人は教頭の帰宅を遮ろうとしてその右胸部附近に左
手手掌を一回押し当てて同人を制止した。この時教頭は「これは暴力ですよ」と大
声で叫び、被告人とB6教諭との間を通つて出入口附近に立つていた校長と足速に
退出した、右被告人の制止によつて教頭の上体は多少後に傾いたことは認められる
が、同人はこのため別に後退させられたようなことはなく、その制止行為は軽度の
ものであつた。なお、被告人の右制止行為の外はその前後において教頭に対し有形
力の行使があつたことは証明がなく、また被告人の右行為によつて教頭に対し安静
一週間位を要する右前胸部の傷害を与えたとの点も証明がないと認定した上、原判
決は被告人の右制止行為は同人らの年休の承認をさせる目的で行われた暴行と認め
られるから、刑法第九五条第二項の職務強要罪の構成要件に該当すると判示する。
 ところで、これに対する検察官の所論は、被告人は原判決の判示するF教諭の机
附近における暴行の外、その前にB3教頭の机附近においても右手拳で同人の右前
胸部を一回突いた事実があるのに、原判決が犯罪の証明なしとした点、検察官主張
の二回目の暴行について、その暴行の程度はかなり強いものであつたにかかわら
ず、制止行為は軽度のものであると認定した点、及び被告人の右二回の暴行の結
果、教頭に安静約一週間を要する右前胸部筋痛症の傷害を与えたことが証拠上明白
であるのに、これを犯罪の証明なしとした点は、いずれも明らかに事実を誤認した
違法があると主張する。 よつて按ずるに、原審並に当審証人B3の証言、及び原
審証人B14の証言、原審並に当審検証調書によると、校長並に教頭は一二月九日
午後二時四〇分頃から校長室で、次いで会議室で組合執行部の役員達から翌一〇日
の統一行動参加のためB6、D両教諭の年次有給休暇の要求を受けたが、校長は県
教育委員会からの示達で年休を認めることはできないとこれを拒否し、交渉は午後
五時二〇分過ぎ頃まで続いたが、校長は結局年休は認めないこととして交渉を打切
り、教頭は職員室の自席に戻り帰えり支度をしていると、B6教諭と被告人とが後
を追つてきて、その机の前に立ちふさがり、なおも年休の要求を続けたが教頭はこ
れ以上話し合つても無駄と思い、鞄を持つて二人の間を抜けて帰えろうと机の脇に
一歩踏み出すと、被告人は腰の辺に右手の握り拳を置き、突然それで教頭の右乳の
下附近を強く突き、そのため同人の体が後へ突きかえされ机に太腿が当つて踏み止
まつたこと、教頭は再び出入口に向つて歩き出し、同人の机から一つおいた次のF
教諭の机附近まで進んだ時、その進路にB6教諭と共に立ちふさがつていた被告人
から再び左平手で胸を突かれ、上体が後に反つたので「暴力はやめろ」と言い、そ
のまま出入口附近にいた校長と共に玄関の方に退出したこと、翌一〇日朝になり教
頭は前日第一回目に被告人から手拳で突かれた所が痛むので、夕刻B15医師の診
察を求めにゆき、別に治療は受けなかつたが、同医師が鎮痛剤をくれると言つたの
で、鎮痛剤はアリナミンが家にあると言つて断わり、爾来アリナミンを服用したこ
とが認められ、原審並に当審証人医師B15の証言によると、同人は一二月一〇日
夕方、B3教頭が来診し右前胸部を突かれて痛むというので、視診、触診、聴診を
したが異状はみられず、圧診をした結果右前胸部に痛みのあることがわかつた、余
りひどくないので特別の治療は必要ないと考えアリナミンの服用を勧め、一週間か
一〇日位で治るものと診断したことが認められる。そして、右の状況については職
員室の出入口附近でこれを目撃した原審証人B1の証言とも符号する外、原審証人
B14の「自分は教頭の机と向い合つた自分の机で帰えり支度をしていたら、教頭
の机のそばにD、B6の両先生が来て年休の許可を求め多少教頭と押し問答をして
いた、私が首をあげると両人が少し動いているんで私はその場の雰囲気で自然立ち
上つてしまい、直ぐ隣の机の方へ一、二歩動いて三人の方を向いた、その時出て行
こうとする教頭を遮ぎろうとするD、B6両先生の姿が見えたが、Dさんの手がB
3さんの胸の所にさわつていた、少し右後から見たところではDさんの左手がB3
さんの右胸の下あたりに当つていた」「教頭は出口へ向つて進む、それをD先生が
遮ぎる、それで手が当つてB3さんは少し後に反るという格好に見えた、Dさんは
少し前かがみになつていた」「翌朝B3教頭が胸のところを押えて痛いと言つてい
たので、私は昨日のあれかなと感じた」との供述があり、これらは控え目ではある
が、前記B3証言に符合するものである。原審証人B16、原審並に当審証人B6
は、被告人がB3教頭に暴力を加えるのは見ていない、或いは被告人は暴力を加え
るようなことはしなかつたと証言するが、右証言は前記各証拠に照らし、また右両
