弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人山中伊佐男の上告理由一について。
 論旨は、原判決が本訴請求を権利の濫用として許されないと判断したのは民訴一
八六条に違反するものであるという。しかし、記録により明らかである被上告人の
主張の経過に照らせば、被上告人が所論権利濫用の主張をもなすものと解される旨
の原審の判断は、首肯し得ないではない。
 しかして、上告人および被上告人間の身分関係、本件建物をめぐる右両者間の紛
争のいきさつ、右両者の本件建物の各使用状況およびこれに対する各必要度等の事
情につき、原審がその挙示の証拠により確定した事実関係に照らせば、被上告人に
対する上告人の本件建物明渡請求が権利の濫用として許されない旨の原審の判断は、
正当として肯認するに足りる。
 次に、論旨は、上告人の提出した居住権濫用の主張につき原審が判断遺脱の違法
を犯したものであるというが、原審は、本件建物につき被上告人の居住権の存在を
否定しているのであるから、右主張につき判断しなかつたのは、当然である。
 なお、論旨は、原判決に憲法違反がある旨云為するが、そのいうところは、前記
法令違反の主張を出るものではなく、右法令違反の主張が理由のないことは、前記
説示のとおりである。
 従つて、論旨はすべて採るを得ない。
 同二について。
 原判決中の、上告人が本件建物を独占して使用することが相当と認められるまで
双方共に本件建物に同居すべきである旨の判示は、原審が、上告人の本件建物明渡
請求が権利の濫用として許されない旨を判断するにあたり、傍論として記載したに
すぎないものであつて、論旨のように、上告人に対し被上告人と同居する法律上の
義務を負担させ、または内縁の寡婦と死亡した内縁の夫の子との間に法律上の同居
義務を創設するわけのものではない。論旨は、原判決を正解しないで、その傍論的
記載を非難するに帰するものであつて、採用し得ない。
 同三について。
 原審が、本訴請求を権利の濫用として許されない旨判断したからといつて、被上
告人が本件建物に居住しうる権利を容認したものとはいえない。従つて、被上告人
主張のような居住権が認められない旨の原審の判断は、上告人の本訴請求が権利の
濫用として許されない旨の判断となんらそごするものではないから、論旨は採用し
得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    田   中   二   郎

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