弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成14年6月14日判決言渡
平成14年(ハ)第3641号 立替金請求事件
主       文
1 被告は,原告に対し,金60万1991円及びうち金59万6165円に対
する平成13年10月11日から支払済みまで年14.4パーセントの割合(年3
65日の日割計算)による金員を支払え。
 2 訴訟費用は,被告の負担とする。
3 この判決は,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請   求
   主文と同旨
第2 事案の概要
本件は,クレジットカード利用契約に基づき,原告が被告に対し立替金の請
求をしたが,被告は,契約締結の事実を否認する一方,海外で利用した代金の円換
算方法(特に換算日)について,原告から明確な説明がなかったとして,代金の支
払を拒んでいる事案である。
1原告の主張
 (1)原告は,平成9年6月17日,被告との間で,被告がカードを利用して原
告の加盟店から購入した商品の代金を立替払いし,被告は原告に対しこの立替金を
2回払い以下で支払う内容の契約をした(以下「本件クレジットカード利用契約」
という)。
(2)原告は,(1)の契約に基づき,別紙表1記載(別紙省略)の代金合計59万
6165円を立替払いした。
(3)よって,原告は,被告に対し,契約に基づき(ただし,遅延損害金は年1
4.4パーセントの割合で),立替金残金59万6165円及び確定損害金582
6円並びに立替金残金に対する最終支払期日の翌日である平成13年10月11日
から支払済みまでの遅延損害金の支払を求める。
2 争点
(1)本件クレジットカード利用契約の成否
 (2)海外利用分について円換算日は明示されていたか
第3 争点に対する判断
 1 争点(1)について
証拠(甲第2号証)によれば,平成9年5月26日付入会申込書の申込人氏
名欄に被告の氏名が手書で記載され,捺印欄に「A」の印影があることが認められ
る。この押印は,被告が本件訴訟のために提出した答弁書に押捺された印章の印影
と一致しており,前記入会申込書は被告がその意思に基づき作成したものと推認す
ることができる。
   ところで,被告は,入会申込書の宛先欄には,原告以外にも2社の名称が不
動文字で印刷されていることから,原告に対する申し込みであるという認識はな
く,原告との間の契約は成立していないと主張するが,同申込書の標題部の下部に
は「私…は,裏面記載のBカード会員規約,およびCカード会員規約を承認のうえ
申し込みますので,…」という記載があり,被告が署名押印した入会申込書の書面
は,原告に対する申し込みの文書であることは明白である。因みに,被告自身も,
「被告は,平成13年10月末をもってD会員を退会しているから…」と述べてお
り(平成14年5月31日付準備書面5項),原告の会員であったことを自認して
いる。
したがって,平成9年6月17日に,原告と被告との間に本件クレジットカ
ード契約が成立した事実を認めることができる。
 2 争点(2)について
甲2号証の裏面,会員規約7条2項によれば,海外で利用された場合の円換
算の方法並びに海外利用に伴う諸事務費用として交換レートの1.63パーセント
が加算される旨記載されている。
   被告は,入会申込者が,入会前において会員規約を読み規約を理解したうえ
申し込むことなどは皆無に等しいとして,上記約款の効力を否定するかのようであ
る。しかし,本件クレジットカード契約は,海外においてもカード利用ができるこ
とに特徴があり(甲第6号証),会員は,少なくとも海外旅行の際には,当然,旅
行中の交換レート等について関心を持ち,これを理解したうえでカードを利用する
と考えるのが経験則に合致する。そして,上記規約によると,円換算の時期とし
て,「ECard InternationalまたはF Internatio
nalで売上データが処理された日の各Internationalが適用した交
換レート」と記載され,交換レートの時期についてその明示に欠けるところはな
い。また,被告からの円
換算方法についての照会に対して,原告は,基本となる売上データの処理日を具体
的に明示した回答書を送付するなど(甲第4号証),業者としての説明義務を果た
しており,かえって,利用した後に,円換算の時期や方法について知らなかったと
の被告の弁解は,信義則に反し,許されないものというべきである。
 3 以上の検討によれば,原告の本件請求は理由がある。
     東京簡易裁判所民事第1室
裁判官廣 瀬 信 義

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