証人が組合員であつて前記したような組合の方針に従い、被告人を庇おうとする立
場にあることに照らし、たやすく信用し難い。原判決は、教頭は被告人の第二回目
の暴行を受けた後に「これは暴力ですよ」と言つたのに、それより強い第一回目の
暴力を受けたとき何の発言もしなかつたこと、及び教頭の前の机のB14教諭が目
撃していないことを理由に、第一回の暴行は認められないと言うけれども、第一回
目の暴行の方が強かつたから必ずその時「暴力ですよ」と言うと限つたものではな
く、引続き二回の暴行を受けたので、その時右のような発言をしたとしても決して
不自然ではない。また、B14証人は当時帰えり支度をしており、机の上には沢山
の本などが並べてあるので、その向側の教頭の机の前での瞬間の出来事に気がつか
ないこともあり得るから、これらを以て第一回目の暴行が存在しないとは断定でき
ない。もっとも、B3教頭はその後昭和四〇年一月二五日と二月一四日にB15医
師へ胸部の痛みを訴え診察を求めに行き、同月一五日には群馬大学医学部附属病院
のG医師の診断をも求めていることは記録上明らかであるが、昭和三九年一二月九
日受傷の日から相当日数も経つており、その間生徒を引卒しスキーに行つた事実も
認められるので、その当時の胸痛がなお本件に起因するかは疑わしく、その点は信
用できないが、少くも前記のように本件暴行の結果一週間ないし一〇日間の安静を
要する負傷を負つたことはこれを肯認するに十分である。
 以上のとおり、原判決は被告人の暴行の回数、その程度、及び傷害の結果につき
事実を誤認した違法があり、その結果は判決に影響を及ぼすことが明らかであるか
ら、論旨は理由がある。
 四、 公訴事実第三関係
 本件公訴事実は「被告人は昭和三九年一一月一九日午後四時三〇分頃、校長室北
側廊下において、B3教頭に対しB6教諭の年次有給休暇承認の要求を重ねたが、
これを拒否されたので、右休暇を承認させるため両腕を組んだままその肘で同教頭
の上腹部を一回突くの暴行を加え、以てその職務を強要したものである」というに
あるが、原判決は次の理由で犯罪の証明がないとする。すなわち、同年一一月一九
日昼休みにC執行部では翌二〇日に予定された高教組本部における支部、分会代表
者会議にCからB6教諭を代表として派遣することを決定し、校長不在のためB6
教諭は校長代行者であるB3教頭に年休の請求をしたところ、同人は翌二〇日には
既にH教諭の公務出張、I、J、及びF各教諭の年休が予定され、既に翌日の不在
者は合計四名となつており、A高の場合は前記五パーセント規制によつて原則とし
て三名の不在者しか認められない事情からこれを拒否し、午後四時四〇分頃に予て
校長宅訪問の予定だつたので帰えり支度のため自席に戻つた、B6教諭はそこで教
頭に年休を認められないまま帰えられることを恐れ、会議室にいたK分会長、被告
人外五名位の職員に対し「教頭が帰える」と告げ、その結果全員が教頭にB6教諭
の年休を要求すべく同室から廊下に出たところ、既に帰えり支度を終え職員室から
出て玄関に向つて廊下を西進してきた教頭と廊下で出会う態勢になつた、教頭は被
告人らが南北に並ぶようにして近付いてくる姿を認め、同人らから乱暴されるかも
しれないと即断し、廊下北側にK分会長がいたので同人は年配者でもあり安全と思
つて同人の方に足速に寄つて行つたところ、B6教諭らから年休の要求がありこれ
を拒否しつつ校長室前廊下で同人らと正対するや、その直後教頭は廻れ右してもと
来た方向に引返えし、公仕室から西門を通つて上履のまま校長宅へ急いだこと、右
正対した際被告人と教頭とが接触したことは認められないではないが、その態様及
び程度などについて進んで如何なる態様の如何なる程度による有形力の行使があつ
たか不明であるから、本件公訴事実につき多分に疑を抱きつつも確信までには至ら
なかつたとの理由で犯罪の証明がないものとし、被告人を無罪とした。
 これに対し、検察官の所論は、B3証人は暴行の態様、及び程度について具体
的、かつ一貫して整然と供述し、右は有形力の行使を受けた被害者自身の肉体的、
心理的な知覚作用に基く体験であつて信用性が極めて高く、なおこれを裏付けるB
1証言もあつて公訴事実の証明に何ら欠くるところがないのに、これを無視して犯
罪の証明がないとした原判決は明らかに事実を誤認した違法があると主張する。
 よつて按ずるに、原審証人B3は「帰えるつもりで廊下を玄関の方へ歩いて行く
と、廊下に南北に、K、D先生ら六人位が並んでいた、Kさんは北側におり年配者
でもあり分会長でもあるから乱暴するようなことはないだろうと廊下の北側の方へ
歩を進めた、そこで年休を認めろとの要求があつたので、私は駄目ですと拒否しな
がら廊下の北側の方へ近寄つて行くと、D先生も北側へ寄つてきたのでこれは困つ
