弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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平成30年第33号
主文
被告人を禁錮1年4月に処する。
この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,平成29年11月11日午後7時15分頃,準中型貨物自動
車を運転し,愛知県東海市a町bc番のd地先の交通整理が行われていな
い交差点をe町f方面からa町g方面に向かい進行するに当たり,同交差
点入口には横断歩道が設けられていたのであるから,前方左右を注視し,
速度を調節して,同横断歩道を横断する歩行者の有無及びその安全を確認
しながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,同横
断歩道を横断する歩行者の有無及びその安全確認不十分のまま,漫然時速
約50キロメートルで進行した過失により,同横断歩道を右から左へ横断
してきたA(当時11歳)に気付かず,自車左前部を同人に衝突させて路
上に転倒させ,よって,同人に歩行障害,高次脳機能障害等の後遺症を伴
う加療約2か月間を要するびまん性軸索損傷,多発肋骨骨折,肺挫傷等の
傷害を負わせたものである。
(証拠の標目)
記載省略
(法令の適用)
1罰条自動車の運転により人を死傷させる行為等の処
罰に関する法律5条本文
2刑種の選択禁錮刑を選択
3刑の全部執行猶予刑法25条1項
4訴訟費用の処理刑事訴訟法181条1項ただし書き(不負担)
(量刑の理由)
本件は,被告人が,自動車を運転中に携帯電話で通話していた際に,判
示のとおり交通事故を起こした事案である。
被告人は,何らの必要性,緊急性もないのに,自動車を運転中に携帯電
話で通話し,その結果,自動車運転者にとって最も基本的ともいえる,前
方左右を注視するという義務に違反したものであって,過失の程度は小さ
くない。また,被告人は,携帯電話等保持の交通違反歴を有し,警察官か
ら,運転中に携帯電話を使用しないよう注意されていたにもかかわらず,
その後も運転中に携帯電話で通話することをやめず,ついに本件に至った
ものであって,強い非難に値する。未だ若年である被害者は,幸いにも一
命を取り留めたものの,本件により,判示のとおり重い後遺障害を伴う傷
害を負ったものであり,結果も重大である。
そうすると,被告人の刑事責任を軽視することはできない。
他方,被告人が,事故発生後直ちに警察に通報し,その後一貫して自ら
の罪を認め,公判においても繰り返し被害者への謝罪の気持ちを述べるな
ど,反省の情が認められること,被告人の妻が出廷の上,今後被告人に自
動車を運転させない旨誓約していること,保険により被害者に対する相応
の被害弁償がされると見込まれること,被告人に前科前歴がないことなど
被告人に酌むべき事情も認められる。
そこで,これらの事情を総合考慮し,被告人に対し主文の刑を科した上
でその刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑―禁錮1年4月)
平成30年5月28日
名古屋地方裁判所半田支部
裁判官松田康孝

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