弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人古賀康紀,同美奈川成章,同船木誠一郎の上告趣意は,単なる法令違反,
事実誤認の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
所論にかんがみ,平成15年10月9日起訴に係る出資の受入れ,預り金及び金
利等の取締りに関する法律(平成11年法律第155号による改正前のもの。以下
「出資法」という。)違反被告事件の公訴時効の成否に関し,職権で判断する。
1原判決の認定及び記録によると,本件出資法違反被告事件の訴訟経過は,以
下のとおりと認められる。
(1)検察官は,平成10年11月13日,出資法5条2項違反の事実1件につ
いて被告人を起訴した。
(2)検察官は,出資法5条2項違反の行為が反復累行された場合には包括一罪
になるとの見解に基づいて,平成10年12月10日,同日付け訴因変更請求書
で,当初の訴因に平成9年11月28日から平成10年7月23日までの間に犯し
たとする出資法5条2項違反の事実20件を追加する内容の訴因変更請求をした。
(3)第1審裁判所は,平成11年2月19日の公判期日において,弁護人に異
議がないことを確認して訴因変更を許可し,以後訴因変更後の公訴事実について審
理が重ねられた。
(4)第1審裁判所は,平成15年9月16日の公判期日において,当初の訴因
と追加分の訴因との間には公訴事実の同一性がないから,訴因変更許可決定は不適
法であるとして,職権で訴因変更許可取消決定をし,追加分の訴因に係る証拠につ
いて証拠の採用決定を取り消す決定をした。
(5)検察官は,平成15年10月9日,訴因変更許可取消決定により排除され
た事実を公訴事実として改めて被告人を起訴し,その後の公判期日において,同事
実についての審理が行われた。
(6)第1審判決は,訴因変更請求を公訴の提起に準ずるものとして刑訴法25
4条1項前段を類推適用するのは相当といえず,本件訴因変更請求には公訴時効の
進行を停止する効力がなく,前記(5)の公訴事実については公訴提起の時点で既に
公訴時効の期間が経過していたとして,被告人を免訴した。
(7)これに対して検察官が控訴を申し立て,原判決は,訴因変更許可決定がさ
れた段階で,本件訴因変更請求に刑訴法254条1項前段が準用されて公訴時効の
進行が停止し,訴因変更許可取消決定がされた時点から再び公訴時効が進行を始め
たものと解されるから,前記(5)の公訴事実について公訴時効は完成していないと
して,第1審判決を破棄した上で自判し,被告人に有罪を言い渡した。
2本件出資法5条2項違反の各行為は,個々の制限超過利息受領行為ごとに一
罪が成立し,併合罪として処断すべきものであるから(最高裁平成16年(あ)第
2723号同17年8月1日第一小法廷決定・刑集59巻6号676頁参照),検
察官としては,前記訴因変更請求に係る事実を訴追するには,訴因変更請求ではな
く追起訴の手続によるべきであった。しかし,検察官において,訴因変更請求書を
裁判所に提出することにより,その請求に係る特定の事実に対する訴追意思を表明
したものとみられるから,その時点で刑訴法254条1項に準じて公訴時効の進行
が停止すると解するのが相当である。したがって,前記訴因変更請求に係る事実に
ついて公訴時効が完成していないとした原判断は結論において正当である。
よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,
主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官那須弘平裁判官上田豊三裁判官藤田宙靖裁判官
堀籠幸男)

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