たなと思つた、そこで私は一旦立ち止ると、D先生は腕を組んでいてその腕を組ん
だまま右か左かわからないが肘で私のみぞおちの所を突き上げるように一回突いて
きた、そのため廊下の北側の腰板の所に窓の敷居がありそこに太腿のところが当つ
た、その時の突きかたは前回の一一月二日校長室における暴行より遙かに強く、あ
とで廊下を後向きになつて急ぐとき少し右足の腿に痛みを感じたと供述し、これに
よると暴行の態様、程度も明らかであり、公訴事実を肯認するに足るようである。
 しかし、本件の場合にあつては、その場にいた直接の目撃者(総べて組合側証人
ではあるが)は総べて被告人の暴行の事実を否認し、B3証言を裏付けるものがな
く、僅かにB1証言中に「教頭が上履のまま息をはずませて青い顔で私方に馳けこ
んできて『あとからD先生とB6先生が追いかけて来るかもしれないから鍵をかけ
ろ』と言うので鍵をかけさせた、その時今帰える時に廊下でピケを張られ、D先生
に胸だか腹だかを両腕で突かれ、ハメ板に腰をぶつけたとの報告があつた」との供
述がある。しかしながら、当時被告人らが後から校長宅まで教頭を追いかけてくる
ような状況は全くなく、たとえ教頭が被告人らに恐怖し狼狽した事情があつたにせ
よ、校長に対する訴えは大袈裟に過ぎる表現であつて、そのような心境にあつたB
3証人の前記証言によつては、必ずしも被告人が意識的に強くB3教頭を突いたも
のであるかどうか速断し難い。そして右は当審における事実取調の結果に照らして
も変わらないから、原判決の認定は正常であり、当審においても犯罪の証明が十分
であるとは認められない。論旨は理由がない。
 第二点法令の解釈適用の誤りの主張について
 所論によると、原判決は本件公訴事実第一、第二及び第四の事実につき、それら
が公務執行妨害罪、或は職務強要罪の構成要件に該当することを認めながら、刑法
第三五条を拡張解釈し実質的違法性阻却事由を設定適用し、その結果刑法の明文に
よらず違法性を否定し被告人を無罪としたものであつて、右は法令の解釈適用を誤
つた違法がある。仮りに実質的違法性論を肯認する立場に立つても、実質的違法性
阻却事由の判断基準としては原判決の掲げる目的の正当性、手段方法の相当性、補
充牲、及び法益の権衡牲の外に、法益侵害の軽微性をも必要とするところ、本件は
そのいずれの判断基準からしてもこれに該当せず、従つて本件が実質的違法性を欠
くと認めた原判決は違法性の判断適用を誤つた違法があると主張する。
 よつて按ずに、原判決は公訴事実第一、第二が公務執行妨害罪の、同第四が職務
強要罪の各構成要件に該当するものであることを認めること所論のとおりである、
さらば、本件については一応違法性が具備するものと判断するのであるが、原判決
が実質的違法性を欠くと認定したので進んでその点につき審按するに、刑法が違法
性阻却事由として認めるものに刑法第三六条の正当防衛、同第三七条の緊急避難行
為があり、本件がこれらに該当しないことは原判決もこれを容認するところであ
る。そして、右以外の違法性阻却事由としては同法第三五条の法令又は正当の業務
による行為があるのであるが、それ以外に法令の根拠なく濫りに違法性阻却事<要
旨>由を認められないことは検察官所論のとおりである。しかしながら、刑法第三五
条の正当の業務によりなした行為とは、必ずしも厳格な意味の業務行為に限
らず、業務行為以外にも法律秩序全体の精神に照らし正当行為があるとするのが輓
近の学説、裁判例であることは当裁判所もこれを認めるところであり、原判決の言
うところの実質的違法性論が右のことを意味しているとすれば、その実質的違法性
が阻却されるか否かは、原判決の指摘するように少くとも(1)目的の正当性、
(2)手段方法の相当性、(3)補充性、及び(4)法益の権衡性等の基準により
法律、秩序全体の精神や、社会通念に従つてこれを判断すべきものであり、その一
を欠くときは違法性は阻却されないものと解するのを相当とする。
 一、 手段方法の相当性について
 原判決は手段方法の相当性につき、公訴事実第一に関しては本件B3教頭に対す
る制止行為の態様は有形力の行使といつてもとくに粗野とはいえず、寧ろ穏当なも
のであり、その程度も一回的で軽度であるなどの事情を考慮するとその手段方法は
相当であるとし、公訴事実第二に関しては本件B1校長に対する暴行の程度は教頭
に対するよりも強度ではあるが、これにより校長は二、三歩後退して体の重心がや
や後方に傾いた程度であつたこと、その態様も両肘を曲げたまま左手にノートを持
ち右手を開いて両手を前に出し、一回だけ校長の胸部を押したもので、とくに粗野
ともいえず、その手段方法は相当であるとし、公訴事実第四に関しては被告人は多
少前屈みになり左肘を自分の体からやや離し、左腕を挙げてその手掌を教頭の右胸
