弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主       文
被告人を懲役2年6月に処する。 
未決勾留日数中40日をその刑に算入する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。
理       由
(罪となるべき事実)
被告人は,
第1 平成16年5月8日午前7時50分ころ,兵庫県三田市a町b番地A中学校
西側路上において,通行中のB(当時13歳)ら不特定かつ多数人の容易に覚知し
うる状態において,ことさらに自己の陰茎を露出して示し,もって,公然とわいせ
つな行為をした
第2 同月28日午後9時25分ころ,同市cd番地e先道路を通行中のC(当時
19歳)を認めて劣情を催し,強いて同女にわいせつな行為をしようと企て,「F
駅へ行く道分かりますか。」などと道案内を求めるふりをして,同女を同市cd番
地f所在のD歯科医院北東約100メートルの山中に誘い込み,上記日時ころから
同日午後9時50分ころまでの間,同所において,同女に対し,ズボン右ポケット
に右手を入れて突起状に突きだし,凶器を所持しているかのように装って同女の腹
部に突き立て,「これが何か分かるな。ちゃんと言うことを聞けば無事に帰すか
ら。」などと申し向けて脅迫し,その反抗を抑圧した上,同女の上衣をまくり上げ
て乳房をもてあそび,さらに,同女の下衣を脱がせて臀部等を触るなどし,もっ
て,強いてわいせつな行
為をした
第3 同年8月12日午後8時15分ころ,同市cd番地f号所在のD歯科医院東
方約100メートル先歩道を通行中のE(当時16歳)を認めて劣情を催し,強い
て同女にわいせつな行為をしようと企て,「女性と山登りをしていたら,彼女が足
を挫いたので,ちょっと手を貸してくれませんか。」などと知人の救護を求めるふ
りをして,同女を同市cd番地eの山中に誘い込み,上記日時ころから同日午後8
時35分ころまでの間,同所において,両手で同女の両肩を押さえつけるなどの暴
行を加え,強いて同女にわいせつな行為をしようとしたが,同女に抵抗されたた
め,その目的を遂げなかった
ものである。
(証拠の標目)-括弧内は証拠等関係カード検察官請求証拠番号
 省 略
(補足説明)
弁護人は,判示第3の事実について,被告人が両腕で被害者の両肩を押さえつけ
るなどの行為をしたことは事実であるけれども,被告人の上記行為は強制わいせつ
罪における「暴行」にはあたらない旨主張する。
しかしながら,被告人は,被害者に強いてわいせつな行為をしようと企て,夜
間,いまだ16歳の被害者を欺き,人気のない山中に連れ込んだ上,被害者が逃げ
られないようにするため,被害者の後ろに回り込んで,両手で被害者の両肩を押さ
えつけたものであって,このような状況下における被告人の上記行為は,被害者に
対する強制わいせつの具体的危険性を生じさせたものと認められるから,強制わい
せつ罪における実行行為としての暴行に該当するということができる。
よって,弁護人の上記主張は採用することができない。
(法令の適用)
 省 略
(量刑の理由)
本件は,被告人が,通りがかりの被害者らに対してした公然わいせつ,強制わい
せつ,強制わいせつ未遂の事案であるが,被告人は自己の性的な欲望を満たす目的
で本件各犯行に及んだものであって,その身勝手な犯行の動機に酌量の余地はない
こと,被告人は,自己の性器を若い女性に見せつける公然わいせつ行為を繰り返す
うち,判示第1の犯行に及んだだけでなく,次第に性的欲望をエスカレートさせ
て,若い女性に強いてわいせつな行為をしようと企て,判示第2及び第3の各犯行
に及んだものであり,しかも被告人は,判示第2の犯行後,公然わいせつ行為に及
んで検挙され,その処分がいまだ決まらないうちに判示第3の犯行に及んだもので
あって(なお,この公然わいせつの罪については,判示第3の犯行後罰金の略式命
令を受けている。),
被告人にはこの種犯行の常習性が認められること,被告人は,判示第2及び第3の
各被害者に道を尋ねたり助けを求めたりするなどして,いわば被害者らの親切心に
つけ込んで人気のない山中に連れ込んだ上,判示第2の被害者に対してはパンティ
ー等をずりおろした上,臀部等をまさぐるなどのわいせつな行為に及び,判示第3
の被害者に対してはわいせつな行為に及ぼうとしたものであって,これら犯行態様
は計画的で卑劣かつ悪質であること,被害者らは13歳から19歳までの若い女性
であって,本件各犯行により受けた精神的ショックは小さくなく,その処罰感情に
は強いものがあることなどにかんがみると,犯情はよくなく,被告人の刑事責任は
重いといわざるを得ない。
しかしながら,被告人は,犯行を率直に認めて,現在では反省の態度を示してい
ること,判示第2の被害者には慰謝料として金70万円を,判示第3の被害者には
同じく金30万円をそれぞれ支払って,示談を成立させていること,被告人の実父
や姉が被告人の今後の監督を誓約していること,被告人には禁錮以上の刑に処せら
れた前科がないこと,被告人は,本件後,勤務先の会社を懲戒解雇されており,相
応の社会的制裁も受けていること,本件によってすでに3か月以上の間身柄を拘束
されていることなどの,被告人のために酌むべき事情も認められるので,今回は,
被告人を主文の刑に処した上,その刑の執行を猶予することとする。
(検察官の科刑意見 懲役3年)
 よって,主文のとおり判決する。
平成16年12月6日
神戸地方裁判所第2刑事部
           裁 判 官 森 岡  安 廣

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