弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人杉崎安夫の上告趣意第一点について。
 所論勾留訊問調書を見ると所論の事項が謄写版刷りの不動文字で記載されている
ことは所論のとおりであるが本件において所論の記載が真実に反するものであつて
被告人に弁護人を選任することができる旨を告げなかつたものと認むべき何等の証
左もないのである不動文字による記載が直ちにその一事をもつて真実に反するもの
と即断することはできないのである。従つて論旨は所論の憲法問題につき判断する
までもなくその前提において既に失当であるからその理由がない。
 同第二点について。
 記録によつてみると被告人が逮捕されたのは昭和二三年七月三日で原審公判期日
は同年一一月一一日と同年一二月二一日であるから原判決が証拠に挙示した原審公
判廷における被告人の自白が五ケ月有余の拘禁後の自白であることは明かである。
しかし被告人は同年七月七日検事に対して本件犯行を自白し、次いで同月二九日第
一審公判廷においても自白しているのであつて原審公判廷の自白も従前の自白を繰
返したものに過ぎないのであるから右自白と拘禁との間には因果関係のないことが
明かである。然らば原審が右自白を証拠としたからといつて憲法第三八条第二項刑
訴応急措置法第一〇条第二項に違反するものではない。(昭和二二年(れ)第二七
一号同二三年六月二三日大法廷判決)それ故論旨は理由がない。
 同第三点について。
 しかし憲法第三七条第二項前段は裁判所が書類の供述者又は作成者を公判期日に
喚問し現実にこれを審問する機会を被告人に与えなければその書類を証拠とするこ
とが絶対にできないとする趣旨でないことは当裁判所の判例とするところである。
(昭和二三年(れ)第一六七号、同年七月一九日大法廷判決)、従つて刑訴応急措
置法第一二条第一項が被告人の請求がないときは裁判所は書類の供述者又は作成者
を公判期日に喚問することなくその書類を証拠として差支えないものとしこれを証
拠とすることを禁じなかつたことも亦前記憲法の規定に違反するものではないので
あつてこの点についても既に当裁判所の判例の存するところである。(昭和二三年
(れ)第二九四号同年七月二九日大法廷判決)論旨は右と異なる独自の見解の下に
原審において被告人から請求のなかつた被害者等の所論各聴取書を証拠としたこと
を非難するものであるからその理由がない。
 よつて刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条により主文のとおり判決する。
 この判決は全裁判官一致の意見によるものである。
 検察官 茂見義勝関与
  昭和二四年五月七日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