部附近に一回押し当てて制止し、そのため教頭の上体が多少後に傾いた程度であ
り、制止行為の態様、程度が有形力の行使の中でも軽度のものであるからその手段
方法は相当であると判示する。
 すなわち、この点で本件暴行の程度が問題となり、その程度如何によつて違法性
の成否が決まることになるから按ずるに、既に第一点事実誤認の論旨の点で説示し
たとおり、被告人の校長、教頭に対する暴行の態様、程度は、原判決の言うように
粗野でなく、軽度であつて穏当なものであつたとは到底認めることができない。
 ことに、本件は学校内で起つた教師間の出来事であり、被害者である校長、教頭
の側には何ら暴力に訴える意思がなく、またそのような気配も窺われないのに被告
人は一方的に三回にわたつて、いずれも突然相手方を突くという暴力行為に及んだ
ものであり、その突きかたもかなり強く、そのうち一回はその結果被害者に傷害を
与えたものである点等に鑑みると、社会通念上一般に放置し得る程軽微な暴力の行
使であるとは首肯し難く、原判決の言うようにその動機、目的に照らし相当な手段
方法であるとは認められない。してみると、この一点からしても原判決は誤認した
事実を前提とし、被告人の本件暴行に実質的違法性を欠くとするものであるから、
違法性に関する法令の解釈適用を誤つた違法があると言わなければならない。
 しかしながら、原判決は実質的違法性を論ずるに当つて手段方法の正当性の外、
目的の正当性、補充性、及び法益の権衡性について詳細説示し、なお右に関連し八
七〇号通達、五パーセント規制、及び校長交渉の当否について詳論し、また弁護人
は本件被告人の各所為は可罰的違法性を欠くものであつて本来公務執行妨害罪、職
務強要罪の構成要件に該当しないと主張するから、これらの点についても当裁判所
の判断を示すこととする。
 二、 目的の正当性について
 (1) 原判決は公訴事実第一、第二の被告人の各所為につき、被告人の動機、
目的が正当であつたことを論証するために「イ」八七〇号通達、「ロ」五パーセン
ト規制、「ハ」団体交渉の当否の三点について説示しているから、以下これらの点
について判断を示すと
 「イ」 原判決は、八七〇号通達は学校職員が勤務時間中に職員団体の用務に従
うため学校を離れることを原則として禁止するものであるが、そもそも職員が組合
用務のため勤務時間中に現場を離脱することは労働契約の本質から考え原則として
許されないものであり、地方公務員法第三五条もこの趣旨に副うものであるとし、
八七〇号通達の正当性を認めながら、一方、群馬県下では昭和二三年以来職員が組
合用務のため出張することを「組合出張」と称し出勤扱い(年次有給休暇の扱いと
は異る)とすることが慣行となり、県教育委員会当局もこれを黙認していたのであ
るから、組合出張を規制するためには一片の通達によることなく、少くとも組合と
十分な事前の協議をすることが望ましいと説示する。しかしながら、地方公務員法
第三五条によると職員は法律又は条例に特別の定がある場合の外、職務に専念する
義務があるから、例えば労働基準法第三九条による年次有給休暇、或は群馬県昭和
二六年条例第五号職務に専念する義務の特例に関する条例第二条三号によりもっぱ
ら職員団体の業務に従事する場合(専従者)などの外、濫りにその職場を離れるこ
とは許されないのであるから、組合出張の如きは正に職務専念義務に違反する違法
行為といわなければならない。そして、当審証人B2の証言によつても組合出張が
慣行として当局によつて認められたことはないから、仮りに、従来組合出張が黙認
されていたとしても、そのような違法状態を通達によつて是正するにつき予め組合
と話し合いをしなければならない必要は認められないから、八七〇号通達は正当で
あり、従つてB1校長が職員に対しこれを示達しようとし、またB3教頭が校長の
意を体し右示達のため職員に向つて職員室に集合を指示しよらとしたのは、いずれ
も極めて正当、適切な職務行為であると言わなければならない。
 「ロ」 原判決は、五パーセント規制につき群馬県においては群馬県立学校職員
の勤務時間その他勤務条件に関する条例第八条により教職員は年間二〇日の年次有
給休暇が認められているところ、五パーセント規制の結果は右年次休暇権を不当に
制限する結果となるとして、たとえ二〇日間という法の要請を損わないとしても、
年休権の性質は労働者が当然に有する一定日数の有給休暇につきその時季を指定す
る権利であるから、その請求があつた場合、使用者が時季変更権を行使しない限り
有給休暇は指定された日に決定されるものである。従つて使用者は具体的、個別的
に校務支障の有無を判断して変更権を行使すべきであるから、予め一般的に五パー
セントという基準を設けて体暇請求権を規制し、当局の欲する時季(休業日)にと
