弁護士法人ITJ法律事務所

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         主    文
     本件控訴は、これを棄却する。
     控訴費用は、控訴人の負担とする。
         事    実
 控訴代理人は、「原判決を取り消す。被控訴人の請求は、これを棄却する。訴訟
費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を、被控訴代理人は、
主文同旨の判決を求めた。
 当事者双方の事実上の陳述は、原判決事実摘示と同一であるから、ここに、これ
を引用する。
 証拠として、
 被控訴代理人は、甲第一、二号証を提出し、原審証人A、当審証人Bの各証言を
援用し、乙第二ないし第五号証の成立を認め、乙第一号証は不知と述べ、
 控訴代理人は、乙第一ないし第五号証を提出し、甲号各証の成立を認めた。
         理    由
 被控訴人主張の日時、控訴人が、訴外大同機械株式会社に対する、神戸地方裁判
所昭和二六年(ワ)第五三四号前渡金返還請求事件の執行力ある判決正本に基い
て、被控訟人主張の動産に対し、差押をなしたことは、当事者間に争のないところ
である。
 而して、成立に争のない甲第一号証に、原審証人A、及び当審証人Bの各証言を
綜合すると、右差押物件は、もと、被控訴人の所有であつたが、被控訴人におい
て、昭和二十五年九月二十九日これを代金二百万円にて、訴外ユニオン商事合名会
社に売渡し、同訴外会社の所有に帰したこと、同訴外会社は、更にその後これを訴
外大同機械株式会社に賃貸し現在に及んでいること、ならびに、被控訴人は、訴外
ユニオン商事合名会社から、右代金のうち、金百十七万円の支払を受けただけで、
なお同訴外会社に対し既に弁済期の到来した、残額金八十三万円の未払代金債権を
有し、従つて、該債権につき、売買の目的たる本件差押物件の上に先取特権を有す
ることが認められ、右認定を覆すに足る証拠はない。
 <要旨>以上認定の事実に徴すれば、本件差押物件は、元来訴外ユニオン商事合名
会社の所有に属し、訴外大同機械株式会社の控訴人に対する債務のために、
控訴人より差押を受くべきいわれがないのであるが、訴外ユニオン商事合名会社に
おいて、その所有権に基いて右差押に対し、第三者異議の訴を提起すれば格別、そ
の提起のないこと当事者間に争のない本件においては、右差押手続が続行せられ、
本件物件が競売により第三者たる競落人に取得せられるに及べば、該物件が動産た
る関係上、その上に存する被控訴人の先取特権は消滅し、しかも被控訴人におい
て、その売行金について、先取特権に基く優先弁済の請求をする方途もなく、ここ
に、被控訴人の前記代金債権は、本件物件より得られるべき優先弁済権を失い、そ
の満足を受け得る確実性は、それだけ減殺されるものと言うべきを以て、これを防
ぐため、被控訴人において、先取特権自体に基き、直接第三者異議の訴を提起し得
る余地あるの点は、しばらくおき、被控訴人の代金債権保全の必要性に依拠して、
その債務着たる訴外ユニオン商事合名会社に代位し、同会社に属する前記所有権を
主張して、第三者異議の訴を提起し、これによつて先取特権を保存し、以て右代金
債権の優先弁済権を確保し得るものと解するを相当とする。
 さすれば、右債権者代位権に基いて、本件強制執行の排除を求める、被控訴人の
本訴異議は、正当であつてこれを認容すべく、右と同趣旨に出でた原判決は、相当
であつて、本件控訴は理由がない。
 よつて、民事訴訟法第三百八十四条及び第八十九条を各適用して、主文のとおり
判決する。
 (裁判長判事 吉村正道 判事 太田外一 判事 金田宇佐夫)

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