弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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 主文
本件各控訴はいずれもこれを棄却する。
         理    由
 検察官の本件控訴の趣意は京都地方検察庁検事正代理次席検事岡正毅提出の控訴
趣意書記載のとおりであり、これに対するA、B、Cを除く爾余の各被告人の答弁
は同人等の弁護人能勢克男、小林為太郎共同提出の答弁書及び被告人Dの弁護人前
堀政幸提出の答弁書各記載のとおりであり、A、B、Cを除く爾余の各被告人の本
件控訴の趣意は同人等の弁護人能勢克男、小林為太郎共同提出の控訴趣意書及び被
告人Dの弁護人前掘政幸提出の控訴趣意書各記載のとおりであつて右各控訴趣意書
及び答弁書はいずれも本件記載に編綴してあるからいずれもここにこれを引用す
る。
 検察官の論旨について、
 先ず論旨第三項において主張する所論京都市公安条例を違憲と判断した原判決は
誤りであるかどうかを検討するに昭和二十五年十一月二十一日京都市条例第六十二
号、集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(以下単に条例と略称する)第
一条は「道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は
場所のいかんを問はず集団示威運動を行おうとするときは、公安委員会の許可を受
けなければならない。但し、次の各号に該当するような公共の安寧秩序を維持する
上に直接危険を及ぼさないことの明らかに認められる場合はこの限りでない。一、
学生、生徒その他の遠足、修学旅行、体育、競技、二、通常の冠婚、葬祭等慣例に
よる行事」と規定しておるのである。ところで右条例前文の掲げるところに照せば
本条例制定の趣旨の当時の京都市方面における社会情勢に応じ占領政策に違反する
行為又は社会不安をじよう成する行為を未然に防止しようとするにあつたことは明
白であつてこの制定趣旨に基いて前示第一条を解釈すれば第一条第一号第二号は例
示的と解すべきでその他一般に公共の安寧秩序を維持する上に直接危険を及ぼさな
いことの明らかに認められる集会、集団行進及び集団示威運動は何等の制限なくす
べて自由にこれを行うことができるがそうでないもの即ち公共の安寧秩序に直接危
険を及ぼすと明らかに認められる場合は云うまでもなくその危険を及ぼす虞ある場
合にかぎり公安委員会の許可を受けなければならないとするものと云うべきであ
る。そしてその許可についても条例第三条第一項本文は「公安委員会は集会、集団
行進又は集団示威運動の実施が公共の安寧を保持する上に直接危険を及ぼすと明ら
かに認められる場合の外はこれを許可しなければならない」旨を定め同但書は、
「次の各号に関し必要な条件をつけることができる、一、官公庁の事務の妨害防止
に関すること、二、じゆう器、きよう器、その他の危険物携帯の制限等危険防止に
関すること、三、交通秩序維持に関すること、四、集会、集団行進又は集団示威運
動の秩序保持に関すること、五、夜間の静ひつ保持に関すること、六、公共の秩序
又は公衆の衛生を保持するためやむを得ない場合の進路場所又は日時の変更に関す
ること」と規定する。以上の<要旨>外更に許可の取消又は条件変更に関する同条第
三項その他条例第六条第七条の各規定等を彼此合せ考えると右条例は集会、
集団行進及び集団示威運動等の表現の自由を一般原則的に否定禁止しておいて、公
安委員会の許可によつてこれを解除して自由に行う権利を得せしめるというのでな
く、みだりに表現の自由に干渉せずこれを制限しないことを前提とし、ただ公共の
安寧秩序を保持する建前から公安委員会の許可を受けるべき場合を定め、しかも公
共福祉を保護する上において必要且つやむを得ないと認められる場合でなければ許
可の申請を不許可とし又は許可を取消すことができず只許可に条件をつけ又はその
条件を変更することができないものとなし以て右表現の自由に公共の福祉のため必
要且つやむを得ない最少限度における制限を附したに過ぎないものと解するのを相
当とする。そして憲法第二十一条の保障する表現の自由と雖も公共の福祉のため必
要且つやむを得ない範囲において制限を受けることは同法第十二条第十三条に徴し
明白であるから叙上説明するところにより右条例が憲法に違反する事項を規定し違
憲のものであるとは到底みることができない。公安委員会の許可にかからしめるこ
とを目して取締の便宜に重点をおき表現の自由を不当に制限しているものとなす原
判決の見解には左袒し得ない。従つて原判決のなしたこの点に関する判断は誤りで
あり右条例を合憲とする検察官の所論は正当と云わなければならないのである。
 だがしかし次に各被告人に対する量刑を記録に就き調査すると各被告人は本件E
公園における集会関係の首謀者乃至指導的地位にあつた者とは認め難く又被告人等
のそれぞれの犯行は計画的の意図に基いたものでなく群集心理に駆られ或はその場
の情勢に刺激せられた結果突発的に行われた偶然性の事犯とみるのを相当とし、こ
れ等本件各犯罪の態様、罪質、犯行当時の状況その他記録に現われた各被告人に関
する一切の事情に照すときは、叙上の如く前示条例が合憲であるとし更に論旨第
一、二項等に論ずるところを考慮に容れ勘案してみても各被告人に対する原判決の
刑の量定が未だ必ずしも軽きに失するものと認めることはできないのである。さす
れば結局原判決の量刑不当を主張する本論旨は結論において理由がないことに帰し
採用し難い。
 弁護人前堀政幸の論旨(省略)
 よつて刑事訴訟法第三百九十六条に従い主文のとおり判決をする。
 (裁判長判事 吉田正雄 判事 松村寿伝夫 判事 大西和夫)

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