ることを要求する五パーセント規制は違法であると説示する。
 しかしながら、原審並に当番証人B17の証言、群馬県教育委員会教育長B2の
回答書(記録四三六七丁)によると、五パーセント規制は正常授業時間の確保を目
的とするものであつて、年次有給休暇に限らず公務出張等を含め、学校の不在職員
を一日五パーセントの範囲内に規制しようとする一の行政指導であつて、それによ
つて職員の年休権を制限しようとする意図のないことが認められる。そして、五パ
ーセントの数字を算出した根拠は、文部省で決めた年間における最低履習単位を修
得するに必要な時間を基礎とし、群馬県立高校における余裕率(一日の余裕人員の
全教員数に対する割合)を算出した結果、一日当り四パーセントないし六パーセン
トの値が出たので、その中間をとり五パーセントを以て規制の規準としたこと、そ
して五パーセント規制と年休権との関係については、実績に現われた群馬県立高校
における一年間の一人平均年休消化日数である四、五日によつて計算すると、一日
当りの年休消化率は約二パーセントとなるから、五パーセント規制で年休は十分賄
えるという当局の考えかたである。しかしながら、年間二〇日の年休権を完全に行
使すると仮定し、これを年間出勤日の二四七日だけで消化すると一日当りの消化率
は約八パーセントとなり、もしこれを年間出勤日の外、休業日六九日にも割当て計
三一六日で消化するときは、一日当りの消化率は六、六パーセントとなる。これに
年休の外公務出張、病欠等の場合を加算すると五パーセント規制では二〇日間の年
休は賄えない結果となることが認められる。しかし、五パーセント規制は前記のと
おり一の行政指導であつて、校務の支障を来す場合の一応の基準を示したに過ぎ
ず、各学校長が個々の場合に具体的に校務の支障の有無を勘按し、校務に支障のな
い場合には五パーセントを越えて年次有給休暇を認めることは差し支えなく、また
そうすべきであつて、五パーセント規制によつて職員の年休権を侵害できないこと
は言うまでもない。現に、B3証言によるとA高では五パーセント規制によるとき
は一日二、一五人の不在者しか認められないのに、同年一一月二〇日には公務出張
者一名、年休者三名計四名の不在者が許可され、一二月一〇日には公務出張者三
名、年休者一名合計四名の不在者が許可されている事実が認められる。その他、前
記のように現実の年休消化率が極めて低いことをも勘按すると、五パーセント規制
は原判決のいうように必ずしも労働基準法第三九条、及び群馬県立高等学校職員の
勤務時間その他勤務条件に関する条例第八条の趣旨に反し違法不当であるとまでは
断定し難い。 「ハ」 更に、原判決は校長室におけるC役員からの八七〇号通達
を延期することを求める校長交渉において、校長並に教頭は午前一一時から一一時
四〇分までの僅か四〇分の話合いで交渉を一方的に打切り、示達を強行しようとし
たものであるから、右打切り行為は職員団体の行う交渉に関する群馬県条例第三条
に規定する交渉は誠意と責任を以て速やかな円満解決を計るべき旨の規定に違反
し、不当であると説示する。しかしながら、原審並に当審証人B1証言によると、
B1校長は一〇月二八日県教育委員会当局から八七〇号通達を一〇月三〇日以降な
るべく早く職員に示達するよう指示を受けたが、A高では一〇月三一日、一一月一
日の両日が文化祭であつた関係から延引し、一一月二日午前一一時三〇分から職員
室において示達することとし、同日午前八時二〇分頃B3教頭をして職員に対しそ
の旨伝達させたことが明らかである。一方、既に組合本部から八七〇号通達の内容
等を知らされていた被告人ら分会執行部員は、午前一一時一五分頃から校長に示達
の延期を求めたが校長は教育長の命令であるから示達の延期はできない、示達後な
ら交渉に応ずると主張し、両者の話合いがつかず示達の予定時刻一一時三〇分を経
過し、一一時四〇分頃になり、なお当日正午から職員の慰労会も予定されていたの
で交渉の打切りをしたことが認められる。右のような経緯、交渉内容、校長の権
限、及び八七〇号通達、五パーセント規制の性格等に照らすと、校長、教頭の交渉
打切りは已むを得ないものであつて、誠実な交渉義務に違反する不当なものとは認
められない。
 右のとおりであるから、八七〇号通達には事前の協議が必要であるとし、五パー
セント規制は法律及び条例の趣旨に違背し、本件交渉の打切りは誠実な交渉義務違
反の不当な措置であるとし、これらを前提としB3教頭、B1校長の指示、或は示
達行為を制止しようとした被告人の行為の動機、目的は法律秩序全体の精神、社会
正義の理念に照らし正当であるとする原判決には賛成することができない。
 (2) 原判決は、公訴事実第四の被告人の所為の動機、目的の正当性につい
