弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人坂上徳三郎の上告趣意について。
 合議裁判所における裁判書にはその裁判をした判事の一名が契印し、かつ挿入削
除の場合の訂正印をすれば足るものであるから(昭和二五年(れ)一二四八号同二
六年二月二〇日第三小法廷判決参照)この点の論旨は理由がない。その余の論旨は
結局量刑不当の主張に帰し適法な上告理由とならない。
 被告人Bの弁護人大内省三郎の上告趣意第一点について。
 原判決認定の判示第一の二のC方に対する強盗予備の行為主体は被告人B、同A、
原審相被告人Dの三名であり、判示第二の右Cに対する強盗既遂の行為主体は被告
人B同Aの二名であつてその行為主体を異にし両者は各別の意思決定に基くものと
いうべきであるから、それがたとえその侵害の相手方を同一にしても前者が後者に
吸収せらるべき筋合でない。従つて原判決が両者を各別に処断したことは相当であ
つて論旨は理由がない。(昭和二五年(れ)一八五二号同二六年四月三日第三小法
廷判決参照)
 同第二点について。
 原審が没収を言渡した所論の短刀二振は被告人等の判示強盗、同予備の幇助者た
る原審被告人Eの所有に属するものであるから、これをその共犯者たる被告人等か
ら没収しても違法でなく、論旨は理由がない。
 よつて、刑訴施行法二条旧刑訴法四四六条に従い全裁判官一致の意見で主文のと
おり判決する。
 検察官 岡琢郎関与
  昭和二六年一〇月二六日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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