弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人等の負担とする。
         理    由
 上告代理人秋吉一男、同米津稜威雄の上告理由について。
 論旨の主眼とするところは、商法二〇四条一項の保障する株式譲渡の自由は、株
式成立当初からの譲渡の自由を意味し、株券発行後の株式譲渡の自由のみに限定さ
れるべきいわれがないのみならず、同条二項の法意も、株券発行事務の渋滞を避け
るという単なる技術的理由から株券発行の準備期間内における株式譲渡の効力を会
社に対する関係において否定するにとどまり、会社の成立後通常株券を発行し得る
合理的期間経過後の株式譲渡の効力までも否定するものではなく、右合理的期間の
経過後は、株券の発行がなくても会社において株式譲渡を承認した以上、その譲渡
は、会社に対する関係においても効力を生ずるものと解すべきのところ、原判決は
右の解釈を誤つた違法があるというにある。
 しかし、法は、所論のように株式の自由譲渡性を保障(商法二〇四条一項)しな
がらも、その譲渡方法は、株主たる地位を表彰する要式の株券による(同二〇五条
一項、二二五条)べきものとし、株券の発行前にした株式の譲渡は、 「会社ニ対
シ其ノ効カヲ生ゼズ」(同二〇四条二項)としているのであつて、その法意は、い
わゆる「対抗スルコトヲ得ズ」とある場合と異なり、会社に対する関係においては
何等の効力をも生じないとするにあるのであり、従つて、会社からもその効力を認
め得ないものと解しなければならない。けだし、このような制限を法定したのは、
所論の技術的理由によることもさることながら、株券発行前の譲渡方式に一定され
たものがないことによる法律関係の不安定を除去しようとする考慮によるものであ
つて、すなわち、会社株主間の権利関係の明確かつ画一的処理による法的安定性を
一層重視したるによるものと解すべきだからである。所論の解釈によるときは、い
わゆる合理的期間の算定が会社の規模その他の事情により区々となつて法律関係の
混乱を生じ、右の法意に反する嫌を免れない。
 もつとも、このように解するの結果は、論旨においても指摘されているとおり、
会社は、その成立後不当に株券の発行を遅延しても、株券の未発行を理由として株
式譲渡の効力を否認することができることとなるのであつて、このように株式譲渡
の自由を事実上制約し得る可能性を会社に付与するような解釈を採ることは株式の
自由譲渡性を規定した法の精神に照して許されるべきでないとすることは、たしか
に一理あることで、株式の経済的機能との関連においても考量の余地がないとはい
えないであろう。さればといつて、その故に前記法意が軽視されてはならないので
あり、右所論指摘の場合は、株主に株券発行交付の請求権があることは当然で、そ
の他会社に対して損害賠償の請求権をも妨げないのであるから、これらの権利の行
使につき多少の不便不利があるとしても、前記の法意に変更を加え、所論のように
二〇四条二項を以て株券発行準備の合理的期間内における株式譲渡の効力を否定す
るにとどまるものとし、右合理的期間の経過後は、株券の発行がなくても会社にお
いて株式譲渡のあつたことを承認した以上、株式の譲渡は、会社に対する関係にお
いても効力を生ずるものと解することは首肯できない。同条の法意に関する原審の
判断は、結局正当に帰し、論旨は採るを得ない。
 よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意
見で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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