弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人小室薫、齊藤彌生上告趣意第一点及第三点について。
 原判決の事実摘示第三ノ(二)においては、所論のように被告人が賍品たること
を知つていたという主観的事実を判示しているばかりではなく、人絹織物一包(約
六十反)はA等の窃取した賍品であること及び右賍品を昭和二三年三月二七日自己
の居宅で右Aから預かり寄蔵したことの客観的構成要件たる事実を判示しているこ
とは、一読明白である。そして、原判決の挙げている証拠によれば、これらの事実
認定はたやすく首肯することができる。すなわち、証拠説明によれば判示第三の二
に掲げる人絹織物一包は判示第二の二の事実摘示中に認定されている原審相被告人
Aの窃取した人絹織物三六〇反の一部に該当するものであることを理解するに難く
ないのである。そして一件記録によれば被告人は原審公判廷において判示第三の二
の事実全部を(判示人絹織物一包がAの窃取した賍品であることをも)自白してい
ることを認め得るのである(記録第七一六丁参照)。それ故、論旨は理由がない。
 同第二点について。
 所論Aに対する検事の聴取書によれば、同人は唯Bが判示第三の一の掲記の絹糸
二〇貫ゴムベルト約百尺の賍品たることを知つていたことを供述しているだけで「
被告人ノ知情ノ点」については直接何等触れていないことは論旨の指摘する通りで
ある。しかし、原判決が右聴取書と併せて事実認定の資料とした第一審における被
告人の自供によると、被告人はBの情夫であり、判示物件の取引はA、B、及び被
告人三名対座の上なされたものであるというのであるから、該聴取書中の供述記載
は、彼此綜合すれば所論「被告人ノ知情ノ点」についても被告人の自白の真実性を
補強するに足る証拠力あるものといわなければならない。されば原審は所論知情の
点についても被告人の第一審における自白のみを証拠として事実認定をなしたもの
ではないのであつて、論旨は採用の限りでない。
 同第四点について、、
 しかし、旧刑訴六〇条二項四号には特に「公開ヲ禁ジタルトキハ其ノ旨及理由」
を公判調書に記載すべきものと規定されているのであつて、原則として公開してな
さるべき公判手続を公開した場合には手続上当然のこととしてその旨公判調書に記
載する必要はないものとせられている。これと同旨の見解は当裁判所大法廷の判例
とするところである(昭和二三年第二一九号同年六月一四日大法廷判決、判例集二
巻七号六八〇頁以下参照)。 されば原審公判調書に特に公開を禁止した旨の記載
がない本件においては所論公判の審理は、公開の法廷で行われたものと認められる
のである。原判決には、所論のような違法はなく論旨は採用に値しない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文の通り判決する。
 この判決は第四点につき裁判官真野毅の小数意見(前記大法廷判決中にある)が
あるほか、裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 小幡勇三郎関与
  昭和二四年一二月一五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔

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