弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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            主     文
       本件上告を棄却する。
            理     由
 弁護人小林美智子の上告趣意は,判例違反をいうが,実質は事実誤認,量刑不当
の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 なお,所論にかんがみ,記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものと
は認められない。本件は,(1) 知人のA(当時49歳)を被保険者とする生命保
険の保険金受取人となっていたBと共謀の上,Aを殺害し首つり自殺に見せ掛けて
死亡保険金を入手しようと企て,被告人において,居住する香川県内から宮城県内
のA方に赴き,所携の腰ひもで同女のけい部を絞め付けて殺害し,(2) その約4
年半後,知人のC(当時48歳)を被保険者とし上記Bを保険金受取人とする生命
保険契約が既に失効していたのにまだ存続しているものと思い,Cを殺害すればB
からその死亡保険金の一部を報酬として取得できると期待し,Cを殺害して交通事
故死に見せ掛けようと企て,Dと共謀の上,被告人方で,Dにおいて重量約5㎏の
鉄亜鈴でCの頭部を1回強打し,その約9時間後に,被告人において横たわってい
るCに対し鉄亜鈴で頭部を殴打したり骨折させるため足部を踏み付けるなどした上
,同人を車のトランクに入れて山林まで搬送し,うめき声を発した同人に対し,さ
らに,両名において鉄亜鈴でトランク内のCの頭部を強打したり,被告人において
トランク外に出したCの胸部等を土足で2,3回強く踏み付けるなどして,同人を
殺害したという殺人2件の事案である。いずれの犯行も,被害者に掛けられあるい
は掛けられていると考えた死亡保険金の取得を目的として殺人を犯したもので,罪
質,動機は悪質であり,計画的で確定的殺意に基づく犯行である。犯行態様は,周
到な計画に基づく冷酷なもので,とりわけ上記(2)の犯行のそれは,最初の一撃で
身体の自由を失った被害者を長時間にわたって苦しませ,その後上記のとおりの態
様でとどめを刺したもので,執ようかつ残虐である。2名の生命を奪った結果も極
めて重大であるが,慰謝の措置は講じられておらず,遺族の被害感情は非常に厳し
く,社会に与えた影響も看過できない。上記(1)の犯行後,妻に手伝わせて首つり
自殺に見せ掛けるための偽装工作に及び,上記(2)の犯行後,交通事故死に見せ掛
ける企ては失敗したものの,死体を崖から投棄して放置したもので,犯行後の情状
も不良である。上記(1)の犯行にあっては,被告人は,Bから繰り返し依頼されて
誘い込まれたものではあるが,被告人が,その実行行為のすべてを行い,かつ,犯
行後にはBが取得した死亡保険金から700万円の報酬を受け取っているのである
から,その刑責は相当に重い上,上記(2)の犯行にあっては,被告人が,これを立
案計画し,Dを引き入れ,終始犯行を主導し,実行行為の相当部分を自ら行ったも
のである。これらの事情に照らすと,罰金前科以外に前科がないことなど,被告人
のために酌むべき事情を十分考慮しても,被告人の刑責は誠に重大であり,原判決
の死刑の科刑はやむを得ないものとして,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。
 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員
一致の意見で,主文のとおり判決する。
 検察官麻生光洋 公判出席
  平成17年1月25日
    最高裁判所第三小法廷
        裁判長裁判官     上   田   豊   三
           裁判官     金   谷   利   廣
           裁判官     濱   田   邦   夫
           裁判官     藤   田   宙   靖

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