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平成21年7月7日判決言渡同日原本領収裁判所書記官
平成20年(行ケ)第10181号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成21年6月23日
判決
原告美津濃株式会社
同訴訟代理人弁護士中村稔
田中伸一郎
相良由里子
水沼淳
同弁理士倉澤伊知郎
田巻文孝
被告特許庁長官
同指定代理人上田正樹
中田とし子
長島和子
安達輝幸
被告補助参加人株式会社ルイスビル・スラッ
ガー・ジャパン
同訴訟代理人弁護士城山康文
岩瀬吉和
山本健策
同弁理士束田幸四郎
生川芳徳
主文
1本件訴えを却下する。
2訴訟費用は補助参加により生じた費用を含め原告の
負担とする。
事実及び理由
第1請求
特許庁が訂正2007−390143号事件について平成20年4月15日にし
た審決を取り消す。
第2事案の概要
原告は,第1記載の審決(以下「本件審決」という)の取消しを求めて本件訴。
えを提起した。証拠(丙7,争いのない事実,当裁判所に顕著な事実及び弁論の)
全趣旨によると,本件訴えの提起に至る経緯及び本件訴えの提起後の経過に係る事
実関係は,以下のとおりである。
1本件訴えの提起に至る経緯
原告は,発明の名称を「野球又はソフトボール用のFRP製バット」とする特許
第3474793号(以下「本件特許」という)の特許権者である。。
被告補助参加人は,本件特許の無効審判を請求したところ(無効2006−80
252号,特許庁は,本件特許の請求項1ないし7に係る発明についての特許を)
無効とする旨の審決(以下「前審決」という)をしたため,原告は同審決の取消。
しを求めて訴え(知的財産高等裁判所平成19年(行ケ)第10375号事件。以下
「前訴」という)を提起した。。
原告は,前訴係属中に本件特許の請求項1の記載を訂正するとともに同5ないし
7を削除することを求めて訂正審判を請求したが,特許庁は同審判請求は成り立た
ない旨の審決をした。これが本件審決であるが,そこで,原告は同審決の取消しを
求める本件訴えを提起するに至った。
2本件訴えの提起後の経過
知的財産高等裁判所は,前訴について,原告の請求を棄却する旨の判決を言い渡
したため,原告は,上告及び上告受理の申立てをしたが,最高裁判所は,平成21
年2月24日,前訴についての原告の上告を棄却するとともに,上告審として事件
を受理しない旨の決定をし,前審決は確定した。
第3当裁判所の判断
特許権者がした訂正審判の請求について,請求が成り立たない旨の審決があり,
同審決に対し,特許権者が提起した審決取消請求訴訟の係属中に,当該特許登録を
無効にする審決が確定した場合には,特許権者は,訂正審判の請求が成り立たない
とした審決の取消しを求める訴えの利益を失うに至るものというべきである(最高
裁昭和59年(行ツ)第27号昭和59年4月24日第三小法廷判決・民集38巻
6号653頁参照。)
これを本件についてみると,本件訴えの提起後の前記経過によれば,原告は,本
件訴えについて,訴えの利益を失ったものといわなければならないから,本件訴え
は,不適法な訴えとして,却下されるべきものである。
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官滝澤孝臣
裁判官高部眞規子
裁判官杜下弘記

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