て、群馬県教育委員会当局は一二月一〇日に予定された県職連の大幅賃上げ要求貫
徹のための決起集会へ県高教組が職員の約一割に相当する三〇〇名の動員を指令し
たのは校務の正常な運営を阻害し争議行為の虞れがあるとして、県立各高校長に対
し職員が右集会に参加するため年次有給休暇を要求するときは一切これを認めない
ように指示したけれども、一二月一〇日の決起集会が争議目的のもとに行われると
は確認することができないのみならず、年次休暇は個別的、具体的に検討して校務
に支障を及ぼすか否かを判断して許否を決すべきものであるから、全面的に年休を
認めないのは労働基準法第三九条、及び前記勤務条件に関する条例八条の趣旨に反
し著しく不当である。Cでは同校に割当てられた動員数が五名であつたのに二名に
絞つて年休を請求したのに、校長及び教頭が当局の不当な指示を固執して被告人ら
の要求を全く聞き容れなかつた措置は不当である、被告人並にB6の両名は県教育
委員会当局、及び校長、教頭らから不当に年休を拒否され、なんとかこれを認めて
貰うべく要求し、そのために帰えり支度をして職員室から出て行こうとした教頭を
制止し、年休権の実現を図ろうとしたものであるから、被告人の行為の動機、目的
は正当であると説示する。
 しかしながら、教師の職務の性格から判断すると、一割動員の如きは正常な授業
計画に多大の支障を及ぼすことが明らかであり、校務の運営を阻害するものである
から、計画的にこれを行うときは地方公務員法第三七条によつて禁止された争議行
為となる虞れが大きいと言わなければならない、されば県教育委員会当局がこれを
以て争議行為の虞れがあると認めたのは必しも不当とは言えない、そして争議行為
に参加する目的で年次有給休暇を利用することは年休権の趣旨に照らし許されない
ところであるから、当局として一般的に集会参加者に年休を与えないよう指導する
ことも不当ではない。B3証言によると、Cにおいては組合本部の指令に基づき右
集会に二名を参加させることとし、一二月九日午後二時四〇分頃から同五時二五分
頃まで約二時間四五分にわたつて、被告人ら執行部員、その他分会員二〇名位が校
長、教頭に対し、交々、被告人とB6教諭に対する年休の承認を求めて交渉を続け
たが、校長は当局の前記指示に基づきその理由を説明して要求を拒否し、話合いが
つかず交渉を打切つたのであるが、両名はなおも教頭の後を追つて、帰宅しようと
して自席に戻つた同人に年休を要求し、教頭は翌一二月一〇日には既に四人(但
し、内一名は事務職員)の不存者があることも指摘してこれを拒否したのに、執拠
に承認を強要したものであるから、被告人の動機、目的が法律秩序全体の精神に鑑
み正当であるとする原判決には賛同することができない。
 被告人は昭和三八年四月始めてA高教諭となつた者で、社会経験も浅く、当時の
同高校における組合活動の雰囲気に巻きこまれ、法律、条例、通達等の趣旨を誤解
した結果、自分の行動の動機、目的が正当であると信ずるに至つたであろうことは
これを推察するに難くないのであるが、たとえ被告人が主観的にそう信じたからと
いつて、その動機、目的が正当化され、実質的違法性を欠くに至るものでないこと
は自明である。
 三、 補充性について
 原判決は、公訴事実第一、第二につき、労働者たる被告人らの勤務条件に重大な
関連のある不当な八七〇号通達の示達が、十分な説明のなされないまま強行される
ことが目前に切迫し、これを防止するにこれに代わる適当な手段方法を見出すこと
が著しく困難であつたととが認められ、また、公訴事実第四につき、当局並に校長
の不当な見解により、自己の年休権がまさに侵害されようとする緊急の状態にあ
り、教頭が帰宅してしまうと右の侵害が現実となるので、当時としてはこれに代わ
る適当な手段方法を見出すことは著しく困難であつたと説示する。
 しかしながら、校長が八七〇号通達を職員に対し示達したからといつて、直ちに
被告人の労働者としての権利が現実に侵害されるわけのものではないから、その主
張する権利防止について暴力に訴える外、他に方法がなかつたとは到底解し難い。
また、被告人及びB6教諭の年休権の請求といえども、これを認められないときは
反対を押して決起集会に出席することも不可能ではなく、暴力に代わる他の手段方
法がなかつたとは首肯し難い。
 四、 法益の権衡性について
 最後に、原判決は法益の権衡性につき、公訴事実第一、第二に関しては、被告人
の制止行為によつて侵害された公務保護と、校長並に教頭の身体並に自由の各法益
は、被告人の本件動機、目的の保護に比較すると軽少であるとし、公訴事実第四の
事実に関しては、被告人の制止行為によつて侵害された公務の適正と、教頭の身体
の安全の各法益は、被告人の本件動機、目的の保護に比較し軽少であると説示す
