弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を却下する。
     控訴費用は控訴人の負担とする。
         事    実
 控訴代理人は、原判決を取消す、被控訴人の本訴請求を棄却する、被控訴人は控
訴人に対し別紙目録記載家屋の内向つて左側の階下間口二間奥行二間中土間五坪を
明渡すこと、訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とするとの判決を求め、被控
訴代理人は主文第一項と同趣旨の判決を求めた。
 被控訴代理人は本案前の抗弁として、記録に綴ぢてあるA作成の送達報告書によ
ると、第一審判決は昭和二十五年六月五日控訴代理人に適法に送達せられたので同
月十九日確定したから同月二十八日附の本件控訴は不適法である旨陳述し、控訴代
理人は第一審判決は未送達であるから本件控訴は適法である。記録に綴ぢてあるA
作成の送達報告書には受取人である控訴代理人が正当の理由がないのに受取りを拒
んだからその場に差置送達をしたと記載してあるが、同代理人において送達を拒ん
だことはない。又差置送達は右代理人の弁護士事務所においてのみなすべきである
ところ、右送達報告書には函館地方裁判所構内においてしたと記載してあり、右代
理人の事務所は同構内にはないから、仮に右のような差置送達をしたとしてもそれ
は当然無効であると陳述した。
 証拠として控訴代理人は乙第六号証を提出し、証人A(第一、二回)控訴代理人
Bの訊問を求め、被控訴代理人は乙第六号証は不知と述べた。
         理    由
 函館地方裁判所が昭和二十五年五月十二日本件につき判決を宣告し、控訴代理人
が同年六月二十八日当裁判所に控訴状を提出したことは本件記録に徴し明かであ
る。よつて本件控訴の適否について検討を加えて見るに、<要旨>記録に編綴してあ
る控訴代理人に対する判決正本の送達報告書によると、控訴代理人において正当の
理由がなくて受取を拒んだので同年六月五日函館地方裁判所構内で判決正本
の差置き送達をしたことになつているが証人Bの証言により明かなように、控訴代
理人の事務所は函館市a町b番地の住所に設置されてあるから同裁判所構内弁護士
控室を目して同代理人の事務所とは認め難いので、縦令同代理人が同控室において
受取を拒んだからというて判決正本を差置くのは適式な送達とはいえない。しかし
当審証人A(第一、二回)及び同Bの各証言と同証言により成立を認められる乙第
六号証を対比綜合すると、執行吏Cの代理Aが同年六月五日同裁判所構内弁護士控
室において控訴代理人に直接判決正本を手交して送達報告書に押印を求めたとこ
ろ、同代理人はこれを受取りながら当時非常に多忙であつたため後程押印するとい
はれたので送達報告書をも同人に渡しておいたが、その後その送達報告書の返戻を
受けられず、且つ同裁判所訟廷課に送達報告書を渡さねばならない必要に迫られた
ところから前記のような送達報告書を作成して之を訟廷課に渡したこと、Aがさき
に判決正本と共に控訴代理人に手交した送達報告書(乙第六号証)には送達月日の
記載がなかつたが、その後控訴代理人において右判決正本及び送達報告書を発見し
て月日を六月十六日と記載し、書類受領者の署名又は押印欄に押印したこと、その
送達報告書が同月二十七日函館地方裁判所構内執行吏詰所内右Aの机の抽出中から
発見されたことが認められる。従て本件においては異つた記載のある二通の送達報
告書が存在し差置送達の不適法なることは前段説明のとおりであるが、執行吏C代
人Aによつて昭和二十五年六月五日函館地方裁判所構内弁護士控室において原審判
決が控訴代理人に直接手交され同代理人においてこれを受領している以上民事訴訟
法第百六十九条第二項後段の事務所等を有する者が拒まないときは出会つた場所で
送達ができる場合に該当し、その時右送達は完全に終了したのであつて同日より二
週間を経過した後の同月二十六日になした本件控訴は不適法といはねばならない。
よつて本件控訴は之を却下し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九十五条第八十
九条を適用して主文の通り判決する。
 (裁判長判事 原和雄 判事 小坂長四郎 判事 井上正弘)
 (別紙目録省略)

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