弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中被告人A及びBに関する部分を破棄し、本件を福岡高等裁判所
に差し戻す
     被告人C及び同Dの本件各上告を棄却する
         理    由
 一、被告人Aの弁護人鶴田英夫、同村田利雄、同相見史郎の上告趣意並びに被告
人Bの弁護人中川宗雄の上告趣意は、それぞれ後記のとおりである。
 職権により調査するに、被告人A及び同Bについては、第一審裁判所は、右各被
告人に対する公訴事実はこれを認めるに足る証明がないとしてそれぞれ無罪の言渡
をなしたところ、これに対し、検察官から右判決は事実を誤認したものであるとし
て控訴の申立があつた結果、原審は何ら自ら事実の取調をすることなく、訴訟記録
及び第一審裁判所において取り調べた証拠のみによつて直ちに判決をすることがで
きるものと認めて検察官の右控訴趣意を容れ、第一審判決を破棄し、右各被告人に
対し、それぞれ有罪の判決を言渡したものであること、本件記録に徴し明白である。
 しかし、第一審判決が起訴にかかる公訴事実を認めるに足る証明がないとして被
告人に対し無罪を言渡した場合に、控訴裁判所が右判決は事実を誤認したものとし
てこれを破棄し、自ら何ら事実の取調をすることなく、訴訟記録及び第一審裁判所
で取り調べた証拠のみによつて、直ちに被告事件について犯罪事実の存在を確定し
有罪の判決をすることは、刑訴四〇〇条但書の許さないところであることは、当裁
判所の判例(昭和二七年(あ)第五八七七号、同三一年九月二六日、大法廷判決、
集一〇巻九号一三九一頁)の示すところである。されば自ら何ら事実の取調をする
ことなくして、無罪の第一審判決を破棄して前記の如く直ちに有罪の言渡をした原
判決は違法であること明らかである。故に右各被告人の弁護人等の各上告趣意に対
する判断をまつでもなく原判決中右被告人両名に関する部分は破棄を免れない。
 よつて刑訴四一一条一号、四一三条本文に従い原判決中被告人A及び同Bに関す
る部分を破棄し、本件を福岡高等裁判所に差し戻すべきものとする。
 一、被告人Cの弁護人大竹武七郎の上告趣意(一)乃至(三)は、いずれも単な
る法令違反、事実誤認の主張を出でないものであり(なお原判決には所論の如く虚
無の証拠に基いて事実を認定した違法があるとは認められず、所論引用の各判例は
本件に適切ではない)、同被告人の弁護人鶴田英夫の上告趣意第一点は違憲をいう
けれども、原判決には所論の如く証拠によらずして事実を認定した違法があるとは
認められないのであるから、所論違憲の主張はその前提を欠き所論の実質は単なる
訴訟法違反の主張に帰するものであり、同第二点乃至第四点はいずれも単なる法令
違反、事実誤認の主張であつて、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 一、被告人Dの弁護人中川宗雄の上告趣意第一点(二)は、原判決はその支持す
る第一審判決の判示第二(一)の事実のうち、被告人Dにおいて菓子箱を収受した
との点はこれを認める証拠がないから、この点について証拠によらずして事実を認
定した違法がある、仮りに原判決の判示するとおり右被告人が第一審公判において
右菓子箱収受を自白しているものとすれば、原判決は自白のみによつて右事実を認
定したものであつて憲法三八条三項、刑訴三一九条二項に違反する旨主張する、そ
こで記録を調べてみるに、原判決は、第一審第一回公判調書の記載によれば右被告
人が右菓子箱収受の点を認めていること明白である旨判示しているけれども、第一
審第一回公判調書の記載によれば、同被告人は右菓子箱収受の点はこれを否認して
いること明らかであるから、原判決は右調書の記載を見誤つたものであつて、原判
決の右判示部分は誤りであるといわなければならないが原判決はその支持する第一
審判決の挙示する多数の証拠により右菓子箱収受の事実を認むるに足る旨判断を示
しており、該判断は相当であるから、所論違憲の主弧はその前提を欠き、所論訴訟
法違反の主張は理由がない、(なお同第一点(一)は相被告人Bに関する論旨であ
つて、被告人Dに関するものではないから、判断を加えない)同第二点(二)は事
実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない、(なお同第二点(一)
については同じく判断を加えない)
 よつて被告人C及び同Dに関しては、刑訴四一四条、三九六条に従い本件各上告
を棄却すべきものとする。
 右は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 松村禎彦公判出席
  昭和三三年六月六日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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