弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破毀する。
     本件を東京高等裁判所に差戻す。
         理    由
 弁護人柴田元一同竹内静三上告趣意第一点について。
 記録によると、本件につき原審は昭和二三年一二月一四日第一回公判を開廷し、
同法廷には弁護人高山和雄同柴田元一各出頭して審理に立ち会い、裁判所は同法廷
で次回公判期日を昭和二四年二月一〇日午前一〇時と指定し右弁護人に出頭を命じ
たこと、右二月一〇日の第二回公判期日には弁護人柴田元一は出頭したが弁護人高
山和雄は出頭せず、裁判所は次回公判期日は追つて指定する旨宣して閉廷したこと、
次いで裁判所は法廷外で(一)A外九名の証人を同年五月一日及び二日水戸地方裁
判所龍ケ崎支部で(二)B外三名の証人を昭和二五年三月二三日新潟地方裁判所で
各訊問する旨決定したが、右証拠決定謄本は弁護人高山和雄には送達されず同弁護
人の立会ないままで右証人等を訊問したこと、裁判所は第三回公判期日を同年四月
一日午前一〇時と指定し、弁護人柴田元一は右期日の調書を提出したが、弁護人高
山和雄はかかる手続をとらなかつたに拘らず同弁護人に対しては右公判期日の召喚
状を送達しなかつたこと、同年四月一日の第三回公判期日には被告人及び柴田弁護
人のみ出頭して審理が進められ、裁判所はさきに法廷外で訊問した各証人訊問調書
の証拠調等をして、次回公判期日を同年四月四日午前一〇時と指定し関係人に出頭
を命じているが、弁護人高山和雄には右期日の召喚状を送達しなかつたこと、そし
て昭和二五年四月四日の第四回公判期日には弁護人柴田元一が出頭して弁論をした
が、弁護人高山和雄は出頭せず、被告人は同弁護人の弁論を抛棄する旨述べて事件
の審理を終つたことが明らかである。さて、当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第
九八六号同年六月七日第三小法廷判決)によると、第一回公判期日につき弁護人に
対し適法な召喚手続がとられており且つ裁判所が爾後公判廷において順次次回期日
を指定告知した以上、第二回以後の公判期日に出頭しなかつた弁護人に対して次回
期日につき重ねて召喚手続をしなくても、不法に弁護権の行使を制限したものでな
いと示されているが、本件における弁護人高山和雄については右の場合と事情を異
にするのである。すなわち、本件に関する前記証拠決定並びにその後の公判期日の
指定は、いずれも公判廷外でなされたのであるから、同弁護人は仮りに適法に召喚
された公判期日に出頭していたとしても、前記証人を訊問すべき日時及び場所を知
り得ず従つて右訊問に立ち会う機会を与えられなかつたばかりでなく、前記証人訊
問調書につき証拠調の行われた公判期日についても適法に召喚されなかつたのであ
つて、同弁護人は不法に弁護権の行使を制限されたものと言はなければならない。
もつとも、記録によると被告人は弁護人高山和雄の弁論を抛棄する旨述べているが、
弁護人を召喚しないで審理した手続上の瑕疵は、被告人の弁論抛棄の陳述によつて
治癒されるものでないことも当裁判所の判例の示すとおりである(昭和二三年(れ)
第四六号同年四月六日第三小法廷判決、昭和二四年(れ)第一〇九三号同二五年九
月五日第三小法廷判決)。それゆえ、本件上告は理由があり、原判決はこの点にお
いて破毀を免れない。
 よつて、その他の論旨に対しては判断を省略し、旧刑訴第四四七条第四四八条ノ
二第一項に従い主文のとおり判決する。
 以上は、当小法廷裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 堀忠嗣関与
  昭和二五年一二月五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