弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
原判決を破棄する。
被上告人の請求を棄却する。
訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
理由
上告代理人岩橋健の上告理由第一点及び上告補助参加代理人船越孜の上告理由第
二の一について
所論の投票の記載は、それぞれ候補者である被上告人の氏と正七の名から成D
るものであるから、特段の事情がない限り、右投票は、被上告人及び正七両候D
補者の氏名を混記したもので、いずれの候補者を記載したかを確認し難いものとい
うべきところ、原判決挙示の事実のみをもつてしては未だ右特段の事情があるもの
と解することはできない。それ故、右投票は、公職選挙法六八条七号に該当し、無
効と解するほかなく、これを有効と解した原審の判断は、右規定の解釈適用を誤つ
たものといわざるをえない。論旨は、理由がある。
上告代理人岩橋健の上告理由第二点及び上告補助参加代理人船越孜の上告理由第
二の二及び三について
、。所論の投票の効力に関する原審の認定判断は正当として是認することができる
原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
そして、効力が争われたその他の投票についての原審の判断は当審においても正
当として是認しうるところであり、結局、被上告人の有効得票数は上告補助参加人
のそれと同数の三八九票であり、被上告人の当選を無効とすべきであるから、これ
と異なる原判決を破棄し、被上告人の請求を棄却すべきである。
よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条、九六条、八九条に従い、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官本山亨
裁判官団藤重光
裁判官藤崎萬里
裁判官中村治朗
裁判官谷口正孝

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