弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人山村利宰平の上告理由第一点について。
 所論は、被上告人は原審において新たに、被上告人の現在居住している家屋のあ
る場所は辺鄙であり且狭隘であるため商売ができないと主張して、本件家屋以外に
被上告人居住の建物の存在することを認めたのにも拘らず、原審が被上告人は本件
土地家屋以外家産とてなく、且現在の収入では父親の医療および家族の生活を維持
するに困難であるから、本件家屋を使用して事業を営む必要があるとした第一審判
決を維持したのは、判決に影響を及ぼすべき新たな主張事実について判断を示さな
かつた違法があるという。しかし、右主張は上告人が自己の利益のためにしたもの
ではないのみならず、本件家屋以外に被上告人居住中の家屋が存在するとしても、
右家屋が被上告人の所有にかかるものか否かについてはなんら主張立証がない。ま
た、元来被上告人は自己の住居としてではなく、飼料商営業の場所として使用する
必要から本件家屋の明渡を求めているのであるから、原審における被上告人の住居
が狭隘で辺鄙なところにあるとの所論被上告人の主張事実が認められるとすれば本
件明渡請求の正当事由はなお更ら強められ原判決は一層正当化されることになり、
又若し上告人に不利益な右主張事実が認められないとすればそれは原判決に影響を
及ぼさないこというまでもない。それゆえ所論は採ることができない。
 同第二点について。
 たとえ、所論のように上告人が本件家屋を賃貸していることを被上告人が知つて
これを買受けたとしても原判決の是認した第一審判決認定の事実関係の下では、被
上告人の解約申入につき正当事由があるとした原審の判断は首肯することができる。
右悪意の買受けの点を除く外の論旨は原判決の認定事実と異る事実の主張を前提と
するものであるから、論旨は採用するに足らない。
 同第三点について。
 原審が被上告人においてなんら事業計画を明らかにすることなく、又飼料商を始
めても現在以上の収入を得ることは保証し難いのに、医療費および生活費捻出のた
め飼料商を始めざるを得なかつたと認定したのは、審理不尽であるとの所論は、原
審で主張なくその判断を経ていないところであるから、所論は採用することをえな
い。原判決引用の第一審判決挙示の証拠によれば被上告人が病父の医療費および家
族の生活費捻出のため本件家屋を倉庫として利用し飼料商を始めざるを得なかつた
等の事情並びに上告人の本件家屋の利用事情その他の認定事情の下において、上告
人に対する解約申入に正当事由があるとした原審の判断は首肯し得る。所論は採用
できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    横   田   正   俊

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