弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人織田義夫の上告理由第一点について。
 所論の投票の記載は、その第二字目は「和」と読みうるけれども、その第一字目
を「愛」と判読することは困難であり、その記載自体から選挙人が愛知候補に投票
しようとする意思が明確に看取しうるものと断定することはできない。所論の投票
を無効のものと解した原審の判断は、結局正当であるといわざるをえず、論旨は採
用することができない。
 同第二点について。
 原審が所論の各投票を参加人に対する有効投票であるとした認定判断は、挙示の
証拠に照らし正当として首肯することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨
は採用することができない。
 同第三点について。
 原判決は、中野光弘候補が民社党の公認候補として同じく同党の公認をうけて県
会議員に立候補した訴外荒木実と共同して選挙活動をしていたことから、選挙人に
おいても中野光弘候補の名を誤つて「実」と記憶する可能性のある事情がすでに存
在したことを推認しうるとするのであるが、本件選挙の候補者中には白沢実なる者
があつたのであり、「光弘」と「実」との間にはなんらの類似性も認められないこ
とを考えれば、右の程度の事情から直ちに所論「中野実」「中の実」と記載された
各投票は選挙人が中野光弘候補に投票する意思をもつて名を誤記したものであると
認めることはできない。所論の各投票は、結局、中野光弘、白沢実両候補の氏名を
混記したものと認めるのほかなく、候補者の何人を記載したかを確認し難いものと
して無効と解するのが相当である。したがつて、これを有効と解した原審の判断は
公職選挙法六八条の適用を誤つたものであり、論旨は理由がある。
 以上、当裁判所の判断によれば、原判決が中野候補に対する有効投票としたもの
のうち四票は無効と認めるべきである。そうすると、原判決が同候補に対する有効
投票として計上した二九七一票は右四票が控除されて二九六七票となり、これは原
判決が愛知候補の得票総数とする二九六七票と同数となるから、原判決の判断の範
囲内における当裁判所の判断の段階では、上告人の請求を認容すべきこととなり、
これと相容れない原判決は破棄を免れない。しかし、前述愛知候補の得票総数の中
には、参加人においてその効力を争つたけれども、原審において、その主張につい
ては判断を加えるまでもないとし、一応有効投票として加算した投票が三票あり、
その効力の判断いかんによつては結論を異にすることになるので、本件はこれを原
裁判所に差し戻し、更に審理を尽くさせる必要がある。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇七条に則り、裁判官全員の一致で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸       盛   一

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