弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
弁護人柴田武、同花岡隆治、同斎藤兼也、同西明子、同中村哲也の上告趣意第一点
について。
 所論は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。
 同第二点について。
 所論は訴訟法違反、事実誤認の主張を出でないものであつて、適法な上告理由に
当らない。
 同第三点について。
 所論は経験則違反、採証の法則違背、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由
に当らない。
 同第四点について。
 所論は先ず、原審の支持する第一審判決は、被告人の本件偽証教唆の事実認定の
資料として、偽証本犯であるAの昭和二七年一一月二一日の第一審公判廷における
証人としてなした供述その他の証拠を挙示しているが、本件偽証教唆罪の成否を決
する証拠は右Aの供述のみであり、爾余の証拠は偽証の内容自体の補強証拠とはな
り得るとしても、偽証教唆と被告人とを結びつける事実の認定資料とはなり得ない
ものである。しかも右Aの供述は、被告人の述べたとおりのことを公判廷で供述し
たもの、即ち被告人の供述(自白)をその内容とするものであるにすぎないと前提
して、第一審判決及びこれを是認した原判決は、結局、被告人の自白を唯一の証拠
として被告人を有罪としたものというべきであるから、憲法三八条三項並びに刑訴
三一九条二項の規定に違反する旨主張する。しかし右証人Aの供述の内容は、同証
人に対し裁判所から証人召喚状が届いた日頃、被告人が同証人方を訪れて、第一審
判決判示のような虚偽の事項について裁判所で証言されたい旨依頼し、同証人にお
いてこれを承諾した事実並びに同証人はその後同判示の日、法廷で宣誓の上被告人
から依頼されたとおり虚偽の陳述をした事実等に及んでいること記録上明白である。
さればこれを以て、偽証教唆と被告人とを結びつける事実の認定資料とはなり得な
いもので、しかも被告人の供述(自白)をその内容とするものであるにすぎないと
なす所論前提自体これを肯認することはできない。従つて所論違憲違法の主張は前
提を欠くものであつて採用できない。爾余の論旨は単なる法令違反、事実誤認の主
張を出でないものであつて適法な上告理由に当らない。
 弁護人伊能幹一の上告趣意第一点について。
 所論は単なる訴訟法違反の主張に帰するものであつて適法な上告理由に当らない。
(所論引用にかかる当裁判所の判例は、共同審理を受けている共犯者に関するもの
であつて、偽証本犯であるAが被告人と共同審理を受けていない本件には適切でな
い。又検察官が所論のような作為をしたことはこれを認むべき何等の証左もないの
であるから、右Aの第一審公判廷における証人としてなした所論供述の証拠能力は
否定さるべきものであるとする論旨はこれを採用することはできない。〔なお昭和
二九年(あ)第一〇五六号、同三三年五月二八日大法廷判決、集一二巻八号一七一
八頁参照〕)
 同第二点について。
 所論は憲法三八条三項、刑訴三一九条二項違反を主張するがこれに対する判断は
弁護人柴田武外四名の上告趣意第四点のうちの同趣旨の論旨に対して既に示したと
おりである。
 同第三点について。
 所論は経験則違背、採証法則違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。
 同第四点について。
 所論は単なる訴訟法違反の主張であつて適法な上告理由に当らない。
 同第五点について。
 所論は違憲をいうが実質は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当
らない。(憲法三七条一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」の意義につき、昭和
二二年(れ)第一七一号、同二三年五月五日大法廷判決、集二巻五号四四七頁参照)
 同第六点について。
 所論は違憲をいうが実質は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当
らない。(被告人が自己の被告事件について、他人に虚偽の陳述をするよう教唆し
たときは偽証教唆罪が成立することは、既に当裁判所の判例〔昭和二七年(あ)第
一九七六号、同二八年一〇月一九日第二小法廷判決、集七巻一〇号一九四五頁、昭
和二九年(あ)第三九六五号、同三二年四月三〇日第三小法廷決定、集一一巻四号
一五〇二頁〕とするところであつて、今なおこれを変更すべきものとは認めない)
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和三五年一月二二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