る。
 しかしながら、県立高等学校における正常な授業計画の遂行と、学校経営の秩序
確立とを目的として、職員の服務の厳正な遂行を促がす八七〇号通達を職員に示達
すべき校長並に教頭の公務、及び同人らの身体の安全と自由に関する法益と、これ
に対して被告人が守ろうとした組合出張という違法な慣行、五パーセント規制によ
る年休権の侵害の虞れ(但し、それは現在する侵害ではない)、及び右八七〇号通
達等の示達延期を求める校長交渉権に関する法益とを比較考量した場合、前者の法
益の方が大であることはくどく説明するまでもなく明らかであろう。また、職員が
正常な授業計画を阻害し違法な労働争議となる虞れのある集会に参加するため年次
休暇を利用しようとするのを阻止しようとした教頭の公務、及び同人の身体の安全
と自由に関する法益と、これに対し被告人が守ろうとした地方公務員に禁止された
争議行為となる虞れのある集会に参加する権利の保護とを比較考量するとき、前者
の法益が大であることは、これまた言を用いずして明らかであろう。これに反して
右の場合、いずれも後者の法益が大であるとする原判決には到底賛同し難い。
 以上のとおりであるから、被告人の本件各所為は原判決の設定した実質的違法性
の判断基準に照らしても、原判決のいうように法律秩序を乱すものでなく、社会的
に許容される正当行為であるとは容認し難く、原判決が被告人の本件所為は実質的
違法性を欠き罪とならないとしたのは違法性に関する法律の解釈適用を誤つた違法
があり、右はもとより判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、検察官の論旨
は理由がある。
 なお、弁護人は原判決が認定した(一)昭和三九年一一月二日校長室扉附近で、
被告人がB3教頭を肘を曲げたまま一回その胸部に右手掌を押し当てて制止した行
為、(二)引続き校長室でB1校長を両肘を曲げたまま左手にノートを持ち右手を
開いて両手を前に出し一回同人の胸部を押して制止した行為、(三)同年一二月九
日職員室で、B3教頭の胸部に左手掌を一回押し当てて制止した行為は、いずれも
軽微かつ日常的な制止行為であり、形式的には一応有形力の行使に当るといつて
も、公務執行妨害罪、ないし職務強要罪における暴行の観念が予想する行為典型か
らは程遠いものであり、同法条の構成要件が予想する可罰的程度の違法性を帯びる
に至らないから、構成要件該当性がないと主張する。
 しかしながら、被告人の校長、教頭に対する各暴行は、既に述べたとおり決して
所論のように軽微なものではなく、これを刑法にいう暴行と認めるに十分であるか
ら、それぞれ刑法第九五条第一項第二項の構成要件に該当する。所論はその前提に
おいて事実に反し、これを採用することができない。 よつて、本件公訴事実中第
一、第二及び第四に関する検察官の控訴は理由があるから、刑事訴訟法第三九七条
第一項第三八二条第三八〇条により原判決中右の部分を破棄し、同法第四〇〇条但
し書に則り当裁判所において直ちに次のとおり自判することとする。
 (罪となるべき事実)
 被告人は昭和三八年四月沼田市a町b番地所在の群馬県立A高等学校に教諭とし
て奉職し、同県立高等学校職員を以て組織する同県高等学校職員組合Cの昭和三九
年度教文兼情宣部長をしていた者であるが
 第一、 群馬県教育委員会当局においては、県立学校の職員が勤務時間中に組合
用務で勤務学校を離れることが多かつたため、職員に職務専念義務を遵守させ、正
常な服務を確立することによつて授業時間の確保を計ろうと意図し、昭和三九年一
〇月二三日付で県教育委員会教育長B2名義により各県立学校長宛に「県立学校職
員の服務の監督について」(教第八七〇号通達)と題する通達を発し、同年一〇月
二八日各県立高等学校長を集めてその趣旨内容を説明し、これを各学校に帰任の上
は、なるべく速かに職員に示達するよう指示し、なおその機会に、右通達に関連し
て当局から個別的指示として日々の各学校における不在職員を、全体職員数の五パ
ーセント以内に止めるべき旨の指示をし、これを受けたA高等学校長B1は同年一
一月二日午前一一時三〇分から同校職員室において職員に示達することとし、教頭
B3に命じ各職員に右時刻に職員室に集合することを伝達させた。ところが、右八
七〇号通達並に五パーセント規制に反対し、その示達の延期を図る被告人を含むC
執行部員数名は、午前一一時過ぎから校長室においてB1校長に対し示達の延期を
要求し交渉を続け、示達予定時刻を経過するに至つた。そこで、B1校長は一一時
四〇分頃になり右交渉を打切り、八七〇号通達を示達することを決意し、その意を
受けたB3教頭は校長室から隣の会議室に通ずる扉を開け、会議室にいた職員に向
