弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決および第一審判決を破棄する。
     本件公訴を棄却する。
         理    由
 被告人の上告趣意は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあ
たらない。
 しかし、職権で調査すると、第一審判決が、公訴事実のとおり、「被告人は、昭
和四六年七月九日午後一〇時一九分ころ東京都墨田区ab丁目c番d号附近道路に
おいて、法定の最高速度(六〇キロメートル毎時)をこえる一〇〇キロメートル毎
時の速度で普通乗用自動車を運転したものである。」との事実を認定したのに対し、
原判決は、超過速度の点を争う弁護人の事実誤認の主張を容れ、第一審判決を破棄
したうえ、「被告人は、昭和四六年七月九日(「六日」とあるは、「九日」の誤記
と認める。)午後一〇時一九分ころ、東京都墨田区ab丁目c番d号付近道路にお
いて、法定の最高速度である六〇キロメートル毎時をこえる八〇キロメートル毎時
の速度で普通乗用自動車を運転したものである。」との事実を認定し、法令を適用
して被告人を罰金二万円に処したものである。
 原判決の適法に確定した被告人の右所為は、道路交通法一一八条一項三号(昭和
四六年法律第九八号による改正前のもの)の罪にあたる行為であるから、同法一二
五条一項、別表(昭和四六年法律第九八号による改正前のもの)により、同法九章
(一二五条ないし一三二条)にいう「反則行為」に該当し、かつ、記録によれば、
被告人は、同法一二五条二項各号に掲げる例外事由がないと認められるから、同章
にいう「反則者」に該当するものといわなければならない。
 ところで同法一三〇条は、反則者は、同条各号に掲げる場合を除いて、当該反則
行為について同法一二七条一項または二項後段の規定による反則金の納付の通告を
受け、かつ、同法一二八条一項に規定する期間が経過した後でなければ、当該反則
行為について、公訴を提起されないと規定しているから、もしかかる手続を経ない
で公訴が提起されたときは、裁判所は、公訴提起の手続がその規定に違反したもの
として、刑訴法三三八条四号により、判決で公訴を棄却しなければならないもので
ある。そして、このことは、反則金を納付した者は、当該通告の理由となつた行為
について、公訴を提起されないと定めている道路交通法一二八条二項の趣旨を考慮
にいれるときは、本件のように、起訴状の公訴事実によれば反則行為に該当しない
が、公判審理の結果反則行為に該当することが判明した場合についても同様である
と解すべきである。記録によれば、本件について同法一三〇条各号の場合でないの
に、同条に掲記されている手続が行なわれていないことは明らかである。そうする
と、原審が、被告人は法定の最高速度を二〇キロメートル毎時こえる速度で運転し
たものと認定した以上は、第一審判決を破棄して、公訴を棄却すべきであつたにも
かかわらず、審理をすすめて被告人に罰金刑を科したのは、法令の適用を誤つたも
のであり、この誤りは判決に影響を及ぼし、原判決を破棄しなければ著しく正義に
反するものと認める。
 よつて、刑訴法四一一条一号により原判決および第一審判決を破棄し、同法四一
三条但書、四一四条、四〇四条、三三八条四号により、裁判官全員一致の意見で、
主文のとおり判決する。
 検察官佐久間幾雄 公判出席
  昭和四八年三月一五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岸       盛   一
            裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸   上   康   夫

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