つて職員室に集合するように指示したところ、会議室内にいた被告人は右の指示を
聞くや否や、教頭B3(当時四八才)に近付き、同人が更に指示を続けるのを妨げ
る目的で、いきなり右手掌で同人の胸部を一回突く暴行を加え、以て同人の職務の
執行を妨害し、
 第二、 同日同時刻頃、同校校長B1(当時五五才)が、B3教頭に引き続き八
七〇号通達を職員に示達するため、校長室から会議室に通ずる前記扉附近に行き会
議室内を覗くと、被告人は同校長の右示達を妨げる目的を以て、いきなり両手手掌
で同人の胸部を一回突き飛ばす暴行を加え、以てその職務の執行を妨害し
 第三、 群馬県教育委員会当局は、県立高等学校職員組合が昭和三九年一二月一
〇日予定した「大巾賃上げ要求貫徹県職連決起集会」に、教職員総数の一割に相当
する三〇〇名の動員を指令したのを知り、一割動員は校務の正当な運営を阻害し争
議行為となる虞れがありとし、県立各学校長に対し当日右集会に参加するための年
次有給休暇は一切認めないよう指示し、A高校においてもB1校長からその旨を職
員に伝達したところ、CではB6教諭及び被告人を集合に参加させることとし、同
年一二月九日B1校長、並にB3教頭に対し両名の年次有給休暇の承認を求めたと
ころ、前記の理由によつて拒否され、被告人はなおも同日午後五時三〇分頃同校職
員室においてB3教頭に対し自己及びB6教諭の年次休暇の承認を要求し、重ねて
これを拒否されたので、右休暇を承認させる目的を以て、同人の胸部を右手手拳で
一回、続いて左手手掌で一回突く暴行を加え、よつて同人に対し安静約一週間を要
する右前胸部筋痛症の傷害を負わせ、以てその職務の執行を強要したものである。
 (証拠の標目)省略
 (法令の適用)
 被告人の判示第一、第二の各所為は刑法第九五条第一項に、同第三の所為中職務
強要の点は同法第九五条第二項第一項、同傷害の点は同法第二〇四条罰金等臨時措
置法第二条第三条に各該当するから、いずれも所定刑中懲役刑を選択し、判示第三
の職務強要と傷害の各罪は一個の行為で数個の罪名に触れる場合であるから、刑法
第五四条第一項前段第一〇条により重い傷害罪の刑に従い、以上は同法第四五条前
段の併合罪であるから、同法第四七条本文第一〇条により最も重い第三の罪につき
定めた刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役四月に処することとし、
被告人は教職の身でありながら学校内で三回にわたり先輩教員に対し暴行をふるつ
た者で、その動機においてたとえ酌量すべきものがあつたとしても犯情は軽くない
ものがあるが、一方暴行並に傷害の程度は左程重大とは認められず、被告人は既に
本件により県教育委員会において懲戒免職の処分を受けたものである点などを考慮
し、刑法第二五条第一項を適用しこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予す
ることとする。
 本件公訴事実巾第三に関する点については、前に説示したとおり検察官の控訴は
理由がないから、刑事訴訟法第三九六条によりこれを棄却し、原審並に当審訴訟費
用は同法第一八一条第一項本文を適用し全部被告人に負担させることとし、主文の
とおり判決する。
 (裁判長判事 山田鷹之助 判事 目黒太郎 判事 中久喜俊世)

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◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
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応募方法
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残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
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連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
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71期修習生 72期修習生 求人
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職種 事務職
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応募方法
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